小型犬のプレシニア期(7〜10歳)予防栄養ガイド|老化を遅らせるフードの選び方

小型犬のプレシニア期 予防栄養ガイド

この記事の結論

小型犬の7歳は人間の44歳相当。プレシニア期からの予防栄養が健康寿命を左右します

  • 7歳からが予防栄養の始めどき - プレシニア期(7〜10歳)は目に見える老化は少ないが、体内では代謝・免疫・筋力の低下が静かに進行する
  • カロリーは控えめ、タンパク質は維持〜やや増 - 基礎代謝の低下に合わせてカロリーを抑えつつ、筋肉量維持のために良質なタンパク質を確保[1]
  • 抗酸化成分で細胞を守る - ビタミンE・C、ポリフェノールが酸化ストレスを軽減し、老化速度を穏やかにする[4]
  • オメガ3脂肪酸で関節と脳をケア - EPA・DHAが関節の柔軟性維持と認知機能低下の予防に寄与[4]
  • 消化に優しいフードを選ぶ - 消化吸収能力の低下に合わせ、消化率の高い食材を使ったフードを選択

プレシニア期の体の変化とフード選び5つのポイントは下記をご覧ください

「うちの子、もう7歳だけど元気だし、まだシニアフードは早いかな?」──そんなふうに思っている飼い主さんは多いのではないでしょうか。

たしかに、小型犬は大型犬に比べて寿命が長く、7歳の時点ではまだまだ活発に見えることがほとんどです。しかし、体の内側では基礎代謝の低下、筋肉量の減少、免疫機能の衰えといった老化のプロセスが静かに始まっています

この「目に見えにくい老化」が進む7〜10歳の時期は「プレシニア期」と呼ばれ、栄養面での予防的なアプローチが将来の健康寿命を大きく左右します。Laflamme(2005)は、加齢に伴う栄養ニーズの変化に適切に対応することが、犬の健康維持において極めて重要であることを示しています[3]

この記事では、研究データに基づいてプレシニア期に起こる体の変化を解説し、老化を穏やかにするためのフード選びのポイントをまとめました。「何歳から切り替えるべきか」「どんな栄養素を重視すべきか」といった疑問に、エビデンスベースでお答えします。

この記事で分かること

  • プレシニア期(小型犬7〜10歳)に体内で起こる4つの変化
  • 老化を遅らせるフード選び5つの具体的なポイント
  • 成犬フードからシニアフードへの最適な切り替えタイミング
  • プレシニア期に適したおすすめフード3選

プレシニア期とは -- 成犬からシニアへの移行期

プレシニア期の定義

プレシニア期とは、成犬期(アダルト)から本格的なシニア期に移行する「中間の段階」を指します。人間で言えば40代後半〜50代前半にあたり、まだ日常生活に大きな支障はないものの、体の機能が少しずつ衰え始める時期です。

小型犬のライフステージと年齢の目安

犬のライフステージは体のサイズによって異なります。小型犬(体重10kg未満)は大型犬よりも寿命が長い傾向がありますが、プレシニア期に入る時期はおおむね以下のとおりです。

ライフステージ 小型犬の年齢目安 人間換算年齢(目安) 特徴
成犬期 1〜6歳 15〜40歳 身体機能のピーク。活動量が多く、代謝が活発
プレシニア期 7〜10歳 44〜56歳 外見上の変化は少ないが、体内では代謝・免疫・筋力が緩やかに低下
シニア期 11〜14歳 60〜72歳 老化の兆候が明確に。慢性疾患のリスクが高まる
ハイシニア期 15歳以上 76歳以上 日常的なケアが一層重要に。QOL維持が最優先

なぜプレシニア期の栄養管理が重要なのか

プレシニア期は「まだ元気に見える」ために見過ごされがちですが、この時期に適切な栄養管理を始めることで、シニア期以降の健康状態に大きな差が生まれます

Head ら(2008)の研究では、抗酸化成分を豊富に含む食事と認知的な刺激を組み合わせることで、犬の脳のミトコンドリア機能が改善し、加齢に伴う認知機能低下が緩和されたことが報告されています[4]。このことは、「老化が目に見える前から」予防的な栄養管理を始めることの意義を示す重要なエビデンスです。

シニア期の犬の栄養管理全般についてはシニア犬の食事ガイドで詳しく解説していますが、本記事ではその「手前」のプレシニア期に焦点を当てて、より早い段階から取り組める予防栄養のアプローチを紹介します。

