「ドッグフードの原材料表を見ても、何が良くて何が悪いのかわからない...」そんな悩みを抱える飼い主さんは非常に多いです。チキンミール、BHA、副産物、グレインフリーなど、聞き慣れない用語が並ぶ原材料表示は、正しい知識がなければ読み解くことができません。
この記事では、ドッグフードに使われる主要な原材料を「タンパク質源」「炭水化物・穀物源」「脂質源」「添加物・保存料」の4カテゴリに分類し、それぞれの栄養価、メリット・デメリット、安全性の評価を一覧形式で解説します。
情報はAAFCO(米国飼料検査官協会)の公式基準[1]、ペットフード安全法(農林水産省/環境省)[2]、NRC(米国学術研究会議)の犬の栄養素要求量[3]、Thompson(2008)の原材料に関する研究論文[4]の研究データに基づいています。
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原材料表示の基本ルール
ドッグフードの原材料表示を正しく読み解くには、まず表示のルールを理解する必要があります。日本では「ペットフード安全法」[2]に基づき、すべてのペットフードに原材料名の表示が義務付けられています。
表示順=使用量(重量)の多い順
ドッグフードの原材料は、使用した重量の多い順に記載するルールになっています。これはAAFCO(米国飼料検査官協会)[1]の基準に準拠した国際的なルールで、日本のペットフード安全法でも同様です。
つまり、原材料リストの最初の3~5項目がそのフードの主成分であり、フードの品質を大きく左右します。理想的なドッグフードでは、第一原材料に良質な動物性タンパク質(チキン、サーモン、ラムなど具体的な肉の名称)が記載されていることが望ましいとされています[3]。
主原料の重要性
フード選びで最も注目すべきは第一原材料(最も多く使われている原材料)です。犬は肉食寄りの雑食動物であり、NRC[3]の研究でも動物性タンパク質の重要性が強調されています。第一原材料が「チキン」「サーモン」などの具体的な動物名であれば、タンパク質源が明確で品質を判断しやすくなります。
原材料表示チェックポイント
- 第一原材料:具体的な動物性タンパク質名(チキン、サーモンなど)が理想
- 「肉類」「家禽類」などの曖昧表記:原材料が特定できないため品質の判断が困難
- 穀物の分割表記:「コーングルテン」「コーンフラワー」「コーンスターチ」と分けて記載することで、個々の順位を下げるテクニックに注意
- 保存料・着色料:合成添加物の有無を確認し、不要な着色料が含まれていないかチェック
生肉表記と乾燥肉表記の違い
原材料表示を読む際にもう一つ注意したいのが、「チキン」と「チキンミール」の違いです。「チキン」と書かれている場合は水分を含んだ生肉の重量で計算されています。肉の水分は約70%なので、乾燥後の実質的な含有量は表示上の印象より少なくなります。
一方、「チキンミール」は乾燥・粉砕後の重量で計算されているため、同じ重量ならばミールのほうが実質のタンパク質含有量は多くなります。「ミール」という言葉に抵抗を感じる方もいますが、AAFCOの定義に基づくミールは品質が明確に規定されている原材料です[1]。
タンパク質源一覧
タンパク質はドッグフードにおいて最も重要な栄養素のひとつです。犬の筋肉、臓器、皮膚、被毛、免疫機能の維持に不可欠であり、NRC[3]では成犬で乾物基準のタンパク質含有量18%以上、幼犬で22.5%以上を推奨しています。
以下の表では、ドッグフードに使用される主要な動物性タンパク質源の特徴、栄養面のメリット、注意点をまとめています。
| 原材料名 | 主な栄養素 | メリット | 注意点 | 詳細 |
|---|---|---|---|---|
| チキン(鶏肉) | 高タンパク・低脂肪、ビタミンB6、ナイアシン | 消化吸収率が高く嗜好性も良好。コストパフォーマンスに優れる | 犬の食物アレルギー原因として比較的多い(牛肉に次ぐ) | 詳しく見る→ |
| サーモン | オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)、ビタミンD、アスタキサンチン | 皮膚・被毛の健康維持に優れ、抗炎症作用が期待できる | 鮮度管理が重要。生サーモンには寄生虫リスク | 詳しく見る→ |
| 鹿肉(ベニソン) | 高タンパク・超低脂肪、鉄分、ビタミンB群 | 新奇タンパク質としてアレルギー対応に有効。脂肪が少なく肥満対策にも | 価格が高め。流通量が限定的 | 詳しく見る→ |
