「ドッグフードに穀物が入っているけど、犬に穀物を与えても大丈夫なの?」「グレインフリーのほうが犬の体に良いのでは?」そんな疑問を抱いている飼い主さんは多いのではないでしょうか。
近年、グレインフリー(穀物不使用)のドッグフードが注目を集めていますが、「穀物=犬に悪い」という考えは科学的根拠に基づいたものではありません。実際には、犬は進化の過程ででんぷんの消化能力を獲得しており、穀物はエネルギー源・食物繊維・ビタミン・ミネラルの重要な供給源となっています。
この記事では、ドッグフードによく使われる6種類の穀物(白米・玄米・小麦・コーン・オーツ・大麦)の栄養価・消化性・アレルゲン性を科学的データに基づいて比較解説します。穀物の「種類」を理解することで、愛犬のフード選びがより確かなものになるはずです。
犬は穀物を消化できるのか ── AMY2B遺伝子の研究
「犬は肉食動物だから穀物を消化できない」という主張を見かけることがありますが、これは最新の科学研究と矛盾しています。犬は分類学的には食肉目に属しますが、栄養学的には雑食性の動物です。
オオカミとの決定的な違い:AMY2B遺伝子
2013年にNature誌に発表されたAxelssonらの画期的な研究[1]は、犬の家畜化の遺伝的背景を初めて明らかにしました。この研究では、犬とオオカミのゲノムを比較した結果、犬の家畜化に伴う3つの重要な遺伝的変化が特定されました。なかでも注目すべきは、でんぷん消化に関わるAMY2B遺伝子です。
AMY2B遺伝子とは?
AMY2B遺伝子は、膵臓で分泌されるアミラーゼ(でんぷん分解酵素)を産生するための遺伝子です。Axelssonらの研究により、以下の事実が明らかになりました。
- コピー数の差:犬はオオカミと比べてAMY2B遺伝子のコピー数が平均で4〜30倍多い
- 酵素活性の差:犬の膵臓アミラーゼ活性はオオカミの約28倍
- 進化的意味:犬は人間と共に暮らす中で、でんぷんを多く含む農耕社会の食事に適応した
これは犬が何千年もの間、穀物を含む食事を消化してきたことを示す科学的証拠です[1]。
犬のでんぷん消化プロセス
犬は以下のメカニズムにより、穀物に含まれるでんぷんを効率的に消化・吸収できます。
- 膵臓アミラーゼ:小腸内ででんぷんをマルトースに分解
- マルターゼ・スクラーゼ:小腸粘膜でマルトースをグルコースに分解
- グルコース吸収:小腸上皮細胞から血液中に吸収
NRC(米国学術研究会議)の報告書でも、適切に調理された穀物のでんぷん消化率は犬において95%以上に達するとされています[3]。ただし、この高い消化率は穀物が十分に加熱調理されていることが前提です。生のでんぷん(生米やとうもろこし粉など)は消化効率が大幅に低下します。
加熱がでんぷん消化の鍵
でんぷんは加熱によって「糊化(こか)」と呼ばれる構造変化を起こし、酵素が作用しやすい形に変わります。ドッグフードの製造工程(エクストルージョン加工など)は、この糊化を効率的に行うよう設計されています。手作り食で穀物を与える場合は、しっかりと加熱調理してから与えてください。
穀物の種類別比較テーブル
ドッグフードに使用される代表的な6種類の穀物を、栄養成分・GI値・アレルゲン性・特徴で比較しました。それぞれの穀物が持つ強みと注意点を一覧で把握できます。
| 穀物 | 主な栄養成分 (100gあたり) |
GI値 (目安) |
アレルゲン性 | グルテン | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 白米 | エネルギー 356kcal タンパク質 6.1g 脂質 0.9g 炭水化物 77.6g 食物繊維 0.5g |
高い (約70〜80) |
低い | なし | 高消化性・低アレルゲン。消化器が敏感な犬に適する。療法食にも多用 |
| 玄米 | エネルギー 346kcal タンパク質 6.8g 脂質 2.7g 炭水化物 73.8g 食物繊維 3.0g |
中程度 (約50〜60) |