プレシニア期に起こる体の変化

プレシニア期の犬の体内では、複数の変化が同時に進行しています。これらの変化を正しく理解することが、適切なフード選びの第一歩です。

変化1: 基礎代謝の低下

7歳を過ぎると基礎代謝が緩やかに低下し始めます。これは細胞レベルでのエネルギー産生効率が下がることに起因しており、同じ食事量・運動量でも以前より太りやすくなります。

Laflamme(2005)によれば、加齢に伴うエネルギー必要量の低下に気づかず成犬時と同じ給餌量を続けると、肥満リスクが著しく高まることが指摘されています[3]。小型犬は体が小さいぶん、わずかな体重増加でも関節や心臓への負担が大きくなるため注意が必要です。

基礎代謝低下のサイン

  • 散歩の距離や時間が同じでも疲れやすくなった
  • 食べる量は変わらないのに体重がじわじわ増加している
  • 以前より寝ている時間が長くなった
  • 動き出しが遅くなった、階段の上り下りをためらう

変化2: 消化吸収能力の低下

加齢に伴い、消化酵素の分泌量が減少し、腸管の吸収能力も低下します。これにより、同じフードを食べていても栄養素の利用効率が下がり、必要な栄養が十分に体に取り込まれなくなる可能性があります。

消化吸収能力の低下は、便の状態にも影響します。未消化のフードが増えることで軟便や便量の増加が見られることがあります。プレシニア期に入ったら、消化率の高い原材料を使用したフードを検討することが重要です。お腹の弱い小型犬のフード選びについては小型犬の消化ケアフード比較も参考にしてください。

変化3: 筋肉量の減少(サルコペニアの開始)

サルコペニア(加齢性筋肉減少症)は、プレシニア期から静かに始まります。Freeman(2012)の研究では、犬においても人間と同様にサルコペニアとカヘキシア(悪液質)が重要な臨床的課題であることが報告されています[2]

筋肉量の減少は、単に「痩せる」ということではありません。運動能力の低下、関節への負担増加、基礎代謝のさらなる低下、転倒リスクの上昇など、生活の質全体に影響を及ぼします。小型犬では特に後ろ足の筋力低下が目立ちやすく、階段の上り下りや段差の昇降をためらうようになることがあります。

筋肉量減少と体重の関係

筋肉が減って脂肪が増える「サルコペニア肥満」の状態では、体重は変わらないのに体組成が悪化していることがあります。体重だけでなく、ボディコンディションスコア(BCS)や筋肉量スコア(MCS)を定期的に確認することが大切です。

変化4: 免疫機能の低下

加齢に伴う免疫機能の低下(免疫老化)は、感染症への抵抗力の低下、腫瘍の発生リスク増加、慢性的な炎症状態の悪化につながります。

免疫細胞の機能は酸化ストレスの影響を受けやすく、Head ら(2008)の研究では、抗酸化成分を豊富に含む食事が脳のミトコンドリア機能を改善し、酸化ストレスを軽減することが示されています[4]。このことは脳だけでなく、免疫細胞を含む全身の細胞に当てはまると考えられています。

免疫力を維持するためには、抗酸化成分を意識的に摂取することと、腸内環境を整えることが重要です。腸は「最大の免疫器官」とも呼ばれ、腸内細菌叢のバランスが全身の免疫機能に影響を与えます。

プレシニア期のフード選び5つのポイント

前章で解説した体の変化を踏まえ、プレシニア期の小型犬にとって最適なフードを選ぶための5つのポイントを解説します。

ポイント1: カロリー密度をやや低めに

基礎代謝が低下するプレシニア期には、成犬用フードと同程度のカロリー密度では過剰摂取になりやすいです。シニア向けフードの多くは100gあたりのカロリーが成犬用より5〜15%程度抑えられており、同じ量を食べても摂取カロリーを適切にコントロールできます。

フードタイプ カロリー密度(目安) 特徴
成犬用(小型犬) 360〜400 kcal / 100g 活発な成犬の高いエネルギー需要に対応
シニア用(小型犬) 320〜370 kcal / 100g 代謝低下に合わせてカロリーを抑制

ただし、カロリーを減らしすぎると栄養不足に陥るリスクがあります。単純に給餌量を減らすのではなく、「カロリー密度が適度に抑えられた、栄養価の高いフード」に切り替えることが理想的です。体重管理のフード選びについては犬の体重管理フードガイドも参考にしてください。

ポイント2: タンパク質は維持〜やや増やす(筋肉量の維持)

