「うちの子、いつも体をかいてる…」「耳の中が赤くなりやすいんです」「下痢を繰り返してて心配」。そんなお悩み、ありませんか?
季節に関係なくこうした症状が続くと、本当に心配になるものです。愛犬が辛そうにしている姿を見ると、何とかしてあげたいと思うのは当然のことです。
こうした症状の原因の一つに食物アレルギーがあります。食物アレルギーであれば、原因の食材を獣医師と確かめ、その食材を含まないフードに替えていくのが対策の中心です。
この記事では、動物性タンパク源を絞った5商品を、避けたい原材料別に比べます。愛犬に合ったフード選びの参考にしてください。
小型犬のフード選びの基本から知りたい方は「小型犬のフード選び|5つのポイントと体重別給餌量の早見表」をご覧ください。
皮膚の乾燥やフケ・毛並みの悪化が主な悩みなら「皮膚・被毛ケアフード5選比較」もご覧ください。
うちの子にはどれが合う?アレルギー対策ドッグフード5選
動物性タンパク源の種類を絞った5商品です。メディコートはコーンスターチを使っているため、グレインフリーではありません。
| 商品名 | タンパク源 | 特徴 | タイプ | 価格目安 |
|---|---|---|---|---|
| ZIWI エアドライ ラム | ラム | 動物性原料はラムと緑イ貝 | エアドライ | 約1,023円/100g |
| GO! LID サーモン | サーモン | 魚のみ・グレインフリー | ドライ | 約202円/100g |
| アランズナチュラル | ラム | 原材料9種のみ・シンプル | ドライ | 約293円/100g |
| ペロリコ アレカット | ターキー | 肉類はターキーのみ(緑イ貝も配合) | ドライ | 約293円/100g |
| メディコートアドバンス アレルゲンカット(魚&えんどう豆たんぱく) | 魚+えんどう豆 | 牛肉・鶏肉・乳製品などを不使用(メーカー表示) | ドライ | 約161円/100g |
※ 価格目安は、2026年9月時点の税込価格(楽天・公式の掲載価格のうち、1kgあたりが安いほう)を100gあたりに換算したものです。販売状況により変動します。
ZIWI エアドライ ラム
| 主原料 | ラム生肉、ラムトライプ、ラム内臓類、ニュージーランド緑イ貝 |
|---|---|
| 成分 | タンパク質38%以上 / 脂質30%以上 / 繊維3%以下 / 495kcal |
| タイプ・対象 | エアドライ・成犬 |
| 特徴 | 動物性原料はラムと緑イ貝、穀物・芋類を使わないエアドライ |
こんな子におすすめ
- 複数の食材にアレルギー反応が出やすい子
- 穀物や芋類にも敏感な子
- 品質にとことんこだわりたい飼い主さん
ラムの肉・内臓・骨と緑イ貝で原材料の96%を占めるエアドライフードです(メーカー表示)。穀物や芋類を使っていないため、それらを避けたい子の選択肢になります。価格は5商品のなかで高めです。
GO! LID サーモン グレインフリー
| 主原料 | サーモン(生・骨抜き)、サーモンミール、タピオカ |
|---|---|
| 成分 | タンパク質24%以上 / 脂質12%以上 / 繊維4.5%以下 / 408.4kcal |
| タイプ・対象 | ドライ(13-15mm)・全年齢 |
| 特徴 | 動物性タンパク源はサーモンのみ、グレインフリー |
こんな子におすすめ
- 肉類を避けるよう言われている子
- オメガ3(0.9%)の表示があるフードを選びたい飼い主さん
- 子犬からシニアまで長く使いたい飼い主さん
動物性タンパク源をサーモンだけにした、原材料を絞った LID(Limited Ingredient Diet)シリーズのドライフードです。鶏肉・牛肉は使っていません。オメガ3の表示値は0.9%で、香料には天然フレーバーを使っています。
アランズナチュラルドッグフード
| 主原料 | ラム40%のみ |
|---|---|
| 成分 | タンパク質19.25%以上 / 脂質11%以上 / 繊維8.25%以下 / 341kcal |
| タイプ・対象 | ドライ(8-10mm)・全年齢 |
| 特徴 | 原材料9種類、動物性原料はラムのみ |
こんな子におすすめ
- 鶏肉・牛肉を避けるよう言われている子
- 原材料の数が少ないフードを選びたい飼い主さん
- 体重管理もしながらアレルギー対策したい子
原材料は9種類で、動物性原料はラム(生肉・乾燥肉・オイル・グレイビー)だけです。何が入っているかを原材料欄で確かめやすく、価格もZIWIより手頃です。
ペロリコ アレカット
| 主原料 | ターキー47%(生肉・乾燥・グレイビー)、サツマイモ、ビール酵母 |
|---|---|
