犬にチーズは大丈夫?種類別の注意点と適量ガイド

犬にチーズを与えても大丈夫?種類別の注意点と適量を解説

この記事の結論

犬にチーズは「少量なら基本OK」。ただし種類と量に注意が必要です。研究データに基づく5つのポイントをまとめました。

  • 結論:少量ならOK - チーズは犬に有毒な成分を含まず、少量であれば安全に与えられます。ただしブルーチーズは例外で、青カビ毒素(ロケフォルチンC)のリスクがあるため絶対NG[4]
  • 栄養面のメリット - タンパク質、カルシウム、ビタミンA・B12が豊富。カッテージチーズは100gあたり脂肪わずか4.3gで低脂肪[1]
  • 種類で安全性が違う - カッテージチーズが最もおすすめ。プロセスチーズは塩分が高く、クリームチーズは高脂肪のため控えめに
  • 体重別の適量 - 小型犬(5kg)で約5〜10g/日。1日の総カロリーの10%以内が目安
  • 乳糖不耐症に注意 - 犬は成犬になるとラクターゼ(乳糖分解酵素)が減少し、乳糖を消化しにくくなります[2]

チーズの種類別の安全性と体重別の適量目安を、下記で詳しく解説しています

「チーズが大好きな愛犬に、少しだけおすそ分けしても大丈夫?」そんな疑問を持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、チーズは少量であれば犬に与えても基本的に安全です。ただし、チーズの種類によって安全性が大きく異なり、与える量にも注意が必要です。

特にブルーチーズは青カビが産生する毒素のリスクがあるためNGです[4]。この記事では、研究データに基づいて、犬に安全なチーズの種類・体重別の適量・与え方の注意点を詳しく解説します。

チーズの栄養素と犬への効果

チーズに含まれる主な栄養素

USDA(米国農務省)のFoodData Centralによると、カッテージチーズ(低脂肪タイプ)100gあたりの栄養成分は以下のとおりです[1]

栄養素100gあたりの含有量犬への期待効果
エネルギー72kcal低カロリーなタンパク源
タンパク質12.4g筋肉の維持・被毛の健康
脂質4.3gエネルギー源・皮膚の健康
カルシウム61mg骨・歯の形成と維持
ビタミンA37μg RAE視力・免疫機能の維持
ビタミンB120.63μg神経機能・赤血球の生成
ナトリウム406mg(過剰摂取に注意)

タンパク質:筋肉と被毛の健康をサポート

チーズは乳製品のなかでも良質なタンパク質を効率よく摂取できる食品です。NRC(米国学術研究会議)の「犬と猫の栄養素要求量」によると、成犬は体重1kgあたり約2.62gのタンパク質を食事から摂取する必要があるとされています[2]

主食のドッグフードで基本的なタンパク質は十分まかなえますが、チーズを少量のおやつとして与えることで、アミノ酸バランスの良い動物性タンパク質を補給できます。

カルシウム:骨と歯を丈夫にする

カルシウムは犬の骨格形成や歯の維持に不可欠なミネラルです。特にハードタイプのチーズ(チェダーやパルメザンなど)にはカルシウムが豊富に含まれています。ただし、主食のドッグフードが総合栄養食であれば、カルシウムは十分に含まれているため、チーズで過剰に補給する必要はありません[2]

ビタミンA・B12:免疫と神経の働きを助ける

チーズに含まれるビタミンAは視力や免疫機能の維持に、ビタミンB12は神経機能の正常化と赤血球の生成に関わっています。特にビタミンB12は動物性食品にしか含まれないため、チーズは効率的な供給源のひとつです。

チーズの栄養まとめ

チーズはタンパク質・カルシウム・ビタミンA・B12が豊富で、犬の健康に役立つ栄養素を含んでいます。ぶどうや玉ねぎ、チョコレートのように犬に有毒な成分は含まれていません[3]。ただし、脂肪分・塩分・乳糖が含まれるため、あくまで「おやつ」として少量を与えましょう。犬に危険な食べ物については犬に危険な食べ物まとめもあわせてご確認ください。

種類別の安全性一覧

チーズの種類によって安全性は大きく異なる

ひとくちに「チーズ」といっても、種類によって脂肪分・塩分・乳糖含有量は大きく異なります。犬に与える際は、チーズの種類ごとの特性を理解し、安全なものを選ぶことが重要です。