「シニアになったらタンパク質を減らすべき」と考える方は多いですが、これは腎臓や肝臓に疾患がある場合の話であり、健康なプレシニア期の犬には当てはまりません

NRC(2006)の「Nutrient Requirements of Dogs and Cats」では、健康な高齢犬のタンパク質必要量は成犬と同等以上とされています[1]。サルコペニア予防のためには、良質なタンパク質をしっかり摂取し、筋肉の合成を維持することが重要です。

プレシニア期のタンパク質選びのポイント

  • 乾物ベースで25%以上のタンパク質含有量を目安に選ぶ
  • 動物性タンパク質(鶏肉、魚、ラム肉など)が主原料のフードを選ぶ -- 必須アミノ酸のバランスが優れている
  • 消化率の高いタンパク源を選ぶ -- 消化吸収能力の低下を補える
  • 腎臓・肝臓に問題がある場合は、必ずかかりつけの動物病院に相談してタンパク質量を調整する

タンパク質の質と量の考え方についてはドッグフードのタンパク質比較ガイドで詳しく解説しています。

ポイント3: 抗酸化成分(ビタミンE・C、ポリフェノール)

酸化ストレスは老化の主要な原因の一つです。体内で発生する活性酸素種(ROS)は、細胞膜、DNA、タンパク質を損傷し、組織の機能低下を引き起こします。加齢に伴って抗酸化防御機能が低下するため、食事からの抗酸化成分の補給がより重要になります。

Head ら(2008)は、抗酸化成分を強化した食事が犬の脳のミトコンドリア機能を改善し、酸化ダメージを軽減したことを報告しています[4]。この研究は行動的な刺激と栄養の相乗効果も示しており、散歩や遊びと良い食事の組み合わせがプレシニア期の健康維持に効果的であることを示唆しています。

注目すべき抗酸化成分

  • ビタミンE(トコフェロール):細胞膜の脂質酸化を防ぐ。多くのシニア向けフードに強化配合されている
  • ビタミンC(アスコルビン酸):水溶性の抗酸化物質。ビタミンEの再生にも関与する
  • ポリフェノール:ブルーベリー、クランベリーなどの果実やほうれん草に含まれる植物由来の抗酸化成分
  • セレン:抗酸化酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ)の構成成分として酸化ストレス防御に関与
  • ベータカロテン:免疫機能のサポートにも寄与するカロテノイド系抗酸化成分

ポイント4: オメガ3脂肪酸(関節・脳の健康)

EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、魚油に豊富に含まれるオメガ3系脂肪酸です。プレシニア期の犬にとって、以下の点で特に重要な栄養素です。

関節の健康維持

小型犬はパテラ(膝蓋骨脱臼)をはじめとする関節トラブルが多い傾向にあります。EPAには炎症性サイトカインの産生を抑制する作用があり、関節の炎症を穏やかにする働きがあるとされています。プレシニア期から関節をケアすることで、シニア期以降の運動機能維持につながります。関節ケアフードの選び方は小型犬の関節ケアフードガイドで詳しく紹介しています。

脳の健康維持(認知機能低下の予防)

DHAは脳の構成脂肪酸の主要成分であり、認知機能の維持に重要な役割を果たします。Head ら(2008)の研究では、抗酸化成分とともにオメガ3脂肪酸を含む食事が犬の脳の健康維持に寄与することが示唆されています[4]

オメガ3脂肪酸の摂取源

  • 魚油(サーモンオイル、フィッシュオイル):EPA・DHAが豊富。最も効率的な摂取源
  • 魚(サーモン、イワシ、サバなど)が主原料のフード:原材料由来のオメガ3が含まれる
  • 亜麻仁油:ALA(アルファリノレン酸)を含むが、犬の体内でのEPA・DHAへの変換率は低い

ポイント:フードの成分表でオメガ3脂肪酸の含有量をチェックし、乾物ベースで0.5%以上が含まれるものを選ぶと良いでしょう。

ポイント5: 消化の良い食材

プレシニア期は消化吸収能力が低下し始めるため、消化率の高い原材料を使用したフードを選ぶことが重要です。消化に優しいフードは、少ない量でも効率的に栄養を吸収でき、胃腸への負担も軽減されます。

消化が良いフードの特徴

  • 主原料が明確な動物性タンパク質:「チキン」「サーモン」など具体的な原材料名が記載されている
  • 消化率の高い炭水化物源:白米、オートミール、さつまいもなど
  • 適度な食物繊維:腸内環境を整え、便の質を改善する。ビートパルプ、チコリ根(イヌリン)など
  • プロバイオティクス・プレバイオティクス配合:腸内の善玉菌をサポートし、消化吸収を助ける