| 成分 | タンパク質25%以上 / 脂質9.5%以上 / 繊維5.75%以下 / 353.5kcal |
| タイプ・対象 | ドライ(10mm)・全年齢 |
| 特徴 | 肉類はターキーのみ、緑イ貝・乳酸菌を配合 |
こんな子におすすめ
- 鶏肉は避けるが、七面鳥は試せると獣医師に確認できた子
- 関節ケアも一緒にしたいシニアの子
- 低脂質で体重管理もしたい飼い主さん
肉類をターキー(七面鳥)だけにしたドライフードで、緑イ貝と乳酸菌も配合しています。七面鳥は鶏と同じ鳥類で、鶏肉が合わない子が七面鳥にも反応するかは子によって違います。鶏肉を避けている子に使うかは、獣医師と相談して決めてください(交差反応の考え方は食物アレルギーの記事)。
メディコートアドバンス アレルゲンカット 魚&えんどう豆たんぱく 1歳から
| 主原料 | えんどう豆たんぱく、コーンスターチ、動物性油脂、フィッシュミール |
|---|---|
| 成分 | タンパク質21%以上 / 脂質9.5%以上 / 繊維10%以下 / 340kcal |
| タイプ・対象 | ドライ(8mm)・成犬 |
| 特徴 | 牛肉・乳製品・小麦・卵・鶏肉・大豆を不使用(メーカー表示)、コーンスターチを使用 |
こんな子におすすめ
- 牛肉・鶏肉を避けるよう言われている子
- 長期間のアレルギー対策でコストを抑えたい飼い主さん
- 消化がデリケートでお腹の調子が気になる子
メディコートアドバンス アレルゲンカットの主なたんぱく源は魚とえんどう豆で、牛肉・鶏肉・乳製品・小麦・卵・大豆は使っていません(メーカー表示)。原材料にはコーンスターチと、由来の表示がない動物性油脂も含まれます。100gあたり約161円と、長く続けやすい価格帯です。
アレルギー対策フードは何を基準に選べばいい?
①単一タンパク源(LID)を選ぶ
LID(Limited Ingredient Diet)とは、原材料を限定したフードのこと[2]。特に動物性タンパク質が1種類のみのフードを「単一タンパク源」と呼びます。
複数のタンパク源が含まれていると、どれが合わないのか絞り込めません。原因の食材は獣医師と行う除去食試験で確かめ、分かった原因を含まないフードを選びます。
②新奇タンパク質を選ぶ
その子がこれまでに食べたことのないタンパク源を「新奇タンパク質」と呼びます。新奇かどうかは食歴で決まり、ラム・鹿肉・魚なども、すでに食べたことがあれば新奇ではありません。こうした原料は市販のフードにも広く使われるようになっています[3]。
- ラム(羊)・魚: 牛肉・乳製品・鶏肉・小麦より少ないものの、食物アレルギーの原因として報告があります[3]
- ターキー(七面鳥): 鶏と同じ鳥類。鶏肉が合わない子に使うかは獣医師と相談します
- 鹿肉: 新奇タンパク質として使われますが、食物アレルギーの犬で鹿肉にも反応したという報告があります[3]
③グレインフリー(穀物不使用)
小麦やとうもろこしが合わないと分かっている場合は、グレインフリーが選択肢になります。ただし、穀物アレルギーは比較的少なく、主な原因はタンパク質であることが多いため、グレインフリーだけでは不十分な場合もあります。グレインフリーフードのメリット・注意点についてはドッグフードの穀物とグレインフリーの違いで整理しています。
除去食試験の進め方ガイド
食物アレルギーの確定診断では、少なくとも8週間の除去食試験が中核的な方法として位置づけられています[3]。犬では5週以降で85%超、8週で95%超が症状の寛解に至ると報告されています[4]。獣医師と相談のうえ、新奇タンパク質フードへの切り替えと負荷試験を計画的に進めましょう。
除去食の詳しいやり方については犬の食物アレルギーと除去食の進め方で整理しています。
新しいフードへの切り替えは7〜10日かけて徐々に行います。詳しい切り替えスケジュールは「ドッグフードの切り替え方ガイド」を参考にしてください。
犬の食物アレルギーとは
食物アレルギーの主な症状
- 皮膚症状: かゆみ(顔、耳、足先、お腹)、皮膚の赤み、発疹、脱毛[5]
- 耳の症状: 慢性的な外耳炎、耳をかく、頭を振る
- 消化器症状: 下痢、嘔吐、軟便、おならが多い
- 目の症状: 涙やけ、目やにが多い
これらの症状が季節に関係なく続く場合は、食物アレルギーの可能性が高いといわれています[6]。環境アレルギー(花粉など)は季節性がありますが、食物アレルギーは年中症状が出ます。食物アレルギーの詳しいメカニズムや診断方法については「愛犬が痒がる...食物アレルギー?原因と見分け方」で整理しています。
📊 アレルギーで悩む飼い主さんが同時に抱える悩み
同じ悩みを持つ2,202回のアンケートより(2025年8月〜2026年10月)
