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犬の換毛期、抜け毛がすごい!食事でできる毛並みケアと栄養対策

犬の換毛期の栄養サポートガイド

「換毛期、ブラッシングしても抜け毛が止まらない」——春・秋に毎年やってくる抜け毛のピークに、お困りではありませんか。皮膚・被毛をサポートするオメガ 3・タンパク質・亜鉛の 3 栄養素と、フード調整のタイミングを整理しました。

この記事の結論

換毛期の抜け毛は犬の正常な生理現象ですが、食事からの栄養サポートで被毛の健康を維持し、過度な脱毛を軽減できます

  • 良質なタンパク質が最重要 - 被毛の約95%はケラチン(タンパク質)でできており、食事中のタンパク質の約30%が皮膚・被毛の維持に使われる[1]
  • オメガ3・オメガ6脂肪酸で被毛に艶を - 必須脂肪酸は皮膚のバリア機能を強化し、被毛の乾燥・パサつきを防ぐ[2]
  • 亜鉛・ビオチンが皮膚の代謝をサポート - 不足すると脱毛や皮膚トラブルの原因に[5]
  • サーモンオイルや卵のトッピングが効果的 - 手軽に栄養を補える換毛期のサポート食材
  • 犬種によって換毛の程度は大きく異なる - ダブルコート犬種は特に栄養面からのケアが重要

研究データに基づく換毛期の栄養管理と犬種別のケアポイントは下記をご覧ください

春や秋になると、愛犬の抜け毛が一気に増えて「こんなに抜けて大丈夫?」と心配になる飼い主さんは多いのではないでしょうか。部屋中に舞う毛、服にびっしり付く毛、ブラッシングしても終わらない毛──換毛期の悩みは尽きません。

犬の換毛期は正常な生理現象ですが、食事からの栄養サポートによって、被毛の生え変わりをスムーズにし、過度な脱毛や皮膚トラブルを軽減できることが研究で示されています[1]。被毛の約95%はケラチンというタンパク質で構成されており、その合成には多くの栄養素が関わっています。

この記事では、犬の換毛期のメカニズムから、被毛に必要な栄養素、おすすめの食材・トッピング、犬種別のケアポイントまで、研究データに基づいて整理します。

この記事の情報について

この記事は査読付き学術論文や獣医皮膚科学の教科書に基づく研究データをもとに執筆しています。ただし、個々の犬に最適な栄養管理は犬種・年齢・健康状態によって異なります。愛犬の皮膚や被毛に気になる症状がある場合は、かかりつけの動物病院にご相談ください。

犬の換毛期とは?

春・秋の年2回、被毛の生え替わり時期で約3-4週間続きます。日照時間と気温が引き金になります。

犬の換毛期は春(3〜5月)と秋(9〜11月)の年2回。日照時間の変化と気温変動がトリガーとなり、夏毛↔冬毛が入れ替わります[5]。室内飼育の犬は人工照明の影響で換毛期が長引くことがあります。春の換毛と並行して気になりやすい花粉対策は 春のアレルギー対策と食事の整え方 をご覧ください。

ダブルコートとシングルコートの違い

コートタイプ 構造 換毛期の抜け毛 代表的な小型犬種
ダブルコート オーバーコート+アンダーコートの二層構造 非常に多い 柴犬、ポメラニアン、チワワ(ロング)、ミニチュアダックス(ロング)、コーギー
シングルコート オーバーコートのみ一層構造 比較的少ない トイプードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア、パピヨン、シーズー

ダブルコート犬種のアンダーコートは1平方cmあたり800〜1,600本と密度が高く、換毛期に一斉に生え変わるため抜け毛が大量になります[5]。毛の成長サイクル(成長期→退行期→休止期→脱毛)は栄養状態の影響を強く受け、タンパク質や必須脂肪酸の不足は脱毛や被毛劣化につながります[1]

春換毛と秋換毛で気をつけたいポイントの違い

春換毛は冬毛(密で保温性の高いアンダーコート)が一気に抜けて夏毛に切り替わるため、抜け毛量がもっとも多いタイミングです。皮膚は新陳代謝が活発になり、皮脂バランスが崩れて軽いフケが出ることもあります。秋換毛は逆に夏毛が抜けて冬毛が伸び始める時期で、抜け毛は春よりは少なめですが、新しい毛が密に生えてくるためタンパク質と必須脂肪酸の需要が高まります。春は皮膚の保湿と抗炎症をサポートするオメガ 3、秋はケラチン合成を支える良質タンパク質と亜鉛を意識すると、季節ごとの被毛変化に合わせやすくなります。気温の目安は春=15〜20℃で日照時間 10 時間超秋=20℃以下で日照時間 11 時間以下がトリガーで、室内飼育では空調と人工照明の影響で 2〜3 週間ずれることもあります。冬本番のケアは 冬の小型犬の健康管理 — 膀胱炎・低体温 をどうぞ。

被毛の健康に必要な栄養素は?