原材料表示の読み方に自信がない方はドッグフードの原材料表示の読み方ガイドを先にご確認ください。

成犬フードからシニアフードへの切り替えタイミング

「7歳になったらすぐにシニアフードに切り替えるべき?」という質問をよく見かけますが、答えは「一律ではない」です。犬によって老化の進み方は個体差が大きいため、年齢だけで判断するのではなく、以下のポイントを総合的に見て判断しましょう。

切り替えを検討すべきサイン

以下のサインが2つ以上当てはまったら検討を

  • 体重が増加傾向にある(食事量・運動量は変わらないのに)
  • 散歩の途中で座り込む、帰りたがる頻度が増えた
  • 被毛の艶が落ちた、白髪が目立つようになった
  • 便の状態が以前より安定しない(軟便、便量の増加)
  • 寝起きの動き出しが遅い、関節を気にする仕草がある
  • 以前ほどフードへの食いつきが良くない
  • 定期健診で血液検査の数値に変化が出始めた

切り替えの進め方

フードの切り替えは7〜14日かけて段階的に行います。急な変更は消化器トラブル(下痢、嘔吐)の原因になるため、以下のスケジュールを目安にしてください。

期間 新しいフードの割合 今までのフードの割合 チェックポイント
1〜2日目 25% 75% 食いつき、便の状態を観察
3〜4日目 50% 50% 便の硬さ・回数に異常がないか確認
5〜6日目 75% 25% 消化が安定しているか確認
7日目以降 100% 0% 完全に切り替え完了。2週間後に体重を測定

お腹が敏感な犬の場合は、さらにゆっくり14日間かけて切り替えると安心です。フードの切り替え方のより詳しい解説はドッグフードの切り替え方ガイドをご覧ください。

切り替えの際に注意したいこと

  • 給餌量の再計算:シニア向けフードはカロリー密度が異なるため、パッケージ記載の推奨給餌量を基準に体重に合わせて調整する
  • 体重のモニタリング:切り替え後2〜4週間は週1回の体重測定を推奨。急激な増減がある場合は量を調整する
  • 定期健診との連携:7歳以降は年2回の定期健診(血液検査含む)が推奨される。検査結果を踏まえたフード選びが理想的

プレシニア期の小型犬におすすめのフード3選

ここでは、前章で解説した5つのポイント(適度なカロリー、良質なタンパク質、抗酸化成分、オメガ3脂肪酸、消化の良さ)を満たすフードを3つ紹介します。愛犬の好みや体調に合わせて選んでください。

ロイヤルカナン ミニ エイジング 12+ 小型犬 高齢犬用

ロイヤルカナン ミニ エイジング 小型犬高齢犬用
対象12歳以上の小型犬(プレシニア期からの使用も可能)
主原料肉類(鶏、七面鳥)、米、小麦
成分タンパク質26.0% / 脂質14.0% / カロリー366kcal/100g
特徴小型犬専用設計抗酸化成分配合消化しやすい粒

おすすめポイント

  • 独自の抗酸化物質ブレンド(ビタミンE、ビタミンC、ルテイン、タウリン)を配合し、細胞の酸化ストレスを軽減
  • 小型犬の小さな顎に合わせた粒設計で、噛みやすく消化しやすい
  • EPA・DHAを配合し、関節と脳の健康をサポート

ヒルズ サイエンス・ダイエット シニアアドバンスド 小型犬用 13歳以上

ヒルズ サイエンス・ダイエット シニアアドバンスド 小型犬用
対象13歳以上の小型犬(プレシニア期からの予防的使用にも)
主原料トリ肉(チキン、ターキー)、小麦、トウモロコシ
成分タンパク質21.8% / 脂質13.5% / カロリー363kcal/100g
特徴ビタミンE・C強化オメガ3配合高品質タンパク質

おすすめポイント

  • ビタミンEとビタミンCが強化配合されており、抗酸化サポートに優れる
  • 高品質な動物性タンパク質で筋肉量の維持をサポート
  • オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスに配慮し、皮膚・被毛の健康も維持

ニュートロ シュプレモ エイジングケア 小型犬用

ニュートロ シュプレモ エイジングケア 小型犬用
対象エイジングケアが必要な小型犬
主原料チキン(肉)、チキンミール、玄米
成分タンパク質27.0% / 脂質14.0% / カロリー350kcal/100g
特徴高タンパク自然由来の抗酸化成分消化が良い

おすすめポイント

  • チキンが第一原材料で、タンパク質27.0%と高タンパク。筋肉量維持に適している
  • ケール、ブルーベリーなど自然由来の抗酸化成分を配合
  • 玄米・オートミールなど消化率の高い炭水化物源を使用。フィッシュオイル配合でオメガ3も補給

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よくある質問

小型犬のシニアフードへの切り替えは何歳からが適切ですか?