アレルギーが気になったら、皮膚のかゆみも出てきた...そんな経験ありませんか? アレルギーを選んだ回答のうち62.5%で、皮膚・被毛の悩みも同時に選ばれています。
アレルギーを起こしやすい食材
犬の食物アレルギーの約半数は、牛肉(34%)と乳製品(17%)が原因だったという報告があります[7]。鶏肉・小麦・卵・大豆・とうもろこしなども、原因として報告されています[7]。頻度上位食材の一覧や「絶対NG」との違いは食物アレルギーと除去食の進め方で整理しています。
よくある質問
Q. 犬の食物アレルギーの症状は?
主な症状は皮膚のかゆみ(特に顔、耳、足先、お腹)、皮膚の赤み・発疹、慢性的な耳炎、下痢・嘔吐、目やに・涙やけなどです。季節に関係なく症状が続く場合は、食物アレルギーの可能性があります。
Q. 犬がアレルギーを起こしやすい食材は?
報告が多いのは牛肉・乳製品・鶏肉・小麦などのタンパク質とされますが、原因食材の一覧や特定の考え方は犬の食物アレルギーと除去食の進め方にまとめています。本記事では、そうしたアレルゲンに配慮した単一タンパク源フードの選び分けを扱います。
Q. 単一タンパク源フードとは?
動物性タンパク質が1種類のみのフードです。例えば「ラムのみ」「サーモンのみ」など。複数のタンパク源が含まれていると、どれが合わないのか絞り込みにくくなります。原因の食材が分かったあとも、原材料を確かめやすいのが利点です。
Q. グレインフリーはアレルギー対策になる?
小麦やとうもろこしなどの穀物が合わないと分かっている場合は、選択肢になります。ただし、犬の食物アレルギーの主な原因はタンパク質(肉類)であることが多いため、グレインフリーだけでは不十分な場合があります。タンパク源の見直しも重要です。
Q. アレルギー検査は必要?
食物アレルギーの確定診断は「除去食試験+再導入」で行います。血液(IgE)検査や皮内検査は、食物アレルギーの診断には使えないとされています[3]。検査の感度・特異度や活用のしかたは犬の食物アレルギーと除去食の進め方で整理しています。フード選びと並行して、検査方針は獣医師にご相談ください。
まとめ
アレルギー対応のフードは、獣医師と確かめた「避けたい原材料」を含まないものから選びます。
- 原因がまだ分からない:フードを替える前に、獣医師と除去食試験(少なくとも8週間)で確かめる
- 避けたい原材料が分かっている:冒頭の「この記事の結論」と比較表で、その原材料を含まない1品を選ぶ
- 切り替えたら:7〜10日かけて少しずつ移行し、症状の変化を記録して獣医師と共有する
症状が重い場合や続く場合は、フードを替える前に獣医師に相談しましょう。
参考文献を表示(全7件)
- Today's Veterinary Practice. "Elimination Diet Trials: Steps for Success and Common Mistakes."
- PetMD. "Limited Ingredient Dog Food: Is It Right for Your Dog?"
- Hensel P, Santoro D, Favrot C, Hill P, Griffin C. "Canine atopic dermatitis: detailed guidelines for diagnosis and allergen identification." BMC Vet Res. 2015;11:196. doi:10.1186/s12917-015-0515-5
- Olivry T, Mueller RS, Prélaud P. "Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (1): duration of elimination diets." BMC Vet Res. 2015;11:225. doi:10.1186/s12917-015-0541-3
- Merck Veterinary Manual. "Cutaneous Food Allergy in Animals."
- Journal of the American Veterinary Medical Association (2023). "Food allergy in dogs and cats; current perspectives on etiology, diagnosis, and management."
- BMC Veterinary Research (2016). "Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (2): common food allergen sources in dogs and cats."