犬にさつまいもは大丈夫?栄養・量・加熱のポイントを解説

犬にさつまいもを与えても大丈夫?栄養・量・加熱のポイントを解説

この記事の結論

犬にさつまいもは「加熱すれば安全」。研究データに基づく5つのポイントをまとめました。

  • 結論:加熱すれば食べてOK - さつまいもはASPCAの有毒食品リストに含まれておらず、加熱済みであれば犬に安全な食材です[1]
  • 栄養面のメリット - β-カロテン(11,509μg/100g)、食物繊維(3.0g)、ビタミンC(19.6mg)が豊富で、免疫力や腸内環境をサポート[2]
  • 体重別の適量 - 小型犬(5kg)で約15〜20g/日、中型犬(10kg)で約30〜40g/日。1日の総カロリーの10%以内が目安
  • 生食は絶対NG - 生のさつまいもは消化困難でシュウ酸も多いため、必ず蒸す・茹でるなどの加熱処理が必要
  • 持病がある犬は注意 - 糖質が高い(加熱後100gあたり約30g)ため、糖尿病・肥満・腎臓病・尿路結石の犬は控えること

体重別の適量目安と安全な与え方を、下記で詳しく解説しています

「さつまいもを愛犬が欲しがるけど、あげても大丈夫なのかな...?」そんな疑問を持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、さつまいもは加熱すれば犬が食べても安全な食材です。ASPCA(米国動物虐待防止協会)の有毒食品リストにもさつまいもは含まれていません[1]。実際、多くのグレインフリードッグフードでさつまいもが炭水化物源として使用されています[5]

ただし、「安全=そのまま好きなだけOK」というわけではありません。さつまいもは栄養価が高い一方で、生食はNGであり、糖質も多い食材です。この記事では、研究データに基づいて、犬にさつまいもを与える際の適量・加熱方法・注意点を詳しく解説します。

さつまいもの栄養素と犬への効果

さつまいもに含まれる主な栄養素

USDA(米国農務省)のFoodData Centralによると、さつまいも(加熱・皮なし)100gあたりの栄養成分は以下のとおりです[2]

栄養素100gあたりの含有量犬への期待効果
エネルギー90kcal穏やかなエネルギー補給
β-カロテン11,509μg抗酸化作用・免疫力の向上
食物繊維3.0g腸内環境の改善・便通の促進
ビタミンC19.6mg抗酸化作用・コラーゲン生成
カリウム230mg筋肉・心臓機能の維持
カルシウム38mg骨や歯の形成
糖質約30g(過剰摂取に注意)

β-カロテン:強力な抗酸化作用

さつまいもの最大の特長は、圧倒的なβ-カロテンの含有量です。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、犬の皮膚・被毛の健康維持、視力のサポート、免疫機能の強化に役立ちます。NRC(米国学術研究会議)の「犬と猫の栄養素要求量」でも、ビタミンAは犬の必須栄養素のひとつとして位置づけられています[4]

さつまいも100gに含まれるβ-カロテンは11,509μgで、これはにんじんに匹敵する量です。主食のドッグフードで基本的なビタミンAは十分にまかなえますが、さつまいもを少量のおやつとして与えることで、自然な形での抗酸化成分の補給が期待できます。

食物繊維:腸内環境を整える

さつまいもに含まれる食物繊維は、犬の腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。さつまいもには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方がバランスよく含まれており、便通の改善に効果的です。

ただし、食物繊維の摂りすぎは逆に下痢やガスだまりの原因になるため、適量を守ることが大切です。

ビタミンC:抗酸化と免疫サポート

犬は体内でビタミンCを合成できますが、ストレスや加齢、病気の際には消費量が増加するとされています[4]。さつまいもに含まれるビタミンC(19.6mg/100g)は、加熱しても比較的残りやすいのが特長です。自然な食材からビタミンCを補給できるメリットがあります。