低い | なし | 食物繊維・ビタミンB群・ミネラルが豊富。白米より血糖上昇が緩やか |
| 小麦 | エネルギー 337kcal タンパク質 10.6g 脂質 3.1g 炭水化物 72.2g 食物繊維 10.8g |
中〜高 (加工により変動) |
やや高い | あり | タンパク質・食物繊維が豊富だが、グルテン含有でアレルギーリスクがやや高い |
| コーン (トウモロコシ) |
エネルギー 350kcal タンパク質 8.6g 脂質 5.0g 炭水化物 70.6g 食物繊維 9.0g |
中程度 (約55〜65) |
低〜中程度 | なし (ゼインは非グルテン) |
ビタミンE・リノール酸が豊富。消化性は加工方法に大きく依存 |
| オーツ (オートミール) |
エネルギー 380kcal タンパク質 13.7g 脂質 6.9g 炭水化物 69.1g 食物繊維 9.4g |
低い (約55以下) |
低い | 微量 (アベニン) |
水溶性食物繊維β-グルカン豊富。低GIで血糖値安定。タンパク質含有量も高い |
| 大麦 | エネルギー 340kcal タンパク質 10.9g 脂質 2.1g 炭水化物 72.1g 食物繊維 10.3g |
低い (約25〜35) |
低い | 微量 (ホルデイン) |
水溶性食物繊維が豊富。GI値が最も低く、腸内環境の改善に寄与 |
※ 栄養成分値は乾燥重量ベースの概算値です。実際の数値は品種・産地・加工方法により異なります。GI値はヒト用データに基づく目安であり、犬での正確なGI値は異なる場合があります。参考:NRC (2006)[3]、AAFCO (2024)[4]
各穀物の詳細解説
白米 ── 高消化性・低アレルゲンの定番穀物
白米は精製によって外皮(糠)と胚芽を除去した米で、ドッグフードのなかでも最も消化性の高い穀物のひとつです。消化器が敏感な犬や術後の回復期の犬に適しており、多くの療法食でも主要な炭水化物源として採用されています。
- メリット:消化率が非常に高い(90%以上)、アレルゲン性が低い、胃腸に優しい
- デメリット:GI値が高く血糖値が上昇しやすい、精製により食物繊維・ビタミンB群が大幅に減少
- こんな犬に向いている:消化器が弱い犬、食物アレルギーで除去食試験中の犬、シニア犬
玄米 ── 栄養バランスに優れた全粒穀物
玄米は白米の精製前の状態で、外皮(糠)と胚芽が残っているため、ビタミンB1・B6、マグネシウム、食物繊維が白米よりも豊富に含まれています。食物繊維は白米の約6倍で、腸内環境の改善や便通の安定に役立ちます。
- メリット:ビタミンB群とミネラルが豊富、食物繊維で腸内環境を整える、GI値が白米より低い
- デメリット:白米よりやや消化しにくい、フィチン酸がミネラル吸収を阻害する可能性
- こんな犬に向いている:健康な成犬全般、便の状態を安定させたい犬、体重管理が必要な犬
小麦 ── 高タンパクだがグルテンに注意
小麦は穀物のなかでもタンパク質含有量が比較的高く、食物繊維も豊富な栄養価の高い食材です。しかし、小麦に含まれるグルテン(グリアジンとグルテニンの複合タンパク質)は、犬の食物アレルギーの原因のひとつとして報告されることがあります。
ただし、人間のセリアック病のようなグルテン不耐症が犬で確認されているのは、アイリッシュ・セッターなどごく一部の犬種に限られます。大多数の犬にとって小麦グルテンは問題なく消化できるタンパク質源です。
- メリット:タンパク質が豊富(約10.6g/100g)、食物繊維も多い、入手しやすくコストが低い
- デメリット:グルテン含有のためアレルギーリスクがやや高い、一部犬種でグルテン不耐症の報告あり
- 注意が必要な犬:食物アレルギーが疑われる犬、アイリッシュ・セッター、かゆみや消化器症状がある犬
コーン(トウモロコシ) ── ビタミンEとリノール酸の供給源
コーンは一部で「かさ増し」や「消化できない」と批判されることがありますが、これは正確ではありません。適切に加工されたコーンは犬にとって消化率の高い栄養源です。コーンミール、コーングルテンミールなど、加工形態によって栄養プロファイルが大きく変わる点が特徴です。