タンパク質・オメガ3/6・亜鉛・ビオチン・ビタミンEの5栄養素が被毛の質を決める基本です。

被毛の主成分はケラチン(タンパク質)で、食事タンパク質の約25〜30%が皮膚・被毛の維持に使われるとされています[1]。換毛期は新しい毛の合成需要が高く、タンパク質・必須脂肪酸・ミネラルの十分な摂取がカギです。フード側の選択肢は 皮膚・被毛ケアフード5選の成分比較 もご参考に。

主な研究: Bauer(2011)[2]は魚油由来EPA・DHAと皮膚・被毛の関係、Marsh et al.(2000)[3]はリノール酸+魚油併用、Rees et al.(2001)[4]は亜麻仁+ひまわり種子補給を扱い、いずれも被毛コンディションへの好影響を報告。オメガ6:オメガ3比は5:1〜10:1を目安に、オメガ3を適切に補給してバランスを取ります。

栄養素 被毛への役割 多く含む食材 不足時の症状
タンパク質 ケラチン(被毛の主成分)の合成 鶏肉、サーモン、ラム肉、卵 被毛の成長遅延、毛が細く脆くなる
オメガ3脂肪酸 抗炎症作用、被毛の艶・柔軟性 サーモンオイル、亜麻仁油、イワシ 被毛の乾燥、フケ、掻痒感
オメガ6脂肪酸 皮膚バリア機能、セラミド合成 チキンファット、ひまわり油、大豆油 皮膚の乾燥、被毛のパサつき
亜鉛 細胞分裂促進、ケラチン合成 赤身肉、レバー、卵黄 脱毛、フケ、被毛の退色
ビオチン ケラチン合成促進 レバー、卵黄、サーモン 脱毛、被毛のくすみ
ビタミンA 皮膚の細胞分化、皮脂調節 レバー、かぼちゃ、にんじん 皮膚の乾燥、フケ、脱毛
ビタミンE 抗酸化作用、細胞膜保護 ひまわり油、アーモンド、かぼちゃ 皮膚の酸化ダメージ、乾燥

換毛期におすすめの食事は?

サーモンオイル・卵黄・ヨーグルトのトッピングで栄養を補い、被毛のツヤと抜け毛量に差が出ます。

フード選び4ポイント

  • 第一原料が動物性タンパク(チキン、サーモン、ラム等)
  • オメガ3脂肪酸配合(EPA・DHA明記、魚油・亜麻仁油含有)
  • 亜鉛十分(AAFCO成犬最低80mg/kg)
  • 人工添加物が少ない(着色料・香料はアレルギー誘発の可能性)

おすすめトッピング食材

  • サーモンオイル: EPA・DHA補給に最適。小型犬5kg以下で1日小さじ1/4〜1/2(1〜2ml)、中型犬5〜15kgで小さじ1/2〜1(2〜5ml)。約9kcal/mlと高カロリーのためカロリー計算で給餌量調整を。
  • 卵(加熱): 良質タンパク+ビオチン+亜鉛+ビタミンA・E。小型犬は1日茹で卵1/2〜1個。生卵白はビオチン吸収阻害のため必ず加熱[1]
  • かぼちゃ(蒸し): ベータカロテン+ビタミンE。フードに小さじ1〜2杯程度。
  • その他: ブロッコリー(茹)、さつまいも(蒸)、亜麻仁パウダー(植物性ALA)、無糖ヨーグルト少量。

トッピング時の注意点

トッピングはフード全体の10〜20%以内に収めましょう。新しい食材は少量から、アレルギー反応(嘔吐・下痢・皮膚の赤み)がないか確認してください。

犬種別の換毛期ケアは?

ダブルコート犬種は抜け毛量2倍、シングルコートは少なめ。犬種で必要量が変わります。

犬種換毛期の特徴栄養ケアポイント
ポメラニアン「ポメハゲ」と呼ばれる大量脱毛タンパク質25%以上+オメガ3+ビオチン・亜鉛十分量
柴犬日本犬で最多級・密度高いアンダーコート高タンパク・高脂質+EPA/DHA、小麦/大豆/牛肉アレルゲン注意
チワワ(ロング・スムース)体重少ないが両タイプとも意外と抜ける少量で栄養価高いフード、タンパク質・必須脂肪酸十分
ミニチュアダックス(ロング)胴長で被毛面積大必須脂肪酸+亜鉛、栄養需要高め
コーギー密度高いダブルコート、雪降るような抜け毛タンパク質+オメガ3を十分に
ゴールデンレトリバー長毛ダブルコートで抜け毛量が多く、皮膚トラブルの併発も良質タンパク 25% 以上+EPA/DHA、皮膚保湿のオメガ 3 を意識
ボーダーコリー運動量多めの長毛ダブルコートで栄養需要が高い高エネルギー+亜鉛・ビオチン、活動量に応じたタンパク質量を

各犬種別の食事管理はポメラニアン柴犬などの個別フードガイドも参考にしてください。

注意すべき脱毛のサインは?