カリウム:筋肉と心臓の健康に

さつまいもにはカリウムも含まれており、犬の筋肉の収縮や心臓のリズムを正常に保つために役立ちます。ただし、バナナ(358mg/100g)と比べるとやや少なめ(230mg/100g)です。カリウムについて詳しくは犬にバナナは大丈夫?の記事でも解説しています。

さつまいもの栄養まとめ

さつまいもはβ-カロテン・食物繊維・ビタミンCが豊富で、犬の健康に役立つ栄養素を含んでいます。ぶどうやレーズン、玉ねぎ、チョコレートのように犬に有毒な成分は含まれていません[3]。ただし、高糖質であることを忘れずに、あくまで「おやつ」として加熱したものを適量与えましょう。

体重別の適量目安

「1日の総カロリーの10%以内」が基本ルール

犬のおやつの適量は、1日の総摂取カロリーの10%以内が推奨されています[4]。さつまいもは加熱後100gあたり約90kcalなので、体重ごとの目安量を下表にまとめました。

体重1日の必要カロリー目安おやつ上限(10%)さつまいもの適量(目安)
3kg(超小型犬)約200kcal約20kcal約20g(薄切り2枚)
5kg(小型犬)約300kcal約30kcal約30g(薄切り3枚)
10kg(中型犬)約500kcal約50kcal約55g(輪切り2〜3枚)
20kg(大型犬)約900kcal約90kcal約100g(中サイズ1/3本)
30kg(大型犬)約1,200kcal約120kcal約130g(中サイズ1/2本)

※上記は避妊・去勢済みの成犬が標準的な活動量の場合の目安です。子犬やシニア犬、持病のある犬は個別に調整が必要です。愛犬の正確なカロリー計算については小型犬のカロリー計算ガイドも参考にしてください。

与えすぎのサイン

  • 軟便・下痢:食物繊維や糖質の過剰摂取による消化不良
  • おならの増加:さつまいもの食物繊維による腸内発酵が原因
  • 体重増加:継続的に与えすぎた場合、肥満につながる

これらの症状が見られたら、さつまいもの量を減らすか、一時的に中止して様子を見ましょう。

必ず加熱してから与える

生のさつまいもがNGな理由

生のさつまいもは犬に絶対に与えないでください。生のさつまいもには以下の問題があります。

  • 消化困難:生のデンプンは犬の消化酵素では分解しにくく、嘔吐や下痢を引き起こす
  • シュウ酸の含有:生のさつまいもにはシュウ酸が含まれており、体内でカルシウムと結合してシュウ酸カルシウム結石を形成するリスクがある
  • 喉に詰まるリスク:生のさつまいもは固く、特に小型犬では喉に詰まらせる危険性が高い

加熱することでデンプンが糊化して消化しやすくなり、シュウ酸の量も減少します。Cortinovis & Caloni(2016)の研究でも、犬が消化困難な食品を摂取した際の消化器系トラブルのリスクが報告されています[3]

おすすめの加熱方法

さつまいもの加熱方法にはいくつかの選択肢があります。蒸す・茹でるのが最もおすすめです。

加熱方法おすすめ度ポイント
蒸す最もおすすめ栄養素が流出しにくく、しっとり仕上がる
茹でるおすすめ手軽だが、水溶性ビタミンが一部流出する
焼き芋OK(冷ましてから)甘みが増すが、必ず人肌程度まで冷ましてから与える
電子レンジOK時短で手軽。加熱ムラに注意
揚げるNG油分が多すぎるため、犬には与えない

味付けは絶対NG

人間用に調理されたさつまいも料理(大学芋、スイートポテト、芋けんぴなど)は、砂糖・塩・バター・油などが含まれているため犬には与えないでください。特に注意すべきは以下の点です。

  • 砂糖:肥満や歯周病の原因に
  • :過剰な塩分摂取は腎臓に負担をかける
  • バター・油:膵炎のリスクを高める
  • 人工甘味料(キシリトール):犬に有毒で、少量でも命に関わる

