愛犬が7歳を超えて、最近フードを残すようになってきた...。そんなお悩みはありませんか?
「手作り食なら喜んで食べてくれるかも」と考える飼い主さん、実はとても多いんです。そしてその直感、間違っていないかもしれません。
手作り食には食材の透明性・食いつき改善・絆を深めるという3つの大きなメリットがあります。一方で、栄養バランスの確保や時間・コストという課題もあるのが正直なところ。
この記事では、手作り食のメリットを正直にお伝えしつつ、リスクも理解した上で「ハイブリッド給餌」という賢い活用法をご紹介します。なお、ドライフードと手作り食の組み合わせ方についても別記事で詳しくお伝えしています。
メリット1:食材の透明性と安心感
何が入っているか一目瞭然
手作り食の最大のメリットは、使う食材をすべて自分で選べること。鶏胸肉、さつまいも、キャベツ...一つひとつの食材を手に取り、新鮮さを確認してから使えるのは大きな魅力です。
市販のドッグフードにも原材料表示はありますが、「チキンミール」や「動物性油脂」といった表記だけでは、具体的にどの部位が使われているのか、どんな鶏なのかまでは分かりにくいもの。
手作り食は人間が食べる食材(human-grade ingredients)を使うため、汚染物質のリスクが低く、飼い主さんに安心感を与えると報告されています[1]。
アレルギー対応がしやすい
シニア犬になってから突然アレルギーが出ることもあります。手作り食なら、アレルゲンとなる食材を自由に除外できるのも大きな魅力です。
例えば:
- 鶏肉アレルギー → ラム肉や魚に変更
- 穀物アレルギー → 芋類や野菜で代用
- 特定の添加物が合わない → 無添加の食材のみ使用
実は、ペットフード選びで飼い主さんが最も重視するのは「原材料」です。手作り食はこのニーズにしっかり応えられます[4]。
食いつきが悪いシニア犬に手作り食は効果的?
水分量が多く、香りが強い
シニア犬は嗅覚が衰えるため、ドライフードの香りに反応しなくなることがあります。しかし手作り食なら水分が豊富で、調理したての香りが食欲を刺激してくれます。
シニア犬は嗅覚の低下により食欲が減退しますが、缶詰フードや温めた食事は香りが強く、嗜好性が高まるという報告があります[6]。手作り食も同様に、温かい状態で提供できるため、香りが立ちやすいのが特徴です。
シニア犬の嗜好に合わせやすい
年齢とともに、愛犬の好みも変わります。手作り食なら、その日の体調や気分に合わせて食材を調整できるのも魅力です。
- 食欲がない日 → 鶏ガラスープで風味を強化
- 消化が悪い日 → 柔らかく煮込んだ食材中心に
- 元気な日 → 少し歯ごたえのある野菜を追加
手作り食を実践した飼い主さんの62%が長期的に満足しているというデータも。特に皮膚疾患や消化器疾患を持つ犬では、満足度がほぼ100%に達したそうです[2]。
メリット3:飼い主との絆が深まる
愛情を込めて作る時間
手作り食を作る時間は、愛犬のことを考える特別なひととき。「今日はこの野菜を喜んでくれるかな」「最近元気がないから消化に良いものを」と、一皿一皿に愛情を込められるのが魅力です。
ペットのために食事を準備することを楽しむ飼い主さんほど、ペットとの絆が強い傾向があるという研究もあります[3]。実際、手作り食を実践する飼い主さんの80%が、調理の手間を苦にせず喜んで取り組んでいるそうです[2]。
健康状態の変化に気づきやすい
毎日手作り食を準備していると、愛犬の食べ方や便の状態に敏感になります。「いつもより食が細い」「この食材は合わないかも」といった変化に早く気づけるようになります。
これはシニア犬の健康管理においてとても大切なことです。小さな変化を見逃さないことが、病気の早期発見につながります。
手作り食にはどんなリスクがあるの?