左右対称の脱毛・痒み・赤みは病的サイン。換毛期と区別して早めに獣医診察を受けます。

動物病院を受診すべき脱毛のサイン

  • 局所的な脱毛(円形・左右非対称): 真菌・細菌感染、アレルギーの可能性
  • 皮膚の赤み・湿疹・フケ大量発生: アレルギー性皮膚炎、脂漏症の可能性
  • 掻きむしる・噛む・舐め続ける: かゆみを伴う皮膚疾患の可能性
  • 被毛全体が薄くなる・毛が再生しない: 甲状腺機能低下症、クッシング症候群などホルモン異常
  • 換毛期以外の大量脱毛: 栄養不足、ストレス、疾患の可能性

Watson(1998)[1]によれば栄養性脱毛は欠乏栄養素別に特徴があります: タンパク質欠乏=被毛が薄く細く退色、必須脂肪酸欠乏=乾燥・パサつき・フケ、亜鉛欠乏=目・口周り・足先・肘の角化異常と脱毛、ビタミンA欠乏=皮膚乾燥・毛包の角栓形成。総合栄養食を適量与えていればリスクは低いですが、偏食や手作り食長期では注意が必要です。

📊 当サイトの診断4,161回のフード診断データより

当サイトの診断ツール利用者から収集した一次データに基づく傾向です(2025年9月〜2026年5月

  • 「皮膚・被毛トラブル」を悩みとして選択した割合:40.8%1,699回)
  • ダブルコート犬種(柴犬・ポメラニアン・チワワなど)では皮膚・被毛を悩みに挙げる傾向が目立ちます
  • 犬種別では柴犬が約6割(58.3%)、ポメラニアンが約5割(47.9%)と高い傾向

被毛の悩みは全7カテゴリ中で最多。ダブルコート犬種の飼い主さんは換毛期の食事サポートを特に意識したいところです。

愛犬に合ったフード選びについては、WANPAKU診断をお試しください。犬種・年齢・悩み(被毛の状態を含む)に合わせて、130種類以上の中から最適なフードをご提案しています。

よくある質問

犬の換毛期はいつ頃?どのくらい続く?

主に春(3〜5月)と秋(9〜11月)の年2回、一般的に2〜4週間程度。ダブルコート犬種(柴犬・ポメ・チワワLong等)は特に多め。室内飼いは季節感が薄れて長引くことも。

換毛期に食事でできることは?

良質タンパク質、オメガ3・6、亜鉛、ビオチンを意識。サーモンオイル・卵(加熱)・かぼちゃのトッピングが手軽。研究でも魚油由来のEPA・DHAと皮膚被毛の関連が報告されています[2]

サーモンオイルはどのくらい与える?

小型犬5kg以下: 1日小さじ1/4〜1/2(1〜2ml)、中型犬5〜15kg: 小さじ1/2〜1。少量から開始し便を確認。フードにオメガ3十分の場合は追加不要なことも。

シングルコートの犬にも換毛期はある?

ありますが、ダブルコートのような大量脱毛はありません。シングルコート(トイプー、マルチーズ等)は毛が伸び続けるため、定期的なトリミングが必要です。

換毛期以外の過度な脱毛の原因は?

栄養不足(タンパク質・必須脂肪酸・亜鉛)、食物/環境アレルギー、ホルモン異常(甲状腺・クッシング症候群)、ストレス、皮膚感染症(真菌・細菌)など[5]。局所脱毛・赤み・フケ・掻きむしりがあれば早めに動物病院を受診ください。

まとめ

換毛期は正常な生理現象ですが、食事からの栄養サポートで被毛の生え変わりをスムーズに、皮膚と被毛の健康維持ができます[1]。重要な栄養素は良質タンパク質、オメガ3/6、亜鉛、ビオチン、ビタミンA・E。サーモンオイル・卵・かぼちゃのトッピングが手軽に補えます。ダブルコート犬種(柴犬・ポメ・チワワ等)は特に意識を。換毛期以外の異常脱毛や皮膚の赤み・フケ・かゆみがある場合は早めに動物病院を受診してください。

参考文献を表示(全5件)
  1. Watson TDG. "Diet and skin disease in dogs and cats." Journal of Nutrition. 1998;128(12 Suppl):2783S-2789S. doi:10.1093/jn/128.12.2783S
  2. Bauer JE. "Therapeutic use of fish oils in companion animals." Journal of the American Veterinary Medical Association. 2011;239(11):1441-1451. doi:10.2460/javma.239.11.1441
  3. Marsh KA, Ruedisueli FL, Coe SL, Watson TDG. "Effects of zinc and linoleic acid supplementation on the skin and coat quality of dogs." Veterinary Dermatology. 2000;11(4):277-284. doi:10.1046/j.1365-3164.2000.00202.x
  4. Rees CA, Bauer JE, Burkholder WJ, Kennis RA, Dunbar BL, Bigley KE. "Effects of dietary flax seed and sunflower seed supplementation on normal canine serum polyunsaturated fatty acids and skin and hair coat condition scores." Veterinary Dermatology. 2001;12(2):111-117. doi:10.1046/j.1365-3164.2001.00234.x
  5. Scott DW, Miller WH Jr, Griffin CE. "Muller and Kirk's Small Animal Dermatology." 6th edition. Philadelphia: W.B. Saunders; 2001.
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