帰ったら、足は何から手入れする?
散歩から帰ったとき、足をどこまで拭けばいいのか迷いますよね。
「汚れを落とす→乾かす→見る」の 3 つを毎回の手順にしましょう。 草むらを歩いた日は、最後に体のダニも探します。慣れれば、玄関で数分のうちに済みます。
STEP1 汚れを落とす
ぬるま湯でぬらして、かたく絞ったタオルで足先を包むように拭きましょう。 指を 1 本ずつ広げて、間に入った砂や草の実も取ります。
泥がひどい日や雨の日は、足先だけを洗面器のぬるま湯につけて洗います。洗剤は泥が落ちないときだけにして、使ったときはぬめりがなくなるまですすぎましょう。
STEP2 指の間まで乾かす
乾いたタオルで、指の間を 1 本ずつはさむように水気をとりましょう。 肉球の表面が乾いていても、指の間にある毛の根元はぬれたままのことがよくあります。
足先の毛が長い犬は、タオルだけでは乾きにくいものです。ドライヤーを使うときは、弱い温風か冷風にして、手で温度を確かめながら離して当てましょう。
指の間を指でさわって、しっとりしていなければ乾いています。
STEP3 肉球と指の間を見る
指を広げて、肉球と指の間をのぞきましょう。 見るのは、赤み・腫れ・傷・刺さった草の実です。毎日見ていると、いつもとの違いに気づきやすくなります。
あわせて、爪が伸びすぎていないか、割れていないかも見ておきます。爪の切り方は爪切りの手順の記事にまとめています。
草むらを歩いた日は、体のダニを探す
草むらや河原、山道を歩いた日は、体をなでながらダニを探しましょう[2]。 ダニは、皮膚に頭を入れて血を吸い、ふくらんでいきます。
毛をかき分けて、黒っぽい粒がついていないかを見ます。目の細かいくしでとかすのも役に立ちます[2]。
探す場所は、顔のまわり・耳・首・脇の下・お腹・足の指の間です。見つけたときは、ダニを見つけたらを見てください。
指の間がぬれたままだとどうなる?
指の間は、もともと温かく湿りやすく、皮膚の菌が多い場所です[3]。 足の形によって指の間がこすれて湿り、皮膚がふやけると、おできのきっかけになることがあります[4]。
- カビの仲間が増えることがある
マラセチアは、もともと犬の皮膚にいるカビの仲間(酵母)です[5]。温かく湿った環境では増えすぎて、皮膚炎の原因になることがあります[5]。指の間の皮膚炎では、指の間のマラセチアが増えていると報告されています[6]。 - 指の間におできができることがある
指の間に菌が入ると、赤くはれたおできになる場合があります[7]。ぶつぶつした赤みから始まり、紫がかった赤いしこりに変わることもあります[7]。
足の裏の毛が長い犬や、足先をよくなめる犬は、指の間が乾きにくくなります。とくに丁寧に乾かしてあげましょう。
毎回シャンプーで洗ったほうがいい?
毎回シャンプーで洗う必要はありません。 汚れが少ない日は、ぬらしたタオルで拭くだけでかまいません。
| その日の足の汚れ | すること |
|---|---|
| 乾いた道を歩いた・ほこりがつく程度 | ぬらしたタオルで拭いて、乾いたタオルで仕上げる |
| 雨でぬれた・泥がはねた | 足先だけぬるま湯で洗い、指の間まで乾かす |
| 泥がこびりついて、湯だけでは落ちない | 犬用のシャンプーを少し使い、よくすすいで乾かす |
| 融雪剤をまいた道を歩いた | 帰ったらすぐ、ぬらしたタオルで拭く(季節の節) |
洗剤で洗う回数が増えるほど、すすぎ残しや乾かし残しも増えやすくなります。洗う日を絞って、乾かすことに時間をかけましょう。
全身のシャンプーの回数は、シャンプーの頻度の記事を参考にしてください。
季節ごとに気をつけることは?