犬に与えるさつまいもは、何も味付けせず、加熱しただけのものを使いましょう。犬に危険な食べ物について詳しくは犬に危険な食べ物一覧もあわせてご確認ください。

さつまいもの与え方チェックリスト

  • しっかり加熱してあるか(生は絶対NG)
  • 人肌程度まで冷ましてあるか
  • 愛犬の体格に合ったサイズにカットしたか
  • 味付け(塩・砂糖・バター等)をしていないか
  • 1日のおやつカロリーの範囲内か
  • 初めての場合、少量からスタートしているか

こんな犬にはさつまいもを控えて

さつまいもは多くの犬に安全な食品ですが、以下に該当する犬には与えないか、かかりつけの動物病院に相談してからにしましょう。

糖尿病の犬

さつまいもは加熱後100gあたり糖質約30gと高糖質な食材です。糖尿病の犬は血糖値のコントロールが重要なため、さつまいものような高糖質のおやつは血糖値を急上昇させるリスクがあります。糖尿病と診断されている犬には、さつまいもを与えるべきではありません。糖尿病の犬の食事管理については犬の糖尿病と食事ガイドを参考にしてください。

肥満・体重管理中の犬

カロリー制限中の犬にとって、さつまいもの90kcal/100gは決して少なくありません。体重管理が必要な犬には、さつまいもよりもカロリーの低い野菜(きゅうりやブロッコリーなど)をおやつに選ぶほうが望ましいです。体重管理の詳しい方法は犬の体重管理ガイドを参考にしてください。

腎臓病の犬

さつまいもにはカリウム(230mg/100g)が含まれています。腎臓病の犬はカリウムの排出能力が低下していることが多く、高カリウム血症のリスクがあります[4]。腎臓に疾患がある犬には、さつまいもを含むカリウムの多い食品は避けるべきです。腎臓病の食事管理については犬の腎臓病と食事ガイドもご覧ください。

尿路結石(シュウ酸カルシウム結石)のリスクがある犬

さつまいもにはシュウ酸が含まれています。加熱により量は減少しますが、完全にはなくなりません。シュウ酸は体内でカルシウムと結合し、シュウ酸カルシウム結石を形成する原因になる可能性があります。過去に尿路結石を経験した犬や、結石ができやすい犬種(ミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリアなど)には控えるのが安全です。

さつまいもを控えるべき犬

  • 糖尿病:血糖値の急上昇リスク
  • 肥満・ダイエット中:カロリーオーバーの原因に
  • 腎臓病:高カリウム血症のリスク
  • 尿路結石の既往歴:シュウ酸カルシウム結石のリスク
  • 消化器が弱い犬:軟便・下痢・ガスだまりが続く場合は中止

さつまいもを使ったおやつアイデア

さつまいもはそのまま与えるだけでなく、ちょっとしたアレンジで愛犬がもっと喜ぶおやつに変身します。いくつかのアイデアをご紹介します。

1. 手作り干し芋風おやつ

薄くスライスして低温でじっくり乾燥させれば、添加物ゼロの安心な干し芋風おやつができます。噛みごたえがあるので、犬のストレス解消にもなります。

  • さつまいもを蒸してから5mm厚にスライス
  • オーブンを100〜120℃に予熱
  • クッキングシートを敷いた天板に並べる
  • 1〜2時間ほど低温でじっくり乾燥させる(途中で裏返す)
  • 完全に冷ましてから密閉容器で保存(冷蔵で3〜4日が目安)

2. さつまいもマッシュ

蒸したさつまいもをフォークでつぶすだけで、やわらかくて食べやすいマッシュに。シニア犬や子犬など、固いものが苦手な犬にもおすすめです。

  • さつまいもを蒸して柔らかくする
  • 皮を取り除き、フォークでなめらかにつぶす
  • 人肌程度まで冷ます
  • 体格に合わせた量を小皿に盛って与える

3. ドッグフードへのトッピング

いつものフードにさつまいもを少量トッピングすることで、食いつきが悪い犬の食欲アップが期待できます。角切りにしたさつまいもをフードに混ぜるか、マッシュにしたものをトッピングしてみましょう。さつまいもの自然な甘みが食欲を刺激します。