小型犬の場合、7歳頃からプレシニア期に入ります。ただし、一律に7歳で切り替えるのではなく、体重の変化、活動量の低下、被毛の質の変化などの老化サインを観察しながら、7〜10歳の間で段階的にシニア向けフードへ移行するのが理想的です。定期的な健康診断の結果も参考に、かかりつけの動物病院と相談して切り替え時期を決めましょう。フード切り替えの詳しい方法はドッグフードの切り替え方ガイドをご覧ください。

プレシニア期の小型犬にはタンパク質を減らすべきですか?

いいえ、プレシニア期にタンパク質を過度に減らすことは推奨されません。加齢に伴い筋肉量が減少しやすくなる(サルコペニア)ため、良質なタンパク質を維持またはやや増やすことが重要です[1]。腎臓や肝臓に問題がない限り、乾物ベースで25%以上の高品質タンパク質を含むフードを選びましょう。ただし、持病がある場合はかかりつけの動物病院に相談して適切なタンパク質量を決めてください。

プレシニア期に特に摂りたい栄養素は何ですか?

プレシニア期に積極的に摂りたい栄養素は、抗酸化成分(ビタミンE、ビタミンC、ポリフェノール)、オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)、良質なタンパク質、そして消化を助ける食物繊維です。抗酸化成分は細胞の酸化ストレスを軽減し老化に配慮した栄養素であり[4]、オメガ3脂肪酸は関節や脳の健康維持に寄与します。これらの栄養素がバランスよく配合されたシニア向けフードを選ぶことが予防栄養の基本です。

プレシニア期の小型犬の適切な給餌量はどのくらいですか?

プレシニア期は基礎代謝が低下し始めるため、成犬期の給餌量から10〜20%程度減らすのが目安です[3]。ただし、体重・体型(BCS: ボディコンディションスコア)を定期的にチェックしながら調整することが大切です。肋骨が軽く触れる程度(BCS 4〜5/9)が理想的な体型です。フードのパッケージに記載された給餌量はあくまで目安なので、愛犬の個体差に合わせて調整してください。給餌量の計算方法は小型犬の給餌量計算ガイドも参考にしてください。

まとめ

小型犬のプレシニア期(7〜10歳)は、「まだ元気に見える」けれど体の内側では老化が静かに進行している重要な時期です。この時期に適切な予防栄養を始めることが、シニア期以降の健康寿命を延ばすカギとなります。

フード選びの5つのポイントをまとめると、(1) カロリー密度をやや低めに、(2) タンパク質は維持〜やや増やして筋肉量を守る、(3) 抗酸化成分で細胞を守る、(4) オメガ3脂肪酸で関節と脳をケア、(5) 消化の良い食材を選ぶことです[1][3]

フードの切り替えは年齢だけで一律に判断するのではなく、愛犬の体の変化をよく観察し、定期健診の結果と合わせて判断しましょう。切り替える際は7〜14日かけて段階的に移行し、体重と便の状態をモニタリングすることが大切です。

WANPAKUでは、研究データに基づくエビデンスベースの情報提供を心がけています。愛犬のプレシニア期を健やかに過ごすために、この記事の情報をフード選びの参考にしていただければ幸いです。

参考文献を表示(全4件)
  1. National Research Council (NRC). "Nutrient Requirements of Dogs and Cats." Washington, DC: National Academies Press; 2006.
  2. Freeman LM. "Cachexia and sarcopenia: emerging syndromes of importance in dogs and cats." J Vet Intern Med. 2012;26(1):3-17. doi:10.1111/j.1939-1676.2011.00838.x
  3. Laflamme DP. "Nutrition for aging cats and dogs and the importance of body condition." Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2005;35(3):713-742.
  4. Head E, Pop V, Sarsoza F, et al. "Effects of age, dietary, and behavioral enrichment on brain mitochondria in a canine model." Exp Neurol. 2008;211(1):249-257. doi:10.1016/j.expneurol.2007.12.012

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