| ラム(羊肉) | タンパク質、鉄分、亜鉛、ビタミンB12 | L-カルニチンが豊富で脂肪代謝をサポート。アレルギー対応にも利用 | 脂肪含有量がやや高め。カロリー管理が必要 | 詳しく見る→ |
| ターキー(七面鳥) | 高タンパク・低脂肪、トリプトファン、セレン | チキンアレルギーの代替タンパク源として利用可能 | 入手性はチキンより低い。鶏肉と交差反応の可能性あり | - |
| ダック(鴨肉) | タンパク質、鉄分、不飽和脂肪酸 | 独特の風味で嗜好性が高い。新奇タンパク質としてアレルギー対応にも | 脂肪が多めでカロリーが高い | - |
| 白身魚(タラ・ヒラメなど) | 高タンパク・超低脂肪、ビタミンB12、ヨウ素 | 脂肪が極めて少なく、消化に優しい。ダイエット向き | 単独では脂肪酸のバランスが偏る可能性 | - |
| 昆虫プロテイン(BSF等) | タンパク質、ラウリン酸、食物繊維 | 環境負荷が低い。アレルギーリスクが非常に低い新規タンパク源 | まだ研究データが限定的。嗜好性に個体差 | - |
タンパク質源の選び方ポイント
- アレルギーのない犬:チキンやサーモンがコスパと栄養バランスに優れた定番の選択肢です
- アレルギーが疑われる犬:鹿肉やラムなどの「新奇タンパク質」(今まで食べたことのないタンパク源)を試すことが推奨されます[4]
- 肥満が気になる犬:鹿肉や白身魚など超低脂肪のタンパク質源がおすすめです
- 皮膚トラブルがある犬:サーモンなどオメガ3脂肪酸が豊富なタンパク質源が皮膚・被毛の改善に役立ちます
各タンパク質源の詳しい栄養分析やおすすめフードについては、個別の詳細記事もご参照ください。また、愛犬に安全な食品全般については犬が食べていい食べ物一覧も合わせてご確認ください。
炭水化物・穀物源
炭水化物はドッグフードの主要なエネルギー源のひとつです。犬は肉食寄りの雑食動物ですが、長い家畜化の歴史の中ででんぷんを消化する酵素(アミラーゼ)の遺伝子が増加しており、適切に調理された穀物を消化・利用する能力を持っています[3]。
「グレインフリー(穀物不使用)=高品質」というイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。FDAは2018年以降、グレインフリーフードと拡張型心筋症(DCM)の潜在的関連を調査しており、マメ科植物を多用したフードへの注意を喚起しています。穀物そのものは犬にとって安全なエネルギー源であり、穀物アレルギーが確認されている場合以外は必ずしも避ける必要はありません。
| 原材料名 | GI値目安 | 主な栄養素 | 特徴・メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 白米 | 高 | 炭水化物、ビタミンB1 | 消化に優しく、下痢時の療養食にも使われる。アレルゲン性が低い | 血糖値が上がりやすい。糖尿病の犬は注意 |
| 玄米 | 中 | 食物繊維、ビタミンB群、マグネシウム | 白米より食物繊維・ビタミンが豊富。血糖値の上昇が緩やか | 消化にやや負担がかかる場合がある |
| 小麦 | 高 | 炭水化物、タンパク質(グルテン) | エネルギー効率が高い。安価で広く利用される | グルテンアレルギーの犬にはNG。アレルゲンとして比較的多い |
| コーン(トウモロコシ) | 高 | 炭水化物、リノール酸、ビタミンE | エネルギー源として利用される。リノール酸が皮膚の健康に寄与 | 分割表記(コーングルテン・コーンフラワー等)に注意。アレルギー例あり |
| オーツ(オートミール) | 中 | 食物繊維(βグルカン)、鉄分、ビタミンB1 | 水溶性食物繊維が腸内環境を改善。グルテンフリー(一般的に) | 食物繊維が多いため、過剰摂取で軟便の可能性 |
| さつまいも | 中~高 | βカロテン、食物繊維、ビタミンC | 穀物アレルギー対応のエネルギー源。抗酸化成分が豊富 | 糖質が高い。肥満犬・糖尿病犬は量に注意 |
| 豆類(えんどう豆・レンズ豆・ひよこ豆) | 低~中 | タンパク質、食物繊維、鉄分 | グレインフリーフードの主要炭水化物源。植物性タンパク質も補給 | FDAのDCM調査でマメ科植物多用フードが指摘。多用には注意 |
グレインフリーは本当に必要?
