「うちの子、最近あまり水を飲まなくなった気がする...」そんな風に感じたことはありませんか?
実は、冬は小型犬にとって健康リスクがぐっと高まる季節なんです[1]。
飲水量の減少による膀胱炎・尿石症、寒さによる低体温症、暖房器具による低温やけどや乾燥など、冬ならではのトラブルが愛犬を待ち構えています。
この記事では、大切な愛犬を冬の健康リスクから守るための具体的な対策をお伝えします。
冬に増える小型犬の健康トラブルって?
冬になると、動物病院への来院が増える疾患があります。特に小型犬は体が小さいため、環境変化の影響を受けやすいのです。具体的にどんなトラブルに気をつければいいのか見ていきましょう。
膀胱炎・尿石症
冬は気温が下がると、ワンちゃんの飲水量も自然と減ってしまいがちです。その結果、尿が濃縮されて、膀胱炎や尿石症のリスクが高まります。
⚠️ 膀胱炎の症状チェックリスト
- トイレの回数が増えた(頻尿)
- 排尿時に鳴く、痛そうにする
- 尿に血が混じる(血尿)
- トイレ以外の場所で粗相する
- 陰部を気にして舐める
- 尿の臭いが強くなった
これらの症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。
低体温症
ワンちゃんの平熱は37.5〜39.2℃程度です。しかし寒さにさらされ続けると体温が異常に下がり、低体温症を起こすことがあります[2]。特に小型犬、子犬、高齢犬、持病のある子は注意が必要です。
⚠️ 低体温症の症状
- 軽度:震え、動きが鈍くなる、元気がない
- 中度:筋肉のこわばり、反応が遅い、歯茎が青白い
- 重度:意識低下、瞳孔散大、呼吸・心拍の低下
関節の痛み・こわばり
寒さは関節にも負担をかけます。特に関節炎を持っている子には大きなストレスです。冬になると「散歩を嫌がる」「階段を上りたがらない」といった様子が見られることがあります。
免疫力の低下
寒さによるストレスで免疫機能が低下して、風邪や感染症にかかりやすくなることも。食欲が落ちたり、活動量が減ったりすることで、全体的な体力低下にもつながってしまいます。
小型犬が寒さに弱い理由
体の大きさと体温調節
小型犬は体積に対して表面積が広いため、体熱を放散しやすく、体温を維持しにくいという特徴があります。また、地面に近い位置にいるため、床や地面からの冷気の影響も受けやすいのです。
| 体格 | 体熱の放散 | 寒さへの耐性 |
|---|---|---|
| 超小型犬(〜4kg) | 非常に速い | 弱い(要防寒対策) |
| 小型犬(4〜10kg) | 速い | やや弱い |
| 中型犬(10〜25kg) | 普通 | 普通 |
| 大型犬(25kg〜) | 遅い | 比較的強い |
被毛の種類による違い
犬の被毛には「ダブルコート」と「シングルコート」の2種類があり、寒さへの耐性が大きく異なります。
💡 被毛タイプと寒さ耐性
ダブルコート(二重構造):上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)を持ち、保温性が高い
- 比較的寒さに強い:柴犬、ポメラニアン、コーギー、チワワ(ロング)など
シングルコート(単層構造):上毛のみで、保温性が低い
- 寒さに弱い:トイプードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア、パピヨン、ミニチュアピンシャーなど
寒さに特に弱い犬種
以下の特徴を持つワンちゃんは、特に冬の寒さ対策をしっかりしてあげてください。
- シングルコートの犬種:トイプードル、マルチーズ、ミニチュアピンシャーなど
- 短毛種:イタリアングレーハウンド、フレンチブルドッグ、パグなど
- 南国原産の犬種:チワワ(メキシコ原産)など
- 子犬・高齢犬:体温調節機能が未発達または低下
- 痩せ型の犬:皮下脂肪が少なく保温しにくい
冬の泌尿器疾患対策
冬は飲水量が減り、尿が濃くなることで膀胱炎や尿石症のリスクが高まります。約14%のワンちゃんが一生涯のうちに最低1回は膀胱炎を経験すると言われています。特に冬場は気をつけてあげたい季節です。
水分摂取を増やす7つの工夫
ワンちゃんが1日に必要な水分量は体重1kgあたり40〜60mlが目安です。3kgの小型犬なら120〜180ml程度の水分が必要になります。
💡 水分摂取を増やす具体的な方法
- ドライフードをふやかす:ぬるま湯で15〜20分ふやかして与える
- ウェットフードを併用:水分含有量70〜80%のウェットフードを混ぜる
- 水をぬるま湯にする:人肌程度(35〜38℃)に温めると飲みやすい
- 水飲み場を増やす:家の複数箇所に設置、特に暖かい部屋に
- ささみの煮汁を加える:無塩・無添加のスープで風味付け
- 流れる水を用意:循環式ウォーターファウンテンで興味を引く
- こまめに水を交換:新鮮な水は飲みやすい
排尿を我慢させない環境づくり
尿を長時間膀胱に溜めることも膀胱炎の原因になります。特に室内飼いの子は、寒い時期に外に出たがらず排尿を我慢してしまうことがあります。
- 室内にトイレを設置し、いつでも排尿できる環境を作る
- 散歩の回数を減らさない(短時間でも外で排尿させる)
- トイレシートはこまめに交換し、清潔を保つ
⚠️ 尿の色・回数をチェック
健康な犬の尿は薄い黄色〜透明です。以下の場合は要注意:
- 濃い黄色〜オレンジ:水分不足の可能性
- ピンク〜赤色:血尿の可能性(至急受診)
- 濁っている:感染症の可能性
- 回数の急な増減:泌尿器トラブルの可能性
暖房器具、どう使えば安全?
