愛犬の涙やけが気になったら、何から始めればいい?
まずは「いつから・片側か両側か・他の症状はあるか」を記録するところから。フードの見直しは 原因の切り分け(眼科疾患・アレルギー・腸内環境・添加物) の後に進めると安全です。
涙やけ(流涙症)とはどんな状態?
涙やけは医学的には 流涙症(Epiphora) と呼ばれる状態です。涙の過剰分泌や排出経路(鼻涙管)の障害により、本来鼻に流れるべき涙が目から溢れ、被毛が赤茶色に変色します[1]。色素の正体はポルフィリン(後述)で、白い被毛では視認性が高く目立ちやすい特徴があります。
気づきのサイン(家庭で観察しておきたい項目)
- 目の下の毛が 赤茶色〜こげ茶 に変色する
- 涙が常に 濡れている 状態が続く
- 目周りに 悪臭や湿疹 が出ている
- 食事を変えた直後・季節の変わり目に悪化した
- 片目だけ急にひどくなった(構造的問題の可能性)
食事より先にチェックしたいこと
VCA Animal Hospitals のガイダンス[1]では、涙やけ=食事の問題と早合点せず、まずは眼科疾患の除外を勧めています。具体的には以下のような疾患が候補です。
- 眼瞼内反症:まぶたが内側に巻き込まれて目を刺激する
- 睫毛異常:まつ毛が眼球に当たり涙を誘発する
- 鼻涙管閉塞:涙の排出経路が詰まる
- 結膜炎・角膜潰瘍:感染や傷で涙量が増える
Saito らの内眼角解剖研究[5]でも、内眼角の解剖学的特徴が涙やけ症候群(tear staining syndrome)の発症に関与すると報告されています。構造的な背景は獣医師の評価が中核です。
涙やけの原因はどう分類される?
原因は大きく「①色素(ポルフィリン)」「②排出経路(鼻涙管)」「③涙の質と量(眼疾患・アレルギー・乾燥)」「④全身要因(腸内環境・添加物)」の 4 系統。両側性か片側性かが切り分けの第一歩です。
| 原因系統 | 主な背景 | 家庭で意識したいこと |
|---|---|---|
| ① ポルフィリン色素 | 赤血球の分解過程で生成、涙・唾液・尿に排出される鉄を含む分子[1] | 白い被毛で特に目立つ。被毛の酸化を抑える毎日の拭き取り |
| ② 鼻涙管・眼周囲構造 | 鼻涙管狭窄/閉塞、眼瞼内反症、睫毛異常、内眼角異常[5] | 片側性・急性発症は獣医師の眼科評価を優先 |
| ③ 涙の質と量 | 乾性角結膜炎(KCS、涙液減少症)、結膜炎、アレルギー性結膜炎 | ブラキ犬は KCS リスク高[6]、涙膜オスモル上昇も報告[7] |
| ④ 全身要因 | 食物有害反応・腸内環境の乱れ・合成酸化防止剤や合成着色料の摂取 | フード見直しが効きやすい領域。8〜12 週かけて観察 |
O'Neill らの英国一次診療データ[6]では、乾性角結膜炎(KCS)の有病率は 0.40%(95% CI 0.38-0.42)と報告されています。とくに ブラキ犬は中頭種より発生オッズが 3.63 倍 高め(95% CI 3.24-4.07)です。
涙やけと KCS は別の病態ですが、涙の質・量の異常という意味では重なる部分も大きい領域です。好発犬種の飼い主さんは「食事だけで対処」と考えず、眼科評価を選択肢に入れたいところです。
ポルフィリンとはどんな色素?
ポルフィリンは赤血球の分解過程で生まれる鉄を含む分子で、涙・唾液・尿に排出されます[1]。被毛に付着して空気中の酸素で酸化することで赤茶〜こげ茶色に変色します。
すべての犬にポルフィリンは存在する
ポルフィリンはすべての犬の涙に含まれており、量には個体差があります。VCA[1]では、排出量に影響する要因として 炎症反応の強さ・代謝負荷・腸内環境 が挙げられています。具体的には次のような点が考えられます。
- 腸内環境の乱れ:善玉菌が少なく悪玉菌が優勢な状態では全身性の炎症が起きやすい
- 食物有害反応:合わない食材で消化器・皮膚の炎症が起きると涙の量も増える
- 慢性ストレス:免疫バランスを通じて炎症傾向に影響
- 排出経路の問題:鼻涙管が細い・詰まっていると、本来鼻に流れる涙が目から溢れる
白い被毛で目立つだけ、という側面
マルチーズ・ビションフリーゼ・白いトイプードル・ポメラニアンなどで涙やけが目立つ理由は、ポルフィリン量が他犬種より多いからではありません。赤茶色の色素が淡い被毛で視認性が高いからです。
黒・茶毛の犬種でも同様にポルフィリンは排出されていますが、目立ちにくいだけと考えられます。トイプードルのフード選びガイドもご参照ください。
⚠️ 急激な悪化は受診を
もともと白毛で多少の涙やけが続いている子が、急にひどくなった・片目だけ強くなった・目を気にして掻く場合は、ポルフィリン以外の原因(角膜潰瘍・異物・感染症)の可能性があるため、フード変更より先に獣医師に相談しましょう。
食事と栄養で涙やけをどう整える?