手作り食には素晴らしいメリットがありますが、正直にお伝えするとリスクもあります。ここは大切なポイントなので、しっかり確認しておきましょう。
栄養バランスの難しさ
手作り食の成功は適切な栄養設計にかかっていて、獣医栄養士への相談がとても大切です[5]。実は、書籍やインターネットで公開されている手作り食レシピの95%に、少なくとも1つ以上の必須栄養素が不足していたという研究結果もあります[8]。
特に不足しがちな栄養素:
- ビタミンD、ビタミンE
- カルシウム、亜鉛
- オメガ3脂肪酸
時間とコストがかかる
毎日手作り食を続けるには、買い物、調理、保存の時間が必要です。手作り食を中断した飼い主さんの43%が「手間がかかる」ことを理由に挙げています[2]。
また、新鮮な食材と栄養サプリメントを揃えると、市販のドライフードよりもコストが高くなることも。無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。
💡 詳しくはこちら
手作り食の栄養リスクについて詳しく知りたい方は、手作り犬用食の栄養バランスガイドをご覧ください。
賢い活用法:ハイブリッド給餌
おすすめは「週末だけ手作り食」
毎日手作り食を続けるのは正直大変です。そこでおすすめなのが「ハイブリッド給餌」です。
- 平日(月〜金): 栄養バランスが整った市販フード
- 週末(土日): 手作り食やフレッシュフード
これなら、手作り食のメリットを楽しみつつ、栄養不足のリスクも最小限に抑えられます。平日の市販フードがベースとなるため、AAFCO基準を満たした栄養バランスもしっかり保てます。
手作り食に近いフレッシュフード・フリーズドライの活用
「手作り食に興味はあるけど、毎日作る自信がない...」という方には、フレッシュフードやフリーズドライがぴったりです。
フレッシュフードの特徴:
- 人間が食べる食材を使用(ヒューマングレード)
- 調理済みで冷蔵・冷凍保存
- 水分が豊富で香りが強い
- 開封してすぐに与えられる
フリーズドライの特徴:
- 新鮮な食材をフリーズドライ加工
- 常温で長期保存可能
- 水で戻すと手作り食のような食感に
- 必要な分だけ使える
トッピングとしての活用法
「完全に切り替えるのは不安...」という方は、トッピングから始めてみるのもおすすめです。
おすすめのトッピング:
- 茹でた鶏胸肉(小さく刻んで)
- さつまいも(蒸してマッシュ)
- フレッシュフードを少量(通常の給餌量の10-20%)
ドライフードにトッピングを加えることで、香りと水分がプラスされ、食いつきが良くなることがあります。
手作り食に近い おすすめフード3選
手作り食のメリットを活かしつつ、栄養バランスの心配を減らせるフードを3つ選びました。すべてシニア犬対応で、食いつきの良さに定評があります。
ペトコトフーズ チキン
| 対象年齢 | 全年齢対応 |
|---|---|
| 主な原材料 | 鶏肉、さつまいも、にんじん、卵、小松菜など |
| 特徴 | 国産グレインフリーヒューマングレード |
| カロリー | 130kcal/100g |
💡 こんな子におすすめ
- ドライフードの食いつきが落ちてきたシニア犬に
- 水分をあまり飲まない子に
- 手作り食に近い品質を求める飼い主さんに
新鮮な国産鶏肉を主原料に、栄養バランスを綿密に調整したフレッシュフード。手作り食の「新鮮さ」と市販フードの「栄養完全性」を両立。冷凍保存で3ヶ月保管可能。水分量が約70%と豊富で、シニア犬が自然に水分補給できます。
ココグルメ チキン
| 対象年齢 | 全年齢対応 |
|---|---|
| 主な原材料 | 鶏肉、鶏レバー、さつまいも、にんじん、小松菜など |
| 特徴 | 国産グレインフリー獣医師監修 |
| カロリー | 116kcal/100g |
💡 こんな子におすすめ
- 体重管理が必要なシニア犬に(低カロリー設計)
- 穀物アレルギーがある子に
- 小分けで使いたい飼い主さんに
国産鶏肉と新鮮野菜を低温調理で仕上げたフレッシュフード。高タンパク・低カロリー設計で体重管理にも最適。100gずつの小分けパックで必要な分だけ解凍できる利便性。グレインフリーで穀物アレルギーの心配がなく、シニア犬の胃腸にも優しい設計です。
K9ナチュラル フリーズドライ ラム・フィースト
| 対象年齢 | 全年齢対応 |
|---|---|
| 主な原材料 | ラム肉、ラムレバー、ラムハート、緑イ貝など |
| 特徴 | ニュージーランド産グレインフリー非加熱 |
| カロリー | 503kcal/100g(乾燥状態) |
💡 こんな子におすすめ
- 鶏肉アレルギーのある子に
- 食欲にムラがあるシニア犬に
- 保存の手軽さを重視する飼い主さんに
生肉の栄養価をそのまま保つフリーズドライ製法。ニュージーランドの牧草飼育ラムを使用し、内臓肉も含めた自然な栄養バランスを実現。常温保存で災害時の備蓄フードとしても最適。水で戻すと生肉に近い食感と香りが復活し、食欲にムラがあるシニア犬にも対応しやすいです。
よくある質問
Q1. 手作り食は毎日あげるべきですか?
毎日でなくても大丈夫です。週1-2回から始めて、愛犬の様子を見ながら調整しましょう。
手作り食を継続した飼い主の62%が長期的に満足していますが、一方で43%が手間を理由に中断しています。無理なく続けられる頻度を見つけるがポイントです。
おすすめの始め方:
- 1週目: 週1回(日曜日のみ)
- 2週目: 週2回(土日)
- 3週目以降: 愛犬の様子と自分の負担を見て調整
Q2. 手作り食とドライフードを混ぜても大丈夫ですか?
