原材料表示の読み方はこちら
原材料ラベルの配合量順のルール、添加物の判別方法、ミール・副産物の違いなど、原材料欄の読み方については別記事で詳しく解説しています。
保証成分値の基本|5つの項目を理解する
ドッグフードの成分表の数字(保証成分値)には、主に5つの基本項目が記載されています。[1][2]
| 成分 | 表示の意味 | 小型犬の一般的な目安(ドライ・成犬用) |
|---|---|---|
| 粗タンパク質 | 最低値(○%以上) | 25~35% |
| 粗脂肪 | 最低値(○%以上) | 12~20% |
| 粗繊維 | 最高値(○%以下) | 2~5% |
| 粗灰分 | 最高値(○%以下) | 5~10% |
| 水分 | 最高値(○%以下) | ドライ: 10%以下 / ウェット: 75~80% |
保証成分値(成分)は、ペットフードの表示に関する公正競争規約で表示が求められている項目です。[2]これらの数値の意味を理解することが、フードの栄養価を正しく評価する第一歩です。
「灰分(粗灰分)」とは
成分表の「灰分(粗灰分)」は、フードを高温(550〜600℃)で燃やしたあとに残る灰の量で、ミネラル(無機質)の総量を反映する値です。[3][4]ペットフードでは「○%以下」と上限で書かれます。[5]
タンパク質・脂質の適正値と「粗」の意味
保証成分値に付く「粗(そ)」は「おおよその値」という意味です。たとえば「粗タンパク質」は、フードに含まれる窒素の量を測って6.25を掛けた値(ケルダール法という測り方)で、タンパク質以外の窒素も数に入るため、純粋なタンパク質量よりやや高い値になります。
子犬・シニア犬のタンパク質・脂質の目安
成犬の目安は最初の表のとおりです。子犬とシニア犬は次が目安です。
| ライフステージ | 粗タンパク質 | 粗脂肪 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 子犬(成長期) | 28%以上 | 15%以上 | 成長に必要な高タンパク・高カロリー |
| シニア犬 | 25%以上 | 10~15% | 筋肉維持のためタンパク質は維持、脂質は控えめに |
犬は肉食に近い雑食動物のため、動物性タンパク質が主なタンパク源であるフードが理想的です。
数値だけで判断しない
粗タンパク質が高くても、その原料が植物性タンパク質(コーングルテンなど)中心の場合、アミノ酸バランスが犬にとって合うとは限りません。保証成分値の数値と原材料表示の両方を確認しましょう。
ドライとウェットの比べ方|水分を除いて換算する
ドッグフードの比較でもっとも多い誤解のひとつが、「パッケージの数値をそのまま比較してしまう」ことです。ドライフード(水分約10%)とウェットフード(水分約75%)では水分量が大きく異なるため、水分を除いた中身(乾物)あたりに直す「乾物換算」が必要です。[6]
換算の具体例
| ドライフードA | ウェットフードB | |
|---|---|---|
| 粗タンパク質(パッケージの表示) | 27% | 9% |
| 水分 | 10% | 78% |
| 粗タンパク質(乾物換算) | 30% | 40.9% |
パッケージの数字のままでは「ドライフードAのほうがタンパク質が多い」ように見えますが、乾物換算すると、実はウェットフードBのほうが約41%と高タンパクであることがわかります。
乾物換算の式
乾物換算の栄養素(%) = パッケージの栄養素(%) ÷ (100% - 水分%) × 100
ウェットフードBの場合:
粗タンパク質(乾物換算) = 9% ÷ (100% - 78%) × 100 = 9 ÷ 22 × 100 = 約40.9%
ドライフードとウェットフードを混ぜて与えている場合も、両方を乾物換算でそろえてから栄養バランスを見比べてください。
炭水化物の計算とカロリー表示の見方
炭水化物は自分で計算する
ドッグフードのラベルには炭水化物(糖質)が直接表示されないことが多いのですが、以下の計算式で概算できます。
炭水化物の概算式
炭水化物(%) = 100% - 粗タンパク質(%) - 粗脂肪(%) - 粗繊維(%) - 粗灰分(%) - 水分(%)
例:粗タンパク質28%以上、粗脂肪16%以上、粗繊維4%以下、粗灰分8%以下、水分10%以下の場合
炭水化物 = 100 - 28 - 16 - 4 - 8 - 10 = 34%
WANPAKUの200種類以上データベースの分析では、小型犬向けドライフードの炭水化物含有量は平均約40%(範囲: 約18~60%)でした。グレインフリー製品であっても、サツマイモやエンドウ豆などの代替炭水化物源が使われるため、炭水化物がゼロになることはありません。
カロリー表示の見方
多くのフードには、体が使えるエネルギー(カロリー)が「○○kcal/100g」の形で書かれています。小型犬向けドライフードの一般的な範囲は330~400kcal/100gです。
愛犬に合うカロリーは体重や活動量によって異なります。パッケージに書かれた1日のフードの量はあくまで目安なので、体重の変化を見ながら微調整していきましょう。
総合栄養食とAAFCO基準
主食として与えるフードは、必ず「総合栄養食」と表示されたものを選んでください。[6]
- 総合栄養食:そのフードと水だけで必要な栄養を摂取できる。毎日の主食に
- 一般食(副食):栄養基準を満たしていない。おかず・トッピング用
- 間食:おやつ。しつけやご褒美に
- 療法食:獣医師の指導のもとで使用
AAFCO基準の2つのライフステージ
AAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準には「成長期(Growth)」と「維持期(Maintenance)」の2区分があり、それぞれ必要な栄養素の最低・最高値が規定されています。
「総合栄養食」と表示するためには、以下のいずれかを満たす必要があります。
- 栄養分析法:フードの栄養成分がAAFCO基準値を満たしていることを分析で確認
- 給与試験法:実際に犬にフードを一定期間与え、健康状態を確認する試験をクリア
AAFCO基準とFEDIAF基準、日本基準の詳細な比較についてはAAFCO・FEDIAF・日本の基準比較で詳しく解説しています。
すぐ使える!栄養成分チェックリスト
ここまでの内容を踏まえて、栄養成分値をチェックするときのリストをまとめました。
栄養成分値チェックリスト
- □ 粗タンパク質は愛犬のライフステージに合った数値か(成犬なら25%以上が目安)
- □ ドライとウェットを比較するとき、乾物換算をしているか
- □ 炭水化物を計算したか(小型犬向けドライは平均約40%・約18~60%の幅)
- □ 「総合栄養食」と書いてあるか(成分表を比べるのも総合栄養食どうしで)
- □ カロリーが愛犬の体重・活動量に合っているか
すべての項目を満たす必要はありません。愛犬の状態や、飼い主さんが重視するポイントに合わせて、優先順位をつけて選んでください。
よくある質問
Q. タンパク質が高いフードほど良いのですか?
必ずしも高いほど良くはありません。量だけでなく、原料が動物性か植物性かも見ます。腎臓に持病がある犬は高タンパクの食事が負担になる場合があるため、獣医師に相談してください。
まとめ
成分表は「以上=最低値」「以下=最高値」として読み、ドライとウェットは水分を除いてから比べます。炭水化物は表示が無くても引き算で概算できます。迷ったときはチェックリストに戻って確かめてください。