食事側の軸は 3 つ——①腸内環境を整える、②オメガ 3 で涙膜を支える、③避けたい添加物を減らす。変化の目安は 8〜12 週間、毛が生え替わるまで含めると 3〜4 か月です。途中で頻繁に変えると評価が難しくなります。
腸内環境との関わり
犬の免疫は腸に集中しているとされ、腸内環境の乱れは全身性の炎症傾向につながります。Mateus らのレビュー[2]では、腸内細菌叢の改善が腸管免疫を介して全身の炎症反応に好影響を与えると報告され、皮膚・粘膜の炎症に影響する「腸 - 皮膚軸」「腸 - 涙腺軸」という考え方も議論されています。涙やけそのものとの直接的な因果関係はまだ研究途上ですが、複数の臨床報告で プロバイオティクス併用での涙やけ軽減傾向 が示唆されています。
整理すると、プロバイオティクス(生きた善玉菌)は Cornell 大学の解説[3]で投与目安 1〜10 億 CFU/日、プレバイオティクス(善玉菌のエサ=イヌリン・FOS・チコリ根など)と組み合わせた設計(シンバイオティクス)を継続摂取するのが基本です。
オメガ 3・ルテインの活用
オメガ 3(DHA・EPA)は涙膜の油層を支え、ルテインは光酸化から目を保護する栄養素として注目されています。DHA は網膜の主要構成脂肪酸で、Villa らの 2025 年研究[8]では乾性角結膜炎(KCS)の犬 22 頭で、経口オメガ 3 補充(多血小板血漿と併用)により 涙膜破壊時間(TBUT)が 3 か月目以降に有意に改善し、涙膜安定性・炎症細胞減少・杯細胞増生で単独療法を上回りました。涙やけを直接対象とした研究ではありませんが、涙膜の質改善という観点で取り入れる価値が示唆されます。
ルテインは網膜の黄斑部に存在するカロテノイドで、Wang らの研究[4]では抗酸化サプリの長期投与が 網膜応答の改善と屈折異常進行の抑制 に関連したと報告されています。ベータカロテンは体内でビタミン A に変換され目の粘膜をサポートしますが、脂溶性で過剰摂取リスクがあるため、サプリ追加は獣医師相談が前提です。
フードで摂るなら、主原料が 魚(サーモン・ニシン・白身魚など) で、原材料の先頭に魚名と含有量が明記され、サーモンオイル・魚油が配合されたものが選びやすい選択肢です。亜麻仁油の植物性 ALA は犬の体内で DHA・EPA への変換効率が低いため、魚由来を直接摂る方が効率的です。
添加物と水質
合成酸化防止剤(BHA・BHT・エトキシキン)や合成着色料(赤色 40 号・黄色 5 号など)は腸内環境を乱す要因として議論され、涙やけ悪化との関連も指摘されます。由来不明な「動物性油脂」や「肉副産物」より、「サーモンオイル」「チキンミール」など 具体的な原料名が明記 されたフードを選びたいところです。天然保存料(ミックストコフェロール・ローズマリー抽出物)が使われていると安心材料になります。
水質の影響は比較的小さいものの、日本の水道水は地域差で硬度がやや高いことがあり、気になる場合は軟水のミネラルウォーター・浄水器も選択肢です。こまめに飲める環境づくりは、涙の希釈と腎臓負担軽減の両面で役立ちます(給水量の目安は毎日の目元ケアの章で解説)。詳しくは BHA・BHT 解説、フード切替は フード切り替えガイド もご参照ください。
涙やけケアで取り入れたい食材と避けたい食材は?