コーンに含まれるリノール酸(必須脂肪酸)は、犬の皮膚・被毛の健康維持に重要な役割を果たします[3]。また、ビタミンEやルテインなどの抗酸化物質も含まれています。
- メリット:リノール酸(必須脂肪酸)が豊富、ビタミンE・ルテインなどの抗酸化物質を含む、エネルギー効率が良い
- デメリット:粗びきのままでは消化しにくい、コーングルテンミールは栄養プロファイルが異なる
- チェックポイント:原材料表示で「コーン」「コーンミール」「コーングルテンミール」など、どの形態で使用されているかを確認
オーツ(オートミール) ── 低GI・高タンパクの優等生
オーツはドッグフードに使われる穀物のなかでも、栄養バランスに最も優れた穀物のひとつと言えます。タンパク質含有量が穀物のなかで最も高く(約13.7g/100g)、さらに水溶性食物繊維のβ-グルカンを豊富に含んでいます。
β-グルカンは腸内の善玉菌のエサとなるプレバイオティクスとして機能し、腸内フローラのバランスを整え、免疫機能をサポートする効果が報告されています。GI値も穀物のなかでは低い部類に入り、血糖値の急上昇を抑える特徴があります。
- メリット:β-グルカンによる腸内環境改善、低GIで血糖値安定、タンパク質含有量が高い
- デメリット:小麦アレルギーの犬は交差反応の可能性がある(微量のアベニンを含む)、コストがやや高い
- こんな犬に向いている:体重管理が必要な犬、腸内環境を整えたい犬、活動量の多い犬
大麦 ── GI値最低、食物繊維の宝庫
大麦は今回比較した穀物のなかでGI値が最も低く(約25〜35)、食物繊維含有量がトップクラスの穀物です。オーツと同様にβ-グルカンを豊富に含み、腸内環境の改善に大きく寄与します。
大麦にはホルデインというタンパク質が含まれていますが、これは小麦グルテン(グリアジン・グルテニン)とは構造が異なり、一般的に犬への影響は小さいとされています。ただし、重度のグルテン感受性がある犬では注意が必要です。
- メリット:GI値が穀物中最低クラス、水溶性食物繊維が豊富、コレステロール低下作用も報告
- デメリット:微量のホルデイン(グルテン類似タンパク質)を含む、加熱不足だと消化率が低下
- こんな犬に向いている:肥満傾向の犬、血糖値の管理が必要な犬、便通を改善したい犬
穀物アレルギーの実態 ── 発生率は想像より低い
「穀物は犬のアレルギーの原因になりやすい」というイメージが広まっていますが、実際の研究データは異なる実態を示しています。
Muellerらの大規模レビュー(2016年)
2016年にBMC Veterinary Research誌に発表されたMuellerらの体系的レビュー[2]は、犬と猫の食物アレルギーに関する過去の研究を包括的に分析した重要な論文です。この研究では、犬の食物アレルギーの主な原因食材として以下の順位が報告されました。
| 順位 | 原因食材 | 報告された割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 牛肉 | 約34% |
| 2位 | 乳製品 | 約17% |
| 3位 | 鶏肉 | 約15% |
| 4位 | 小麦 | 約13% |
| 5位 | 大豆 | 約6% |
| 6位 | ラム | 約5% |
| 7位 | コーン | 約4% |
このデータからわかるとおり、犬の食物アレルギーの上位3つはすべて動物性タンパク質です。穀物のなかで比較的高いアレルゲン性が報告されているのは小麦(4位・約13%)ですが、牛肉(約34%)の半分以下です。コーンに至っては約4%にとどまっています。
穀物アレルギーの正しい判断方法
「穀物が入っているフードで調子が悪い」からといって、穀物がアレルゲンとは限りません。フードには穀物以外にも多くの原材料が含まれています。穀物アレルギーの確定診断には、動物病院での除去食試験(8〜12週間)が必要です。自己判断で穀物を除去するのではなく、まず獣医師に相談しましょう。食物アレルギーの詳しい対策は犬のアレルギー完全ガイドで解説しています。