チーズの種類安全性脂肪分(目安)塩分(目安)ポイント
カッテージチーズ◎ おすすめ低(約4g/100g)低〜中低脂肪・高タンパク。犬に最も適したチーズ
モッツァレラチーズ○ OK中(約17g/100g)塩分少なめで比較的安全。少量ずつ与える
プロセスチーズ△ 注意中〜高(約26g/100g)塩分が高く添加物も多い。少量にとどめる
クリームチーズ△ 注意高(約33g/100g)低〜中高脂肪で膵炎のリスク。ごく少量なら可
ブルーチーズ✕ NG高(約29g/100g)青カビ毒素(ロケフォルチンC)が犬に有害[4]

カッテージチーズが最もおすすめな理由

カッテージチーズは低脂肪・高タンパク・乳糖が比較的少ないという三拍子がそろった、犬に最も適したチーズです[1]。非熟成タイプのフレッシュチーズで、他のチーズと比べて塩分も控えめです。消化もしやすく、おなかが敏感な犬にも比較的与えやすいのが特長です。

ブルーチーズが危険な理由

ブルーチーズ(ゴルゴンゾーラ、ロックフォールなど)に使われる青カビ(Penicillium roqueforti)は、「ロケフォルチンC」という毒素を産生します。犬がこの毒素を大量に摂取すると、嘔吐・下痢・高体温・筋肉の震え・けいれんなどの中毒症状を引き起こす可能性があります[4]

Boag(2006)の症例報告では、ブルーチーズを大量に誤食した犬が重篤な神経症状を呈したことが記録されています。少量であっても安全とは言い切れないため、ブルーチーズは犬に一切与えないでください

絶対NGなチーズ・乳製品

  • ブルーチーズ全般:ゴルゴンゾーラ、ロックフォール、スティルトンなど。ロケフォルチンC毒素のリスク
  • 香辛料入りチーズ:ガーリック入り、ハーブ入りなどは犬に有害な成分を含む可能性あり
  • チーズフォンデュ・グラタン:ワイン、にんにく、玉ねぎなど犬に有毒な食材が含まれる

体重別の適量目安

「1日の総カロリーの10%以内」が基本ルール

犬のおやつの適量は、1日の総摂取カロリーの10%以内が推奨されています[2]。ただしチーズは脂肪分・塩分が高いため、カロリーの上限に達する前に量を控えるのが安全です。カッテージチーズを基準にした体重ごとの目安量を下表にまとめました。

体重1日の必要カロリー目安おやつ上限(10%)カッテージチーズの適量プロセスチーズなら
3kg(超小型犬)約200kcal約20kcal約25g(大さじ2弱)約6g(ひとかけ)
5kg(小型犬)約300kcal約30kcal約40g(大さじ3)約10g(スライス1/2枚)
10kg(中型犬)約500kcal約50kcal約70g(大さじ5)約15g(スライス1枚弱)
20kg(大型犬)約900kcal約90kcal約125g約27g(スライス1.5枚)
30kg(大型犬)約1,200kcal約120kcal約165g約36g(スライス2枚)

※上記は避妊・去勢済みの成犬が標準的な活動量の場合の目安です。子犬やシニア犬、持病のある犬は個別に調整が必要です。愛犬の正確なカロリー計算については小型犬のカロリー計算ガイドも参考にしてください。

与えすぎのサイン

  • 軟便・下痢:乳糖不耐症や脂肪の過剰摂取による消化不良
  • 嘔吐:脂肪分が多いチーズを一度に大量に摂取した場合に起こりやすい
  • 体重増加:チーズはカロリーが高く、継続的な与えすぎは肥満の原因に
  • 過度の喉の渇き:塩分の多いチーズを食べた後に水を大量に飲む場合は塩分過多のサイン

これらの症状が見られたら、チーズの量を減らすか、一時的に中止して様子を見ましょう。

チーズの与え方と注意点

1. 乳糖不耐症のリスクを理解する

犬は子犬の時期にはラクターゼ(乳糖を分解する酵素)を多く分泌しますが、成犬になるとラクターゼの分泌量が大きく減少します[2]。そのため、乳糖を多く含む乳製品を摂取すると、お腹がゴロゴロしたり、下痢や嘔吐を起こす犬もいます。

チーズは牛乳に比べて製造過程で乳糖が大幅に減少していますが、ゼロではありません。特にフレッシュチーズ(カッテージチーズ、モッツァレラなど)は、ハードチーズ(チェダー、パルメザンなど)よりも乳糖がやや多い傾向があります。初めて与えるときは少量から始め、おなかの調子を確認しましょう。