取り入れたいのは魚主体タンパク・善玉菌・抗酸化野菜。避けたいのは合成添加物・酸化油脂・過剰な塩分・アレルゲン候補食材です。「絶対 NG」は中毒性が確立された食材のみで、その他は「強く避けたい候補」と整理します。
| カテゴリ | 取り入れたい | 強く避けたい |
|---|---|---|
| 動物性タンパク | サーモン・ニシン・白身魚・ラム(食歴次第) | 主原料が「肉副産物」「ミートミール」とだけ表示 |
| 炭水化物 | サツマイモ・ジャガイモ・玄米(少量)・エンドウ豆(過剰でない) | 小麦・トウモロコシ・大豆主体(食物有害反応の頻度上位) |
| 脂質 | サーモンオイル・魚油・亜麻仁油(少量) | 由来不明な「動物性油脂」、酸化臭のする油脂 |
| 添加物 | 天然保存料(ミックストコフェロール・ローズマリー抽出物) | BHA・BHT・エトキシキン・合成着色料・合成香料 |
| 野菜・果物 | ニンジン・カボチャ・ブルーベリー・ホウレンソウ(少量、加熱推奨) | 玉ねぎ・ニンニク・ブドウ・レーズン(中毒性あり、絶対 NG) |
| おやつ | 無添加ササミジャーキー・乾燥白身魚・茹で野菜 | 合成保存料入り市販おやつ・人間の食べ物・濃い味のジャーキー |
⚠️ 「絶対」と「強く避けたい」の使い分け
本当に「絶対与えてはいけない」のは、ブドウ・レーズン・キシリトール・チョコレート・ネギ類・カカオなど中毒性が確立された食材に限られます。それ以外は個別の体質次第で、まずは「強く避けたい候補」として除去食的に試すのが現実的。中毒性食材については 犬に絶対あげてはいけない食べ物 15 選 をご覧ください。
療法食と手作り食、どう判断する?
判断は次の 3 段階で考えると整理しやすいです。
- まず:涙やけ単独で「療法食」が処方されることは多くなく、魚主体の市販フードに切り替えて 8〜12 週観察するのが一般的
- アレルギー併発が疑われる場合:加水分解タンパク質療法食を検討
- 長期手作り食を選ぶ場合:ボード認定獣医栄養学者の関与が前提
| 選択肢 | メリット | 留意点 |
|---|---|---|
| ① 市販の魚主体フード | 入手しやすい・嗜好性も比較的良好・コスト負担が小さい | 製品により品質差。原材料表示・含有量・脂質源を確認 |
| ② 加水分解タンパク質療法食 | 食物有害反応疑い例での切り分けに有用 | 獣医師処方が前提・嗜好性が低めのことあり・価格は高め |
| ③ 家庭調理(短期) | 素材を完全に把握できる・嗜好性調整可 | 長期使用は栄養設計が独立して必要、獣医栄養学者の関与が安全 |
フード移行は 7〜10 日で段階的に
新しいフードは急がず段階的に。初日は新フード 25%+現行 75% から始め、4〜6 日目で 50%、7〜9 日目で 75%、10 日目以降に 100% と少しずつ増やします。便の様子・食欲・涙の量を毎日記録し、嫌がる場合は前段階に戻すのが安全です。完全切替後は 8〜12 週かけて観察しましょう。
家庭調理食を長期に使う場合は注意が必要です。市販書籍やインターネット上のレシピの多くは栄養学的に不十分(カルシウム・微量元素不足等)との指摘があり、長期使用する際はボード認定獣医栄養学者の処方を受けることが安全です。詳細は 手作りごはんの栄養リスク解説 へ。
毎日の目元ケアはどう続ける?
