「うちの子には、どれくらいフードをあげればいいんだろう?」そんな疑問を抱えていませんか?
パッケージに書いてある給餌量目安を見ても、愛犬の年齢や運動量によって最適な量は大きく変わってきます。同じ体重でも、子犬と成犬では必要なカロリーが全然違います。
特に子犬からシニア期への移行時期は、給餌量の調整が健康維持の鍵になります。「なんとなく」で続けていると、気づかないうちに太りすぎたり、逆に栄養不足になってしまうことも...。
この記事では、小型犬のライフステージ別の給餌量計算方法と、体重・年齢・運動量を入力するだけで適正量がわかる自動計算ツールをご用意しました。ぜひ愛犬の健康管理にお役立てください。
小型犬のライフステージとは?
ライフステージの3つの区分
小型犬のライフステージは、成長段階と栄養ニーズに基づいて3つに分けられます。[3]
| ライフステージ | 年齢 | 特徴 |
|---|---|---|
| 子犬期(Puppy) | 1歳未満 | 急速な成長期、高エネルギー必要 |
| 成犬期(Adult) | 1〜6歳 | 維持期、安定したエネルギー必要 |
| シニア期(Senior) | 7歳以上 | 代謝低下、低カロリー推奨 |
💡 補足情報
小型犬は約10ヶ月齢で成長が完了しますが、大型犬は最大24ヶ月齢まで成長が続きます。そのため、小型犬は1歳で成犬用フードへの切り替えが適切です。
なぜライフステージで給餌量が変わるのか
ライフステージごとに必要なエネルギー量が異なるのは、体の成長や代謝速度が変化するためです。[4]
子犬期は体重を40〜50倍に増やす急成長期。骨格形成や筋肉発達のため、成犬の約2倍のエネルギーが必要です。
成犬期は体重維持が中心。活動量に応じた適切なカロリー管理が肥満予防の鍵になります。
シニア期は筋肉量の減少と代謝の低下により、成犬期より10〜20%少ないカロリーで十分です。
📊 実際のデータから(2025年9月〜2026年1月のデータ、n=1,608)
実際のデータによると、子犬期の飼い主さんの最も多い悩みは「涙やけ」(39.2%)と「皮膚・被毛」(36.3%)でした。一方、成犬期では「皮膚・被毛」(46.9%)と「体重管理」(44.2%)、シニア期では「関節」(43.6%)と「皮膚・被毛」(42.2%)が上位を占めています。
年齢によって必要な栄養バランスが変わることが、データからも裏付けられています。
| ライフステージ | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 子犬期(n=579) | 涙やけ (39.2%) |
皮膚・被毛 (36.3%) |
食欲不振 (31.6%) |
| 成犬期(n=678) | 皮膚・被毛 (46.9%) |
体重管理 (44.2%) |
涙やけ (39.1%) |
| シニア期(n=351) | 関節 (43.6%) |
皮膚・被毛 (42.2%) |
体重管理 (35.9%) |
給餌量はどうやって計算するの?
給餌量の計算は、実は3つのステップで行えます。まず基礎となる安静時エネルギー要求量(RER)を計算して、ライフステージや活動量に応じた係数をかけて1日エネルギー要求量(DER)を求めます。最後にフードのカロリー密度で割れば、給餌量(g)に変換できます。
RER(安静時エネルギー要求量)とは
RERは、わんちゃんが何もせず安静にしている状態で必要な最低限のエネルギー量のこと。体重から以下の式で計算できます。[2][4]
RER = 70 × (体重kg)0.75
計算例: 体重3kgの小型犬の場合
RER = 70 × 30.75 ≈ 70 × 2.28 ≈ 160 kcal/日
DER(1日エネルギー要求量)の計算
RERに、ライフステージと活動量に応じた係数をかけてDERを算出しましょう。[2]
| 状態 | 係数 |
|---|---|
| 子犬期(4ヶ月未満) | 3.0 |
| 子犬期(4〜12ヶ月) | 2.0 |
| 成犬・避妊去勢済み | 1.6 |
| 成犬・未避妊去勢 | 1.8 |
| 成犬・活動的 | 2.0〜5.0 |
| シニア期 | 1.4 |
計算例: 体重3kg、避妊済み成犬の場合
DER = 160 kcal × 1.6 = 256 kcal/日
実際の給餌量(g)への変換
DERをフードのカロリー密度で割れば、1日に必要なフードのグラム数がわかります。
給餌量(g) = DER(kcal) ÷ フードのカロリー密度(kcal/100g) × 100
計算例: カロリー密度375kcal/100gのフードの場合
給餌量 = 256 kcal ÷ 375 kcal/100g × 100 = 約68g/日
運動量による調整