2. 塩分の問題に注意する

特にプロセスチーズは100gあたり約1,100mgのナトリウムを含み、犬にとってはかなりの高塩分です。NRCによると、成犬のナトリウムの最小必要量は体重1kgあたり約10mgとされています[2]。体重5kgの犬の場合、1日に必要なナトリウムは約50mgですから、プロセスチーズ5gだけでもナトリウム約55mgを摂取することになります。

塩分の過剰摂取は喉の渇き・多飲多尿・腎臓への負担につながります。チーズを選ぶ際は、できるだけ塩分の少ないカッテージチーズやモッツァレラチーズを選びましょう。

3. 薬を包むのに便利な使い方

チーズは犬に薬を飲ませるときの「包み材」として非常に優秀です。チーズの強い香りと味が薬の苦みを隠してくれるため、薬嫌いの犬でも比較的スムーズに服用できます。

  • 少量のチーズ(5g程度)を手で軽く丸める
  • 中心に薬を押し込んでチーズで包む
  • 犬にそのまま与える(噛まずに飲み込むように促す)

ただし、テトラサイクリン系抗生物質などカルシウムと結合して吸収が阻害される薬もあります。必ず処方時にかかりつけの動物病院で「乳製品と一緒に飲ませてよいか」を確認してください。

4. 初めて与えるときは少量から

初めてチーズを与えるときは、ごく少量(小さじ1杯程度)からスタートしましょう。24時間ほど様子を観察して、下痢・嘔吐・皮膚のかゆみなどのアレルギー症状が出ないか確認します。乳製品は食物アレルギーの原因になることもあるため、慎重に進めてください。

食物アレルギーが心配な飼い主さんは、犬のアレルギー完全ガイドもあわせてご覧ください。

5. おやつとして与え、主食の代わりにしない

チーズは栄養豊富ですが、犬に必要な栄養素をすべてバランスよく含んでいるわけではありません。あくまでおやつやトッピングとして少量を与え、主食の総合栄養食の代わりにはしないでください。トッピングの工夫についてはドッグフードのトッピングガイドに詳しくまとめています。

チーズを与えるときのチェックリスト

  • ブルーチーズ・香辛料入りチーズではないか確認したか
  • 愛犬の体格に合った量(体重別目安表を参照)か
  • 1日のおやつカロリーの範囲内か
  • 初めての場合、少量からスタートしているか
  • 持病(膵炎・腎臓病・肥満など)がないか確認したか

こんな犬にはチーズを控えて

チーズは多くの犬に安全な食品ですが、以下に該当する犬には与えないか、かかりつけの動物病院に相談してからにしましょう。

膵炎(すいえん)の犬・膵炎の既往歴がある犬

チーズは種類によっては脂肪分が非常に高く、膵炎のリスクを高める可能性があります。Xenoulis & Steiner(2010)の研究では、高脂肪食と犬の高脂血症・膵炎の関連が指摘されています[5]。膵炎を経験したことがある犬や、脂質代謝に問題のある犬には、たとえカッテージチーズであっても与えないほうが安全です。

肥満・体重管理中の犬

プロセスチーズは100gあたり約330kcalと非常に高カロリーです。体重管理が必要な犬には、チーズよりもカロリーの低いおやつ(きゅうりやにんじんなど)を選ぶほうが望ましいです。体重管理の詳しい方法は犬の体重管理ガイドを参考にしてください。

乳糖不耐症の犬

牛乳を飲んでお腹を壊した経験がある犬は、チーズでも同様の症状を起こす可能性があります。チーズは牛乳より乳糖が少ないものの、完全にゼロではないため、乳糖に敏感な犬は注意が必要です。どうしても乳製品を与えたい場合は、乳糖がほぼ含まれないハードチーズ(長期熟成のパルメザンなど)をごく少量試すか、犬にヨーグルトを与える方法(発酵により乳糖が減少)も検討してみてください。

腎臓病の犬

腎臓病の犬はナトリウム(塩分)の排出能力が低下していることが多く、塩分の高いチーズは腎臓にさらなる負担をかけてしまいます[2]。腎臓に疾患のある犬には、チーズを含む塩分の高い食品は避けるべきです。

チーズを控えるべき犬

  • 膵炎・膵炎の既往歴:高脂肪が膵臓に負担をかける[5]
  • 肥満・ダイエット中:高カロリーでカロリーオーバーの原因に
  • 乳糖不耐症:下痢・嘔吐などの消化器症状のリスク
  • 腎臓病:塩分の排出が困難で腎機能をさらに悪化させる
  • 乳製品アレルギー:カゼインなど乳タンパク質に対するアレルギー反応

よくある質問

犬用チーズと人間用チーズの違いは何ですか?