朝晩 2 回、ぬるま湯コットンか涙やけ専用クリーナーで内側→外側へ拭き取り、乾いた布で水分を取る。月 1 回の目周りの毛のトリミングと、鼻涙管マッサージを組み合わせます。
朝晩の拭き取り
涙やけ専用クリーナーまたはぬるま湯(37〜38℃)で湿らせたコットンで、目の内側から外側へ優しく拭き取ります。仕上げに乾いた柔らかい布で水分を取りましょう。アルコール入りウェットティッシュ・人間用化粧水・人間用石鹸は強く避けたい刺激物です。
水分補給とストレス管理
- 水分:食事の水分を含めて体重 1 kg あたり 44〜66 mL/日を目安に。飲み水だけで見るとドライ主体で 40〜50 mL/kg、ウェット主体なら 5〜10 mL/kg でも足りていることがあります。複数の水飲み場や循環式給水器
- ストレス対策:規則的な生活リズム、年齢に合った運動、安心できる休息スペース、適度なスキンシップ
- 定期トリミング:月 1 回程度、目周りの毛を丸い先端のペット用ハサミでカット(不安ならプロに依頼)
- 鼻涙管マッサージ:目の内側の少し下を指先で円を描くように、朝晩 30 秒程度。強く押しすぎないこと
受診を検討したい症状
- 目の充血や腫れがある
- 目ヤニが 黄色や緑色(細菌感染の可能性)
- 目を頻繁にこする・痛そうにしている
- 涙の量が急に増えた
- 片目だけ涙やけがひどい(鼻涙管閉塞・眼瞼内反症の可能性)
- 目の表面が 白く濁る(角膜潰瘍・白内障の可能性)
- まばたき回数が異常に多い
背景として考えられるのは、冒頭の章でも挙げた鼻涙管閉塞・眼瞼内反症・結膜炎・角膜潰瘍などです。対応は鼻涙管洗浄・外科手術・抗生物質点眼といった獣医療が中心で、とくに角膜潰瘍は放置すると視力低下の恐れがあり緊急治療が必要です。
Brito らの研究[7]では、Pug・Shih-Tzu の KCS 群で涙液オスモル濃度が 353.02 ± 16.58 mOsm/L と報告されました。健常群(315.27 ± 6.15 mOsm/L)より有意に高い結果(p < 0.0001)です。ブラキ犬の涙の質的な特徴も意識しておきたいポイントです。
受診前に整理しておきたいことは?
フード歴・症状の出方・併発症状・過去の検査結果を記録しておくと、診察と原因の切り分けがスムーズになります。
✅ 受診前チェックリスト
- 涙やけが いつから 始まったか(具体的な時期)
- 片目か両目か、左右で程度に差があるか
- これまでに与えたフードの種類(直近 1 年程度、できれば全期間)
- 現在のフードの種類・量、おやつの内容と頻度
- 使用中の水(水道水・ミネラルウォーター・浄水器)
- 併発症状(皮膚のかゆみ・軟便・耳の赤み・くしゃみなど)の有無
- 過去の眼科検査・血液検査の結果(あれば持参)
- 使用中の薬(フィラリア薬・点眼薬等)と味付き有無
- 家族構成・拾い食い癖・他のペットとの食事共有の有無
よくある質問
涙やけはフード変更でどのくらいで変化が見られますか?
腸内環境が整いはじめるまで概ね 8〜12 週間、毛が生え替わるまで含めると 3〜4 か月を目安に観察します。フード変更だけで完全に解消する保証はなく、鼻涙管の構造的問題や眼疾患が背景にある場合は獣医師の評価が中核となります。
どんな犬種が涙やけになりやすいですか?
①白〜薄い被毛で色素が目立ちやすい犬種(マルチーズ・ビションフリーゼ・白いトイプードル・ポメラニアン)、②鼻が短い短頭種で眼裂が大きい犬種(シーズー・パグ・フレンチブルドッグ)、③小型犬全般(鼻涙管が細い)が好発傾向。O'Neill らの英国疫学[6]では、ブラキ犬は乾性角結膜炎の発生オッズが中頭種の 3.63 倍(95% CI 3.24-4.07)と報告されています。
涙やけケアで取り入れたい栄養素は何ですか?
オメガ 3 脂肪酸(DHA・EPA)、ルテイン、ベータカロテン、プロバイオティクス(1〜10 億 CFU/日が目安[3])、プレバイオティクス(イヌリン・FOS など)の組み合わせが、涙の質や腸内環境のサポートとして注目されています。Villa らの 2025 年研究[8]では、経口オメガ 3 補充で涙膜破壊時間(TBUT)の改善が示唆されています。
フード以外で涙やけをケアする方法はありますか?
①朝晩の目元ケア(涙やけ専用クリーナーかぬるま湯コットンで内側→外側)、②水分補給(食事の水分込みで体重 1 kg あたり 44〜66 mL/日。ドライ主体なら飲み水で 40〜50 mL/kg が目安)、③ストレス管理、④目周りの毛のトリミング、⑤鼻涙管マッサージなどが家庭でできる工夫です。アルコール入りウェットや人間用化粧水は刺激が強いため強く避けたいケアです。
涙やけで動物病院に行くべきタイミングは?