同じ体重・年齢でも、運動量によって必要カロリーは変わってきます。愛犬の普段の活動量をチェックしてみてください。
| 運動量 | 1日の活動内容 | 調整係数 |
|---|---|---|
| 低 | 室内中心、散歩なしまたは短時間 | ×0.8 |
| やや低 | 散歩15分程度 | ×0.9 |
| 中 | 散歩30分程度 | ×1.0 |
| やや高 | 散歩1時間程度 | ×1.2 |
| 高 | 活発な運動、ドッグスポーツ | ×1.5〜2.0 |
⚠️ 注意
これらの計算式はあくまで目安です。個体差により実際の必要量は計算値の±50%の範囲で変動することがあります。[3]体重の増減を観察しながら、愛犬一頭一頭に合わせて調整してあげてください。
【自動計算ツール】愛犬の適正給餌量を診断
「計算は難しそう...」と思った方もご安心ください。以下のツールに愛犬の情報を入力するだけで、適正な給餌量が自動で計算されます。
ライフステージ別の給餌ガイド
子犬期(1歳未満)の給餌
子犬期は生涯で最も成長が早く、栄養需要が高い時期。この時期の食事はとても大切です。子犬用フードへの切り替え時期についても、ぜひ確認しておきましょう。
📊 子犬期の実態(2025年9月〜2026年1月のデータ、n=579)
診断データでは、「散歩1時間程度」が29.9%と最も多く、「散歩30分程度」も27.1%いました。子犬期は好奇心旺盛で活発な時期なので、適度な運動を取り入れている飼い主さんが多いようです。
また、飼い主さんの悩みとして「涙やけ」(39.2%)と「皮膚・被毛」(36.3%)が上位を占めており、成長期特有の体質変化への関心が高いことがわかります。
必要な栄養素
- タンパク質: 22%以上(AAFCO基準)[1]
- 脂質: 8%以上
- カルシウム・リン: 骨格形成に重要
- DHA・EPA: 脳と目の発達をサポート
給餌回数
子犬の胃は小さいため、1日3〜4回に分けて与えます。
- 生後2〜4ヶ月: 1日4回
- 生後4〜6ヶ月: 1日3回
- 生後6〜12ヶ月: 1日2〜3回
⚠️ 注意点
過度な成長速度は骨格異常のリスクを高めます。ふっくらし過ぎず、肋骨が軽く触れる程度の体型を維持しましょう。
成犬期(2〜6歳)の給餌
成犬期は体重維持が目標になります。活動量に応じた適切なカロリー管理がポイントです。
📊 成犬期の実態(2025年9月〜2026年1月のデータ、n=678)
診断データでは、「散歩30分程度」が最も多く41.9%、次いで「散歩1時間程度」が26.8%でした。適度な運動を取り入れている飼い主さんが多いことがわかります。
一方で、「体重管理」(44.2%)が最も多い悩みとなっており、肥満予防への意識の高さが伺えます。「皮膚・被毛」(46.9%)、「涙やけ」(39.1%)も上位に入っています。
必要な栄養素
- タンパク質: 18%以上(AAFCO基準)[1]
- 脂質: 5〜15%(活動量による)
- 繊維質: 消化と満腹感のサポート
給餌回数
1日2回が基本です。朝夕の決まった時間に与えることで、消化リズムが安定します。
体重管理のポイント
- 週1回の体重測定を習慣化
- 肋骨が触れる、腰にくびれがある状態を維持[3]
- おやつは1日総カロリーの10%以内に
💡 避妊・去勢後の調整
避妊・去勢手術後は代謝が変化し、20〜30%カロリーが少なくても体重維持できます。手術後は給餌量を徐々に減らし、体重の変化を観察しながら調整しましょう。
シニア期(7歳以上)の給餌
シニア期になると筋肉量が減り、脂肪が増えやすくなってきます。カロリー調整と栄養バランスの見直しを意識してあげましょう(シニア犬の栄養ガイドも参考にしてください)。[5]
📊 シニア期の実態(2025年9月〜2026年1月のデータ、n=351)
診断データでは、「散歩30分程度」が32.2%と最も多く、「散歩1時間程度」も22.5%いました。シニア期でも適度な運動を続けている飼い主さんが多いようです。
ただし、「関節」(43.6%)が最も多い悩みとなっており、「皮膚・被毛」(42.2%)、「アレルギー」(35.3%)が続いています。加齢に伴う体の変化への配慮が必要な時期であることが分かります。
必要な栄養素
- タンパク質: 筋肉維持のため質の高いものを
- 脂質: 低め(肥満予防)
- 繊維質: 消化機能のサポート
- 関節サポート成分: グルコサミン、コンドロイチン
カロリー調整
成犬期より10〜20%少ないカロリーで十分です。ただし、食欲低下や体重減少が見られる場合は、獣医師に相談してください。
健康維持のポイント
- 消化しやすいフードを選ぶ
- 水分摂取量の確保(ドライフードにぬるま湯を加えるのも有効)
- 定期的な健康チェック(年2回推奨)
給餌量の調整が必要なのはどんなとき?