手作りおやつの注意点

  • 砂糖・甘味料は絶対に加えない:特にキシリトールは犬に有毒
  • バターや油を使わない:膵炎のリスクを高める
  • 喉詰まりに注意:干し芋風おやつは必ず小さくカットして与える
  • 分量を守る:手作りおやつもカロリーに含めて計算すること

よくある質問

犬にさつまいもを毎日あげても大丈夫ですか?

毎日与えること自体は問題ありませんが、量に注意が必要です。さつまいもは加熱後100gあたり約90kcal、糖質約30gと高糖質な食材です。おやつは1日の総摂取カロリーの10%以内が目安とされており、体重5kgの小型犬であれば1日15〜20g程度が適量です。毎日与える場合は、その分ほかのおやつを控えるか、主食のフード量を少し調整しましょう。

犬にさつまいもを生で与えても大丈夫ですか?

生のさつまいもは犬に与えないでください。生のさつまいもはデンプンが糊化しておらず消化が非常に困難で、嘔吐や下痢の原因になります。また、シュウ酸が多く含まれており、尿路結石のリスクを高める可能性があります。必ず蒸す・茹でる・焼くなどの加熱処理をしてから与えてください。加熱することでデンプンが糊化して消化しやすくなり、シュウ酸も減少します。

さつまいもの皮は犬に与えても大丈夫ですか?

加熱済みであれば、さつまいもの皮を少量与えること自体に毒性はありません。皮にはポリフェノールなどの栄養素が含まれています。ただし、皮は実の部分に比べて消化しにくいため、消化器官が弱い犬や小型犬は取り除いたほうが安全です。与える場合は必ず加熱したうえで、小さくカットしてください。食物アレルギーが心配な飼い主さんは、犬のアレルギー完全ガイドもあわせてご覧ください。

さつまいもアレルギーの犬はいますか?

非常にまれですが、さつまいもにアレルギー反応を示す犬もいます。さつまいもは穀物アレルギーの犬向けの代替炭水化物源として使われることが多い低アレルゲン食材ですが、初めて与える際は少量からスタートし、口周りの赤み、皮膚のかゆみ、嘔吐、下痢などの症状が出ないか24時間ほど観察してください。異常が見られた場合は中止し、動物病院で相談しましょう。

まとめ

さつまいもは加熱すれば犬にとって安全な食材であり、β-カロテン・食物繊維・ビタミンCなど有用な栄養素を含んでいます[2]。ASPCAの有毒食品リストにも含まれておらず、適量であれば健康的なおやつになります[1]

ただし、必ず加熱してから与えることが大前提です。生のさつまいもは消化困難でシュウ酸も多いため絶対にNGです。また、糖質が高い(加熱後100gあたり約30g)ため、与えすぎは肥満や血糖値の上昇につながります。体重5kgの小型犬で1日15〜20g程度を目安に、味付けなしで加熱し、小さくカットして与えてください。

糖尿病・腎臓病・肥満・尿路結石の犬には控えるか、かかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。愛犬の体質や体調に合わせて、さつまいもを安全で楽しいおやつタイムに取り入れてみてください。

参考文献を表示(全5件)
  1. ASPCA Animal Poison Control. "People Foods to Avoid Feeding Your Pets."
  2. USDA FoodData Central. "Sweet potato, cooked, baked in skin, flesh, without salt." FDC ID: 168482.
  3. Cortinovis C, Caloni F. "Household Food Items Toxic to Dogs and Cats." Front Vet Sci. 2016;3:26. DOI: 10.3389/fvets.2016.00026
  4. National Research Council. "Nutrient Requirements of Dogs and Cats." National Academies Press, 2006.
  5. Beynen AC. "Sweet potatoes in dog food." Creature Companion. 2019.

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