犬にとっての適温
ワンちゃんが快適と感じる室温は18〜25℃程度と言われています[3]。ただし、小型犬や高齢犬は寒さに弱いので、20〜23℃程度に保ってあげると安心です。
💡 暖房使用時のポイント
- エアコンの風が直接当たらないようにする
- 床面と天井付近で温度差が生じるため、サーキュレーターで空気を循環
- 温度計を犬の目線の高さに設置して確認
- 犬が自分で涼しい場所に移動できるようにする
暖房器具別の注意点
| 暖房器具 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| エアコン | 温度管理しやすい、火災リスク低い | 乾燥しやすい、風が当たる位置に注意 |
| 床暖房 | 均一に暖まる、空気が乾燥しにくい | 低温やけどのリスク、長時間の直接接触を避ける |
| オイルヒーター | 乾燥しにくい、穏やかな暖かさ | 暖まるまで時間がかかる、本体が熱くなる |
| ペット用ヒーター | 局所的に暖められる | 低温やけどに注意、コード噛み防止必須 |
| こたつ | 犬が好む暖かさ | 熱中症・脱水のリスク、長時間の使用は避ける |
| 石油・ガスストーブ | すぐに暖まる | やけど・火災リスク高い、柵で囲うこと必須 |
低温やけどを防ぐ
床暖房やペット用ヒーターは便利ですが、長時間同じ場所にいると低温やけどを起こす可能性があります。特に高齢犬や動きにくい子は注意してください。
⚠️ 低温やけど防止の対策
- ヒーターの上にタオルや毛布を敷く(直接触れない)
- 犬が自由に離れられるスペースを確保する
- 就寝時や外出時は電源を切る
- 定期的に犬の皮膚をチェックする
- 湯たんぽはカバーで包み、熱すぎないか確認
留守番時の暖房
ワンちゃんだけでお留守番させる時は、安全な暖房方法を選んであげましょう。
- 推奨:エアコン(低めの設定)、湯たんぽ、毛布・ブランケット
- 避けるべき:石油ストーブ、電気コードのある暖房器具、こたつ
- クレートやベッドに毛布を敷き、自分の体温で暖まれる環境を作る
冬の乾燥対策
乾燥が犬に与える影響
暖房を使用すると室内の湿度が下がり、ワンちゃんの健康に影響を与えることがあります。皮膚・被毛の健康を維持するためにも、乾燥対策は重要です。
- 皮膚の乾燥・かゆみ:フケが増える、掻きむしる
- 被毛のパサつき:毛艶が悪くなる、静電気が起きる
- 呼吸器への負担:咳が出やすくなる、特に高齢犬で顕著
- 肉球のひび割れ:歩行時に痛みを感じる
湿度管理のポイント
ワンちゃんにとって快適な湿度は50〜60%程度。意識して管理してあげましょう。
💡 乾燥対策の具体的な方法
- 加湿器を使用:エアコンと併用し、湿度50〜60%を維持
- 濡れタオルを干す:加湿器がない場合の代替策
- ブラッシングをこまめに:血行促進で皮膚の健康維持
- 保湿スプレー・ローションの使用:犬用の保湿剤で皮膚ケア
- 肉球クリームの塗布:ひび割れ防止に効果的
- シャンプーの頻度を減らす:皮脂を落としすぎない
冬の室内運動アイデア
寒い日に無理に散歩に出るよりも、室内で楽しく運動させるという選択肢もあります。運動不足は肥満やストレスの原因になりますから、室内でも適度に体を動かしてあげましょう。
室内でできる運動10選
💡 おすすめの室内運動
- 引っ張りっこ遊び:ロープトイを使って全身運動
- ボール遊び:柔らかいボールを転がして追いかけさせる
- かくれんぼ:飼い主が隠れて探させる
- 宝探しゲーム:おやつを隠して嗅覚を使わせる
- 知育玩具:コングやパズルフィーダーで頭を使う
- 階段の上り下り:安全な範囲で足腰を鍛える
- トリックトレーニング:「お手」「おかわり」「まわれ」など
- タオルで遊ぶ:結んで投げたり、引っ張ったり
- 追いかけっこ:飼い主と部屋の中を走る