グレインフリーフードが適しているのは、穀物アレルギーが獣医師により確認された犬に限られます。犬の食物アレルギーの主な原因は、実は穀物よりも動物性タンパク質(牛肉・鶏肉・乳製品など)であるケースが多いことが研究で示されています[4]。
穀物を避ける代わりにマメ科植物(えんどう豆、レンズ豆など)を大量に使用したフードは、FDAのDCM(拡張型心筋症)調査の対象となっています。安易にグレインフリーを選ぶのではなく、愛犬に本当にアレルギーがあるのかを獣医師に相談したうえで判断することが大切です。
穀物の種類やグレインフリーの是非について、より詳しくは穀物・炭水化物源の種類と選び方ガイドで解説しています。
脂質源
脂質はドッグフードにおいてエネルギー密度が最も高い栄養素であり、1gあたり約9kcalのエネルギーを供給します(タンパク質・炭水化物は約4kcal)。エネルギー源としてだけでなく、必須脂肪酸の供給、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収、皮膚・被毛の健康維持に不可欠な栄養素です[3]。
ドッグフードに使用される脂質源は大きく「動物性脂肪」と「植物性油脂」に分けられます。それぞれの特徴を理解し、バランスよく含まれているフードを選ぶことが重要です。
| 原材料名 | 種類 | 主な脂肪酸 | 特徴・メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 鶏脂(チキンファット) | 動物性 | リノール酸(オメガ6)、オレイン酸 | 嗜好性が非常に高い。必須脂肪酸であるリノール酸の主要供給源 | 酸化しやすいため保存料(酸化防止剤)が必要 |
| サーモンオイル(フィッシュオイル) | 動物性 | EPA・DHA(オメガ3) | 皮膚・被毛の健康、関節の炎症抑制、脳の発達をサポート | 非常に酸化しやすい。品質管理が重要 |
| 亜麻仁油(フラックスシードオイル) | 植物性 | α-リノレン酸(ALA/オメガ3) | 植物由来のオメガ3脂肪酸源。抗炎症作用が期待できる | 犬はALAからEPA/DHAへの変換効率が低いため、フィッシュオイルの完全代替にはならない |
| ココナッツオイル | 植物性 | 中鎖脂肪酸(MCT)、ラウリン酸 | 素早くエネルギーに変換される。抗菌・抗真菌作用 | 飽和脂肪酸が多い。過剰摂取で膵炎のリスク |
| ひまわり油 | 植物性 | リノール酸(オメガ6)、ビタミンE | ビタミンEが豊富で天然の酸化防止効果 | オメガ6過多になりやすい。オメガ3とのバランスに注意 |
オメガ6とオメガ3のバランス
脂質選びで最も重要なのが、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸のバランスです。NRC[3]では、犬のオメガ6:オメガ3比率を2:1~10:1の範囲に収めることが推奨されています。
- オメガ6過多(鶏脂やひまわり油のみ):体内の炎症反応が促進される可能性
- 理想的なバランス:鶏脂(オメガ6源)+サーモンオイル(オメガ3源)の組み合わせ
- 皮膚トラブルのある犬:オメガ3脂肪酸を強化したフードが特に推奨されます
原材料表で「鶏脂」に加えて「サーモンオイル」や「亜麻仁油」が含まれているフードは、脂肪酸バランスに配慮している良いサインです。
添加物・保存料
「添加物」と聞くとネガティブなイメージを持つ方が多いですが、すべての添加物が悪いわけではありません。ドッグフードに含まれる添加物は、大きく「必要な添加物」と「注意が必要な添加物」に分けられます[2]。
合成酸化防止剤(BHA/BHT/エトキシキン)
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)とBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)は、ドッグフードの脂肪の酸化を防ぐために広く使用されてきた合成保存料です。ペットフード安全法[2]により使用量の上限が定められており、基準値内であれば法的には安全とされています。
しかし、BHAについては動物実験で高用量の長期摂取による発がん性が報告されており、国際がん研究機関(IARC)では「ヒトに対する発がん性が疑われる物質(Group 2B)」に分類されています。このため、BHA/BHTを避け、天然由来の酸化防止剤を使用したフードを選ぶ飼い主が増えています。
BHA/BHTの安全性について詳しくはBHA/BHTの安全性と天然保存料の比較で解説しています。
| 添加物名 | 分類 | 目的 | 安全性の評価 |