はい、問題ありません。むしろ「ハイブリッド給餌」として推奨されています。
ただし、1回の食事で混ぜるのではなく、食事ごとに分ける方がおすすめです:
- 朝: ドライフード
- 夜: 手作り食
これなら、ドライフードのAAFCO基準による栄養バランスも保ちつつ、手作り食のメリットも楽しめます。
Q3. シニア犬に避けるべき食材はありますか?
シニア犬に限らず、犬に与えてはいけない食材があります:
絶対NGの食材:
- チョコレート
- 玉ねぎ・ネギ類
- ぶどう・レーズン
- キシリトール(人工甘味料)
- マカダミアナッツ
シニア犬は特に注意:
- 脂肪分が多い食材(消化不良の原因に)
- 塩分が多い食材(腎臓に負担)
- 硬すぎる食材(歯や顎に負担)
Q4. 手作り食の保存方法は?
冷蔵保存(2-3日以内):
調理後、粗熱を取ってから密閉容器に入れて冷蔵庫へ。1食分ずつ小分けにしておくと便利です。
冷凍保存(2週間程度):
1食分ずつラップで包み、フリーザーバッグに入れて冷凍。使う前日に冷蔵庫で自然解凍し、温めてから与えます。
注意点:
- 再冷凍は避ける(品質低下と細菌繁殖のリスク)
- 冷凍焼けを防ぐため、2週間以内に使い切る
- 解凍後は当日中に使い切る
Q5. 栄養バランスはどうやって確認すればいいですか?
手作り食を本格的に続けるなら、獣医栄養士(ACVN Diplomate)への相談が理想です。
手作り食は獣医栄養士による処方が望ましく、栄養の専門知識、個別のカスタマイズ、医療的な配慮が得られます[7]。
獣医栄養士の見つけ方:
- ACVIM(American College of Veterinary Internal Medicine)の専門家検索
- かかりつけの動物病院で紹介してもらう
- オンライン相談サービスの利用
費用の目安:
初回相談: 2-3万円程度(レシピ作成込み)
「そこまでは...」という方は、フレッシュフードやフリーズドライを活用するのが現実的です。
Q6. シニア犬に手作り食を与える時の注意点は?
シニア犬は消化機能が衰えているため、以下の点に注意しましょう:
- 柔らかく調理する: 歯や顎の負担を減らすため、しっかり煮込む
- 少量ずつ与える: 1日2-3回に分けて消化の負担を減らす
- 温度に注意: 人肌程度に温めると香りが立ち、食いつきが良くなる
- 水分を多めに: シニア犬は水分不足になりがち
Q7. 手作り食に切り替えたら便が柔らかくなりました。大丈夫ですか?
手作り食は水分が多いため、便が柔らかくなることがあります。これは正常な反応です。
ただし、以下の場合は動物病院へ:
- 水のような下痢が続く
- 血便が出る
- 食欲がなく元気がない
- 嘔吐を伴う
手作り食を続けた健康な犬の47%で排便回数が減少したという報告があります。これは消化吸収が良くなった証拠かもしれません。
まとめ
シニア犬の手作り食には、食材の透明性、食いつき改善、飼い主さんとの絆という3つの素晴らしいメリットがあります。
一方で、栄養バランスの確保や時間・コストの問題もあるのが正直なところ。そこでおすすめなのが「ハイブリッド給餌」です。平日は栄養バランスが整った市販フード、週末や特別な日に手作り食やフレッシュフードという賢い併用法です。
この記事の重要ポイント
- 手作り食は食材の透明性と食いつき改善で優れている
- 栄養バランスの確保には獣医栄養士の助けが必要
- フレッシュフードやフリーズドライを活用すれば手作り食に近い満足感が得られる
- 週1-2回から始めて、愛犬に合ったペースを見つけよう
愛犬の健康状態、活動量、好みに合わせて、その子だけのぴったりの食事スタイルを見つけてください。まずは週末だけ、トッピングだけ、という小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。
参考文献を表示(全8件)
- Frontiers in Animal Science. "Home-prepared dog food: benefits and downsides." (2025)
- Journal of Nutritional Science. "Evaluation of the owner's perception in the use of homemade diets for the nutritional management of dogs." (2014)
- MDPI Animals. "Homemade Diet as a Paramount for Dogs' Health: A Descriptive Analysis." (2024)
- Canadian Veterinary Journal. "Determinants of pet food purchasing decisions." (2019)
- Royal Canin Academy. "Homemade diets – good or bad?"
- Cornell University College of Veterinary Medicine. "Choosing food for your senior dog."
- Preventive Vet. "How to Choose a Nutritional Senior Dog Diet." (2025)
- VETgirl. "Homemade Veterinary Diets." (2023)