穀物アレルギーの症状
穀物に限らず、犬の食物アレルギーでは以下のような症状が見られます。
- 皮膚症状:かゆみ(特に耳・足先・腹部・脇の下)、皮膚の赤み・発疹、慢性的な外耳炎
- 消化器症状:嘔吐、下痢、軟便、頻繁なガス
- その他:肉球の間の炎症、被毛の劣化、舐め壊し
これらの症状は環境アレルゲン(ハウスダスト・花粉など)でも同様に現れるため、症状だけで食物アレルギーと断定することはできません。必ず動物病院で適切な検査を受けてください。
グレインフリーとの関係
穀物の種類と栄養価を理解したうえで気になるのが、「では穀物を使わないグレインフリーフードはどうなのか?」という点でしょう。
グレインフリーフードは、穀物アレルギーが確認されている犬にとっては有効な選択肢です。しかし、すべての犬にグレインフリーが推奨されるわけではありません。グレインフリーフードでは穀物の代わりにジャガイモ、サツマイモ、豆類(エンドウ豆・レンズ豆)などの炭水化物源が使用されており、これらにも固有の栄養特性と注意点があります。
また、米国FDA(食品医薬品局)は2018年以降、グレインフリーフードと犬の拡張型心筋症(DCM)の関連について調査を行っています。因果関係はまだ確定していませんが、健康な犬が「なんとなく良さそう」という理由だけでグレインフリーを選ぶ必要はないと考えられます。
グレインフリーフードの詳しいメリット・デメリット、DCMとの関連、向いている犬の特徴については、上記のグレインフリードッグフードガイドで詳しく解説しています。本記事では穀物そのものの栄養解説に特化し、グレインフリーの是非については既存記事に委ねます。
原材料表示での穀物チェックポイント
ドッグフードのパッケージにある原材料表示は、含有量の多い順に記載されるルールになっています[4]。穀物に関して確認すべきポイントを整理しました。
1. 穀物の記載位置を確認する
原材料表示で穀物が最初の数項目に記載されている場合、そのフードの主要なエネルギー源が穀物であることを意味します。必ずしも悪いことではありませんが、犬はタンパク質を多く必要とする動物ですので、動物性タンパク質源(肉・魚)が穀物より前に記載されているフードを選ぶのがひとつの目安です。
2. 穀物の「分割表記」に注意する
一部のフードでは、同じ穀物を異なる名称に分割して記載することで、穀物が上位に来ないようにしているケースがあります。
分割表記の例
- 「コーンミール」「コーングルテンミール」「コーンスターチ」→ すべてトウモロコシ由来
- 「小麦粉」「小麦ふすま」「小麦グルテン」→ すべて小麦由来
- 「米」「米粉」「米ぬか」→ すべて米由来
同じ原料が複数の名称で記載されている場合、それらを合算すると実際の含有量は表示上の印象よりも多い可能性があります。原材料表示の読み方について詳しくはドッグフードの原材料表示ガイドをご覧ください。
3. 全粒穀物か精製穀物かを確認する
可能であれば、全粒穀物(玄米・全粒小麦・オートミールなど)を使用しているフードを選ぶのがおすすめです。全粒穀物は精製穀物に比べて食物繊維・ビタミン・ミネラルが豊富に残っています。
- 全粒穀物の表記例:「玄米」「全粒小麦」「オートミール」「全粒大麦」「ブラウンライス」
- 精製穀物の表記例:「白米」「米粉」「小麦粉」「コーンスターチ」
4. 穀物の品質表記をチェックする
「穀物類」「穀類」のように具体的な穀物名が記載されていない場合は、使用されている穀物の種類が不明確です。どの穀物が使われているかが明記されているフードのほうが、原材料の透明性が高いと判断できます。
原材料表示チェックリスト
- 動物性タンパク質源が穀物より前に記載されているか
- 同じ穀物の分割表記がないか
- 全粒穀物が使われているか
- 具体的な穀物名が明記されているか
- 愛犬のアレルゲンとなる穀物が含まれていないか
よくある質問
穀物入りドッグフードと穀物フリー(グレインフリー)、どちらが犬に良いですか?