足が傷みやすい原因は、季節ごとに違います。 夏の散歩の時間帯は、散歩の時間と回数の記事で確かめられます。肉球のやけどや乾燥、梅雨の乾かし残しの手入れは、肉球のケアの記事にまとめています。
冬は融雪剤
道にまく融雪剤は、肉球を荒らす原因になります[1]。 荒れたり、ひびが入ったり、血が出たりすることもあります[1]。
帰ったらすぐ、ぬらしたタオルで足を拭きましょう[1]。きれいになるまでは、足をなめさせないようにします[1]。
融雪剤を口に入れると、吐いたりお腹をこわしたりすることがあります[1]。たくさんなめたときは、動物病院に相談しましょう。
春〜秋は草むら
草むらでは、とがった草の実が指の間に刺さることがあります。 草むらを歩いた日は、STEP3 で指の間を念入りに見ましょう。
ダニの予防薬を使う時期は、予防カレンダーの記事にまとめています。
どんなときに動物病院へ行く?
指の間の赤みや、足をなめ続ける様子は、皮膚炎のサインのことがあります。 次のどれかに当てはまるときは、動物病院で診てもらいましょう。
- 指の間が赤い・腫れている・ぶつぶつがある[7]
- 足をなめ続ける・かむ[7]
- 足を引きずる・地面につけたがらない[7]
- 指の間の 1 か所だけが丸く腫れて、痛がる(草の実が刺さっていることがあり、前足によく見られます)[4]
- 肉球が赤い・皮がむけている・ひびから血が出ている
このようなときは、動物病院を受診してください。
前足に症状が出るのは、皮膚のアレルギー(アトピー性皮膚炎)でよく見られる特徴のひとつです[8]。
受診するときは、いつから・どの足を・どのくらいなめているかを伝えましょう。赤くなった指の間をスマートフォンで撮っておくと、日ごとの変化を伝えられます。
ダニを見つけたらどうする?
ダニが皮膚にしっかり食い込んでいるときは、無理に取らず、動物病院で取ってもらいましょう[2][9]。 力まかせに取ってダニの口が皮膚に残ると、そこが化膿することがあります[10]。
ダニは、犬だけでなく人にもうつる病気を運ぶことがあります[2]。ペットについたダニの駆除は、かかりつけの獣医師に相談しましょう[2]。
よくある質問
Q. ウェットティッシュで拭いてもいい?
かまいません。散歩の途中や、玄関でさっと拭きたいときに便利です。拭いた後は、乾いたタオルで指の間の水気もとりましょう。
Q. 足拭きを嫌がるときは?
1 本の足を拭いたら、おやつを 1 つあげましょう。抱っこで嫌がる子は、立ったまま後ろから足を 1 本ずつ持ち上げると落ち着くこともあります。
Q. 足の裏の毛は切ったほうがいい?
肉球にかかるほど伸びた毛は、すべりやすく、乾きにくくなります。肉球からはみ出す分を短くそろえましょう。
自分で切るのが不安なときは、トリミングのときに頼むと安心です。
まとめ:毎日の 3 つの手順で、足の変化に早く気づく
参考文献を表示(全10件)
- ASPCA. Keeping Pets Safe during Winter: The Dangers of Ice Melts. 2018.
- 厚生労働省. 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A(第9版・Q7・Q20). 2026.
- Merck Veterinary Manual. Pyoderma in Dogs and Cats. 2025.
- Moriello KA. Interdigital Furunculosis in Dogs. Merck Veterinary Manual. 2024.
- Domán M, Első D, Pintér K, Wehmann E, Fehér E, Magyar T. Antifungal Susceptibility of Malassezia pachydermatis Isolates from Companion Animals and Genomic Insights into Resistance Mechanisms. Antibiotics (Basel). 2025;14(9):902.
- Díaz L, Castellá G, Bragulat MR, Paytuví-Gallart A, Sanseverino W, Cabañes FJ. Study of the variation of the Malassezia load in the interdigital fold of dogs with pododermatitis. Vet Res Commun. 2023;47:385-396.
- Merck Veterinary Manual (Dog Owners). Abscesses Between the Toes (Interdigital Furunculosis) in Dogs. 2018 (last updated 2024).
- Hensel P, Santoro D, Favrot C, Hill P, Griffin C. Canine atopic dermatitis: detailed guidelines for diagnosis and allergen identification. BMC Vet Res. 2015;11:196.
- 福岡県. 犬猫からの重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス感染を予防しましょう! 2025.
- ESCCAP. Guideline 03: Control of Ectoparasites in Dogs and Cats. 7th ed. 2022.