|---|---|---|---|
| BHA | 合成酸化防止剤 | 脂肪の酸化防止 | 法定基準内は合法だが、IARC Group 2B(発がん性の疑い)。天然代替あり |
| BHT | 合成酸化防止剤 | 脂肪の酸化防止 | 法定基準内は合法。BHA同様、天然由来への切り替えが進む |
| エトキシキン | 合成酸化防止剤 | 脂肪の酸化防止 | 日本では使用量規制あり。欧米では使用を避けるメーカーが増加 |
| ミックストコフェロール(ビタミンE) | 天然酸化防止剤 | 脂肪の酸化防止 | 安全性が高い。合成保存料の代替として広く使用 |
| ローズマリー抽出物 | 天然酸化防止剤 | 脂肪の酸化防止 | 安全性が高い天然保存料。ミックストコフェロールと併用されることが多い |
ミール・副産物について
「チキンミール」「副産物ミール」という表記に不安を感じる飼い主は多いですが、AAFCOの定義では品質が明確に規定されている原材料です[1]。
- チキンミール:鶏肉を乾燥・粉砕したもの。水分が除かれているため、タンパク質が凝縮されている
- チキン副産物ミール:内臓(肝臓・心臓・砂肝など)や骨を乾燥・粉砕したもの。栄養価の高い部位も含まれる
- 「肉副産物」(原材料不特定):動物種が明記されていないため品質判断が困難。避けたほうが無難
ミールと副産物の違いやAAFCO定義について詳しくはミール・副産物の正しい理解と選び方をご覧ください。
ビタミン・ミネラル類(必要な添加物)
原材料リストの後半に長く並ぶ「ビタミンA」「ビタミンD3」「硫酸亜鉛」「硫酸鉄」などの表記に驚く方もいますが、これらは犬の健康に必要不可欠な栄養素を補うための添加物です[3]。
AAFCO基準で「総合栄養食」と表示するためには、犬に必要なビタミン・ミネラルがすべて基準値を満たしている必要があります。原材料だけでは不足する栄養素を添加物として補うことは、総合栄養食として当然必要な工程です。
必要な添加物の例
- ビタミン類:ビタミンA、D3、E、K、B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン
- ミネラル類:カルシウム、リン、亜鉛、鉄、銅、マンガン、ヨウ素、セレン
- アミノ酸類:タウリン、L-カルニチン、DL-メチオニンなど(特定の配合で不足する場合に添加)
- プロバイオティクス:乳酸菌、ビフィズス菌(腸内環境改善目的)
避けるべき原材料リスト
すべての原材料を理解したうえで、フード選びの際に特に注意すべき原材料をまとめます。以下に該当する原材料が多く含まれているフードは、品質面で慎重に検討する必要があります。
要注意原材料チェックリスト
- 不明瞭な「肉類」「家禽類」表記:動物種が特定できない原材料。品質・安全性の判断が困難
- 「動物性油脂」(原材料不特定):何の動物の脂肪か不明。品質にばらつきが出やすい
- BHA/BHT/エトキシキン:天然由来の酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物)で代替可能[2]
- 人工着色料(赤色○号、黄色○号など):犬は食品の色で食欲が変わらないため、着色料は飼い主向けの見栄え目的。栄養的に不要
- プロピレングリコール:ウェットフードの保湿剤として使用。猫用は使用禁止。犬用も不要なものは避けたい
- 過剰な砂糖・異性化糖・コーンシロップ:嗜好性を高めるために添加されることがあるが、肥満・糖尿病のリスクを高める
- 過剰な塩分:嗜好性向上目的の過剰添加は、腎臓や心臓に負担をかける
- 穀物の分割表記:「コーングルテン」「コーンフラワー」「コーンスターチ」と分けて記載し、個々の順位を下げるテクニック
原材料で判断するフード品質の目安
すべての犬に完璧なフードは存在しませんが、原材料表示から品質を推測するためのチェックポイントを以下にまとめます。
- 第一原材料が具体的な動物性タンパク質名:「チキン」「サーモン」「ラム」など動物名が明記されている
- 穀物の分割表記がない:同じ穀物を複数の形で別々に記載していない
- 天然由来の保存料を使用:ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物など
- 人工着色料を使用していない:赤色○号、黄色○号などの着色料が含まれていない
- 原材料の原産地やグレードの開示:ヒューマングレード原材料の使用、原産国の明記など透明性が高い
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よくある質問
ドッグフードの原材料表示はどのように読めばいいですか?