目の充血や腫れ、黄〜緑の目ヤニ、頻繁に目をこする・痛そうにする、涙量の急激な増加、片目だけ涙やけがひどい、目の表面が白く濁る、まばたき回数の異常な増加が見られる場合は、結膜炎・角膜潰瘍・鼻涙管閉塞・眼瞼内反症などの可能性があるため早めの受診を。Saito らの研究[5]では内眼角の解剖学的特徴が涙やけ症候群に関与すると報告されています。
手作り食で涙やけは変化しますか?
可能性はありますが、栄養バランスの計算が独立して必要で、長期使用にはボード認定獣医栄養学者または獣医師の指導が前提です。当面の取り組みとしては、療法食または魚主体の市販フード+短期トッピング(茹でた白身魚・野菜少量)といった組み合わせが現実的です。詳細は 手作りごはんの栄養リスク をご覧ください。
添加物や水質は涙やけに影響しますか?
BHA・BHT・エトキシキンなどの合成酸化防止剤や合成着色料(赤色 40 号など)は腸内環境を乱す要因として議論されています。また硬度が高すぎる水は涙の鉱物量に影響する可能性が指摘されることがあります。日本の水道水は飲用上の安全性が高い一方、ミネラル過多が気になる場合は軟水のミネラルウォーターや浄水器の活用も選択肢です。
涙やけがひどい片目だけのときはどう考える?
片側性の涙やけは食事よりも構造的問題(鼻涙管閉塞・眼瞼内反症・睫毛異常・異物・潰瘍)の可能性が相対的に高く、Brito らの研究[7]ではブラキ犬の涙液オスモル上昇とドライアイの関連も報告されています。原則として獣医師の眼科評価を優先し、フード変更はその後で考えると安全です。
まとめ:次の一歩
犬の涙やけは 「ポルフィリン色素 × 排出経路 × 涙の質と量 × 腸内環境・添加物」 の複合要因。フードの見直しが働きかけられるのはこのうち全身要因の部分で、単独で解消を保証するものではありません。今日からの現実的な道筋は次の 3 つです。
- まず 眼科疾患の除外——片目だけ・急性・痛みがあれば受診を優先(VCA[1]・Saito ら[5])。とくにブラキ犬は構造的にハイリスク(O'Neill ら[6]・Brito ら[7])
- 食事は 魚主体・プロ/プレバイオティクス配合・合成添加物不使用 を 8〜12 週かけて観察(Mateus ら[2]・Cornell[3]・Villa ら[8])。毎日の目元ケアと水分補給も並行
- 3 か月経っても改善が乏しい・他の症状を伴うときは、必ずかかりつけ獣医師へ
次に読むなら——具体的なフードは 涙やけケアのドッグフード 4 選比較、タンパク源の違いは 5 大タンパク源の比較ガイド、好発犬種は マルチーズのフード選び、アレルギー併発が気になるなら 食物アレルギーガイド。フード選びの全体像は 愛犬に合ったドッグフードの選び方 へ。
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参考文献を表示(全 8 件)
- VCA Animal Hospitals. "Puppy Tear Stains: Causes, Treatment & Prevention."
- Mateus L, et al. "Gut Probiotics and Health of Dogs and Cats: Benefits, Applications, and Underlying Mechanisms." Microorganisms. 2023. PMC10609632.
- Cornell University College of Veterinary Medicine, Riney Canine Health Center. "The Power of Probiotics."
- Wang W, et al. "Antioxidant supplementation increases retinal responses and decreases refractive error changes in dogs." J Nutr Sci. 2016. PMC4891559.
- Saito A, Iwashita H. "Novel findings on the anatomy of medial canthus in dogs." Vet Ophthalmol. 2023;26(4):315-323. PMID: 36847328.
- O'Neill DG, Brodbelt DC, Keddy A, Church DB, Sanchez RF. "Keratoconjunctivitis sicca in dogs under primary veterinary care in the UK: an epidemiological study." J Small Anim Pract. 2021;62(8):636-645. PMID: 34134171.
- Brito FLDC, Voitena JN, Marinho TOC, Moore BA, Montiani-Ferreira F. "Assessment of tear film osmolarity using the IPen Vet osmometer in Pug and Shih-Tzu dogs with and without keratoconjunctivitis sicca." Vet Ophthalmol. 2022. PMID: 34929058.
- Villa WDS, et al. "Injectable homologous platelet-rich plasma, alone or in combination with oral omega-3 supplementation, for treating keratoconjunctivitis sicca in dogs." Vet World. 2025;18(5):1262-1273. PMID: 40584132.