- ノーズワーク:嗅覚を使った探索ゲーム
💡 室内運動のポイント
- フローリングは滑りやすいため、マットを敷く
- 家具の角にはクッション材をつける
- 興奮しすぎないよう、休憩を挟む
- 小型犬は10〜15分程度の運動で十分
- 運動後は水分補給を忘れずに
冬の散歩の注意点
散歩に出る判断基準
一般的に、ワンちゃんは気温5℃を下回ると震え始めることが多いです。以下の条件を参考に、散歩の判断をしてください。
| 気温 | 判断 | 対策 |
|---|---|---|
| 10℃以上 | 通常通り散歩OK | 寒さに弱い犬は薄手の服 |
| 5〜10℃ | 短めの散歩推奨 | 防寒着着用、日中の暖かい時間帯に |
| 0〜5℃ | 短時間で切り上げる | 厚手の防寒着必須、肉球保護 |
| 0℃以下 | 室内運動に切り替え推奨 | 排泄目的のみ短時間で済ませる |
冬の散歩での防寒対策
- 日中の暖かい時間帯に散歩する
- 防寒着を着せる(特にお腹まで覆うタイプ)
- 靴下やブーツで肉球を保護(雪や凍結路面対策)
- 帰宅後は足を拭いて乾かす
- 融雪剤を舐めさせない(塩化カルシウムは有害)[4]
⚠️ 散歩後のチェックポイント
- 肉球にひび割れや傷がないか確認
- 足の指の間に雪や氷が詰まっていないか
- 体が濡れていたらしっかり乾かす
- 震えが続いていないか観察
よくある質問
Q. 冬に犬があまり水を飲まないのですが、どうすればいいですか?
冬は飲水量が減りやすく膀胱炎のリスクが高まります。対策として、①ドライフードをぬるま湯でふやかす、②ウェットフードを併用する、③水飲み場を暖かい部屋に移動する、④水をぬるま湯(人肌程度)にする、などが効果的です。目安として体重1kgあたり40〜60mlの水分摂取を心がけましょう。
Q. 小型犬に暖房は必要ですか?適温は何度ですか?
小型犬は体温を奪われやすいため、室温管理が重要です。犬にとって快適な室温は18〜25℃程度で、特に小型犬やシングルコート犬種、高齢犬は20℃以上を維持すると安心です。ただし、暖房の風が直接当たらないよう注意し、床暖房の場合は長時間の直接接触を避けてください。
Q. 犬が震えています。寒さが原因でしょうか?
震えは寒さのサインの可能性がありますが、緊張・恐怖・痛み・病気が原因の場合もあります。暖かくしても震えが止まらない、元気や食欲がない、歯茎が白い、呼吸が荒いなどの症状がある場合は、低体温症や他の病気の可能性があるため、すぐに動物病院を受診してください。
Q. 犬用ヒーターやホットカーペットは安全ですか?
ペット用ヒーターは便利ですが、低温やけどのリスクがあります。①タオルや毛布を敷いて直接触れないようにする、②犬が自由に離れられる環境を作る、③就寝時や外出時は電源を切る、④コードを噛まれないよう保護する、などの対策が必要です。特に高齢犬や動きにくい犬は注意が必要です。
Q. 冬でも散歩は必要ですか?
適度な運動は冬でも必要ですが、無理は禁物です。気温が5℃以下、雨や雪の日は室内運動に切り替えましょう。散歩する場合は、①日中の暖かい時間帯を選ぶ、②防寒着を着せる、③短時間で済ませる、④帰宅後は足を拭いて乾かす、などを心がけてください。室内での引っ張りっこや知育玩具も良い運動になります。
まとめ
冬は小型犬にとって健康リスクが高まる季節ですが、適切な対策をすることで、大切な愛犬を守ることができます。
- 水分摂取:フードをふやかす、ウェットフード併用で膀胱炎予防
- 室温管理:18〜25℃を維持し、暖房の風に注意
- 暖房器具:低温やけど防止のため直接接触を避ける
- 乾燥対策:湿度50〜60%を保ち、皮膚と被毛をケア
- 適度な運動:寒い日は室内運動で体力維持
愛犬の様子をよく観察し、いつもと違う症状が見られたら早めに動物病院を受診してください。この記事が、あなたと愛犬の素敵な冬のお役に立てれば幸いです。