一概にどちらが良いとは言えません。穀物アレルギーが確認されている犬にはグレインフリーが適していますが、健康な犬であれば穀物入りフードで問題ありません。犬はAMY2B遺伝子の働きにより、オオカミよりもでんぷんの消化能力が高く進化しています[1]。穀物はエネルギー源としてだけでなく、ビタミンB群や食物繊維などの栄養素も供給します。大切なのは「穀物の有無」ではなく、フード全体の栄養バランスです。グレインフリーの詳しい解説はグレインフリードッグフードガイドをご覧ください。
犬はでんぷんを消化できますか?
はい、犬はでんぷんを消化できます。2013年にNature誌に発表されたAxelssonらの研究[1]により、犬はオオカミと比べてAMY2B遺伝子(でんぷん分解酵素アミラーゼを作る遺伝子)のコピー数が4〜30倍多いことが明らかになりました。これは犬が人間と共に暮らす中で、でんぷんを多く含む食事に適応してきた進化的な証拠です。適切に加熱調理された穀物であれば、犬は95%以上の高い消化率ででんぷんを吸収できます[3]。
小麦グルテンは犬にとって有害ですか?
小麦グルテンはほとんどの犬にとって有害ではありません。人間のセリアック病のようなグルテン不耐症は、犬では極めてまれです(アイリッシュ・セッターなど一部の犬種で報告例があるのみ)。ただし、小麦は犬の食物アレルギーの原因食材のひとつとして報告されており[2]、小麦アレルギーがある犬にはグルテンフリーの食事が必要です。アレルギーがない犬にとっては、小麦グルテンは良質なタンパク質源のひとつです。
犬の穀物アレルギーにはどんな症状がありますか?
犬の穀物アレルギーの症状としては、皮膚のかゆみ(特に耳・足先・腹部)、慢性的な外耳炎、皮膚の赤み・発疹、嘔吐や下痢などの消化器症状が挙げられます。ただし、これらの症状は穀物以外のアレルゲン(肉類・環境アレルゲンなど)でも同様に現れます。Muellerらの研究[2]では、犬の食物アレルギーの主な原因は穀物よりも牛肉・乳製品・鶏肉であることが示されています。穀物が原因かどうかは自己判断せず、動物病院で除去食試験を受けて特定することが重要です。
まとめ
「穀物=犬に悪い」という考えは、科学的根拠に基づいたものではありません。犬はAMY2B遺伝子の進化により、でんぷんを効率的に消化できる能力を獲得しています[1]。
ドッグフードに使われる穀物にはそれぞれ異なる栄養的メリットがあります。白米は高消化性・低アレルゲンで消化器が敏感な犬に適し、玄米はビタミンB群と食物繊維が豊富、オーツと大麦は低GIで腸内環境の改善に寄与します。小麦はグルテン含有のためアレルギーリスクがやや高く、コーンはビタミンEとリノール酸の優れた供給源です。
犬の食物アレルギーの主因は穀物よりも動物性タンパク質(牛肉・乳製品・鶏肉)であるという研究報告[2]も踏まえると、穀物をむやみに避けるのではなく、愛犬の体質に合った穀物を適切に活用することがフード選びの賢いアプローチです。
フードの原材料表示をチェックし、使用されている穀物の種類・加工形態を確認する習慣をつけましょう。穀物アレルギーが心配な場合は、自己判断せず動物病院での除去食試験を受けることをおすすめします。
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- Axelsson E, Ratnakumar A, Arendt ML, et al. "The genomic signature of dog domestication reveals adaptation to a starch-rich diet." Nature. 2013;495(7441):360-364. DOI: 10.1038/nature11837
- Mueller RS, Olivry T, Prelaud P. "Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (2): common food allergen sources in dogs and cats." BMC Vet Res. 2016;12:9. DOI: 10.1186/s12917-016-0633-8
- National Research Council. "Nutrient Requirements of Dogs and Cats." National Academies Press, 2006.
- Association of American Feed Control Officials (AAFCO). Official Publication. 2024.