避妊・去勢後の調整
避妊・去勢手術は肥満リスクを2倍に高めることがあります。ホルモンバランスの変化により、以前と同じ量では太りやすくなるので注意が必要です。
📅 手術後の給餌量調整プラン
- 手術直後〜1週間: 通常量の80%に減量
- 2〜4週間: 体重を週1回測定、増加傾向なら70%まで減量
- 1ヶ月後〜: 体重が安定する量を見つけて維持
活動量の変化
散歩時間の変更、引越し、季節による運動量の変化に応じて給餌量を調整しましょう。
活動量が増えた場合: 10〜20%増量し、2週間後に体重確認
活動量が減った場合: 10〜20%減量し、2週間後に体重確認
体重の増減が見られる場合
理想体重から5%以上の増減があれば要注意です。早めに対処しましょう。
体重が増加している
- 給餌量を10%減らす
- おやつを半分に減らす
- 運動量を増やす(散歩時間+10分)
体重が減少している
- 給餌量を10%増やす
- 食欲低下がある場合は獣医師に相談
- ストレスや病気の可能性を確認
⚠️ 受診推奨
以下の場合は早めに獣医師に相談してください: 急激な体重変化(1週間で5%以上)、食欲不振が3日以上続く、嘔吐や下痢を伴う体重減少。
よくある質問
Q1. フードを切り替えるタイミングは?
小型犬は1歳で成犬用フードへ、7歳でシニア用フードへの切り替えが目安です。ただし、避妊・去勢の時期や健康状態によって前後することがあります。切り替えは7〜10日かけて徐々に行い、消化器への負担を減らしましょう。
Q2. 給餌量を守っても太る場合は?
計算式はあくまで目安で、個体差により±50%の変動があります。太る場合は10%ずつ給餌量を減らし、2週間ごとに体重をチェックしてください。また、おやつの量や家族からの「ちょっとだけ」も見直しましょう。
Q3. パッケージの給餌量目安と違う場合は?
パッケージの目安は平均的な犬を想定しています。愛犬の活動量、避妊去勢の有無、代謝の個体差により、実際に必要な量は異なります。体重と体型(肋骨が触れるか、腰にくびれがあるか)を基準に調整してください。
Q4. おやつのカロリーはどう計算する?
おやつは1日の総カロリーの10%以内に収めます。例えば1日256kcal必要な犬なら、おやつは25kcal以内です。おやつを与えた分、主食を減らしてバランスを取りましょう。
Q5. 水はどのくらい必要?
犬は1日に体重1kgあたり50〜60mlの水が必要です。体重3kgなら150〜180ml程度。夏場や運動後はさらに多く必要になります。常に新鮮な水を用意し、飲水量が急に増減した場合は獣医師に相談してください。
まとめ: 愛犬に合った給餌量を見つけよう
給餌量の基本は、体重・ライフステージ・活動量の3要素から計算できます。ただし、計算式はあくまでスタートライン。愛犬の体型と体重の変化を観察しながら、その子だけの最適量を見つけることが大切です。
子犬期は成長をサポートする十分なエネルギーを、成犬期は肥満予防を意識した適正量を、シニア期は健康維持に配慮した控えめな量を心がけましょう。
まずは自動計算ツールで目安量を確認し、2週間ごとに体重をチェックしながら微調整してみてください。
参考文献を表示(全5件)
- Association of American Feed Control Officials (AAFCO). "Understanding Pet Food." 栄養基準と給餌ガイドライン.
- VCA Animal Hospitals. "Nutrition - General Feeding Guidelines for Dogs." RER/DER計算方法の解説.
- World Small Animal Veterinary Association (WSAVA). "Global Nutrition Guidelines." 国際的な栄養ガイドライン.
- National Research Council (NRC). "Nutrient Requirements of Dogs and Cats." (2006). エネルギー要求量の科学的根拠.
- American Kennel Club (AKC). "How Much Should I Feed My Dog?" 犬種別給餌ガイド.