ドッグフードの原材料表示は、ペットフード安全法およびAAFCO基準に基づき、使用量(重量)の多い順に記載されています[1][2]。つまり、最初に表示されている原材料がそのフードで最も多く使われている主原料です。たとえば「チキン、玄米、鶏脂...」と表記されていれば、チキンが最も多い原材料です。ただし、水分を含んだ状態の肉類と乾燥した穀物を単純に比較すると実質の含有比率が異なる場合があるため、乾燥重量ベースでの確認も重要です。
チキンミールや副産物ミールは危険な原材料ですか?
チキンミールや副産物ミールは、必ずしも危険な原材料ではありません。AAFCOの定義では、チキンミールは鶏肉を乾燥・粉砕したもので、水分を除いた分タンパク質が凝縮されています[1]。副産物ミールは内臓や骨などを含みますが、栄養価の高い部位も多く含まれます。ただし、原材料の品質(ヒューマングレードかどうか、原産地が明記されているかなど)や製造工程の透明性はメーカーによって異なります。信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。詳しくはミール・副産物の正しい理解と選び方をご覧ください。
グレインフリーのドッグフードは本当に良いのですか?
グレインフリーが必ずしも優れているとは限りません。穀物アレルギーが確認されている犬には有効ですが、犬の食物アレルギーの主な原因は穀物よりも動物性タンパク質(牛肉・鶏肉・乳製品など)であるケースが多いことが研究で示されています[4]。また、FDAは2018年以降、グレインフリーフードと拡張型心筋症(DCM)の潜在的な関連を調査しており、特にマメ科植物を多用したフードに注意が必要とされています。穀物そのものは犬にとって消化可能なエネルギー源であり、ビタミンB群や食物繊維の供給源にもなります。詳しくは穀物・炭水化物源の種類と選び方ガイドをご覧ください。
BHAやBHTなどの合成保存料は避けるべきですか?
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)とBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)は合成酸化防止剤で、ペットフードの脂肪の酸化を防ぐ目的で使用されます。ペットフード安全法[2]で使用量の上限が定められており、基準値内であれば法的には安全とされています。しかし、動物実験で高用量の長期摂取による発がん性が報告されていることから、ミックストコフェロール(ビタミンE)やローズマリー抽出物など天然由来の酸化防止剤を使用したフードを選ぶ飼い主が増えています。愛犬の長期的な健康を考えるなら、天然由来の保存料を使用したフードを優先的に選ぶことをおすすめします。詳しくはBHA/BHTの安全性と天然保存料の比較をご覧ください。
まとめ
この記事では、ドッグフードに使われる主要な原材料をタンパク質源・炭水化物源・脂質源・添加物の4カテゴリに分けて解説しました。原材料を理解することは、愛犬に最適なフードを選ぶための第一歩です。
フード選びで押さえるべきポイントをおさらいしましょう。
- 原材料表示は重量順:最初の3~5項目が品質を左右する主原料[1]
- 第一原材料に良質な動物性タンパク質:「チキン」「サーモン」など具体的な動物名が記載されていることが理想[3]
- 穀物は犬にとって安全なエネルギー源:グレインフリーが必ずしも優れているわけではない
- 脂質はオメガ6とオメガ3のバランスが重要:鶏脂+サーモンオイルの組み合わせが理想
- 天然由来の保存料を優先:BHA/BHTよりもミックストコフェロール、ローズマリー抽出物を選ぶ[2]
- 不明瞭な原材料表記に注意:「肉類」「動物性油脂」など原材料が特定できない表記は避ける
各原材料のさらに詳しい情報は、以下の個別記事でご確認ください。
- チキン(鶏肉)の栄養と安全性
- サーモンの栄養と安全性
- 鹿肉(ベニソン)の栄養と安全性
- ラム(羊肉)の栄養と安全性
- 穀物・炭水化物源の種類と選び方ガイド
- BHA/BHTの安全性と天然保存料の比較
- ミール・副産物の正しい理解と選び方
犬が食べていい食品・危険な食品については、以下の記事もあわせてご覧ください。
参考文献を表示(全4件)
- AAFCO (2024). Official Publication. Association of American Feed Control Officials.
- ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律). 農林水産省/環境省.
- National Research Council. "Nutrient Requirements of Dogs and Cats." National Academies Press, 2006.
- Thompson A. "Ingredients: Where Pet Food Starts." Topics in Companion Animal Medicine. 2008;23(3):127-132.