犬用チーズは、犬の健康に配慮して塩分と脂肪分が大幅にカットされた製品です。一般的な人間用プロセスチーズの塩分は100gあたり約2.8gですが、犬用チーズは0.1〜0.5g程度に抑えられています。また、乳糖(ラクトース)を低減処理しているものも多く、乳糖不耐症のリスクが低くなっています。人間用のチーズを与える場合は、塩分の少ないカッテージチーズやモッツァレラチーズを少量にとどめるのが安全です。

犬にチーズを毎日あげても大丈夫ですか?

少量であれば毎日与えても大きな問題はありませんが、注意点があります。チーズは高脂肪・高カロリーな食品であり、毎日の摂取は肥満のリスクを高めます。体重5kgの小型犬であれば1日5〜10g程度が目安です。毎日与える場合は、その分ほかのおやつや主食のフード量を調整してカロリーオーバーにならないようにしましょう。また、便の状態を観察し、軟便や下痢が続くようであれば乳糖不耐症の可能性があるため、頻度を減らしてください。

ブルーチーズはなぜ犬にNGなのですか?

ブルーチーズ(ゴルゴンゾーラ、ロックフォールなど)は、青カビ(Penicillium roqueforti)によって熟成されます。この青カビが産生する「ロケフォルチンC」という毒素が犬に有害です[4]。犬がブルーチーズを大量に摂取すると、嘔吐、下痢、高体温、筋肉の震え、けいれんなどの中毒症状を引き起こす可能性があります。少量であれば重篤な症状に至らないケースもありますが、安全のためブルーチーズは犬に一切与えないでください。誤って食べてしまった場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。

チーズで薬を包んで犬に飲ませても大丈夫ですか?

チーズで薬を包んで飲ませることは、多くの獣医師が推奨する方法のひとつです。チーズの香りと味が薬の苦みを隠してくれるため、薬嫌いの犬でも比較的スムーズに服用できます。使用するチーズはカッテージチーズやモッツァレラチーズなど、塩分と脂肪分が少ないものが理想的です。ただし、テトラサイクリン系抗生物質など、一部の薬はカルシウムと結合して吸収が阻害されるため、乳製品と同時に摂取してはいけない場合があります。必ず処方時にかかりつけの動物病院で「乳製品と一緒に飲ませてよいか」を確認してください。

まとめ

チーズは犬にとって有毒な食品ではなく、少量であればタンパク質・カルシウム・ビタミンA・B12を含む栄養価の高いおやつになります[1]。ただし、種類によって安全性が大きく異なるため、正しい知識を持って与えることが大切です。

最もおすすめなのは低脂肪・高タンパクのカッテージチーズで、プロセスチーズは塩分が高いため控えめに。ブルーチーズはロケフォルチンC毒素のリスクがあるため絶対NGです[4]。体重5kgの小型犬で1日5〜10g程度を目安に、初めて与える際は少量からスタートして愛犬の反応を確認しましょう。

膵炎・肥満・腎臓病・乳糖不耐症の犬には控えるか、かかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。愛犬の体質や体調に合わせて、チーズを安全に活用してください。フード選びの基本についてはドッグフードの種類ガイドも参考になります。

参考文献を表示(全5件)
  1. USDA FoodData Central. "Cheese, cottage, lowfat, 2% milkfat." FDC ID: 170845.
  2. National Research Council. "Nutrient Requirements of Dogs and Cats." National Academies Press, 2006.
  3. Cortinovis C, Caloni F. "Household Food Items Toxic to Dogs and Cats." Front Vet Sci. 2016;3:26. DOI: 10.3389/fvets.2016.00026
  4. Boag AK et al. "Accidental ingestion of Stilton cheese causing toxic encephalopathy in dogs." Veterinary Record. 2006;158(16):573-574.
  5. Xenoulis PG, Steiner JM. "Lipid metabolism and hyperlipidemia in dogs." The Veterinary Journal. 2010;183(1):12-21. DOI: 10.1016/j.tvjl.2008.10.011

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