犬の散歩の時間と回数の目安(年齢・体格・季節別)

朝の並木道を散歩する柴犬

犬の散歩は、体を動かすだけでなく、外のにおいや音にふれて気分を変える時間でもあります。ちょうどよい長さと回数は、年齢と体格、その日の天気で変わります。

この記事をお読みいただく前に

  • この記事は、愛犬の散歩を考えるための参考情報です。
  • 病気の診断・治療は必ず獣医師にご相談ください。

🚨 すぐに動物病院へ連絡してほしいとき

  • 散歩中や帰った後に、ハアハアと激しくあえぎ続ける・よだれが多い・吐く・ふらつく・倒れ込む[1]
  • 体が熱く、意識がぼんやりしている・呼吸が苦しそう[1]
  • 吐こうとしているのに何も出ず、お腹がふくらんでくる(とくに胸の深い大型犬)[2]

熱中症が疑われるときは、すぐ涼しい場所へ移し、お腹を中心に水でぬらしたタオルなどで冷やしてください。冷たい水に体ごと沈めるのは避けます[1]。

このようなときは、動物病院を受診してください。

この記事の結論

散歩の長さは、年齢と体格で決めて、その日の天気と愛犬の様子で短くしましょう。

  • 成犬は、体格ごとの早見表から 1 日の合計を決めましょう。チワワのような超小型犬なら、朝夕に分けて合計 30 分までが目安です。
  • 子犬は、ワクチンが終わってから地面を歩く散歩を始めます。それまでは抱っこで外の音やにおいに慣らしましょう。
  • シニア犬は、1 回を短くして、回数を分けて歩きましょう。
  • 夏は、早朝か夜の涼しい時間に歩きます。出かける前に手を路面に 10 秒当てて、熱ければ時間をずらしましょう。
  • 散歩の途中で座り込む・足を引きずる・咳が出るときは、その日は切り上げて、早めに相談したいサインを確かめましょう。
  • ごはんの直後は、少し休んでから歩きましょう。とくに大型犬は、食事の前後に激しく動かさないよう勧められています[2]。
目次
  1. 1日に何分・何回歩けばいい?
  2. 散歩を減らしたほうがいいサインは?
  3. 夏・冬・雨の日の散歩はどうする?
  4. 散歩とごはん、どちらが先?
  5. においを嗅ぐ時間は必要?
  6. よくある質問
  7. まとめ
  8. 参考文献

1日に何分・何回歩けばいい?

「うちの子は、この散歩の長さで足りているのかな」と気になりますよね。

1 日の合計の長さは、体格と犬種の活発さで決まります。 回数は朝と夕方の 2 回を基本にして、合計の時間を分けましょう。

チワワ・トイプードル・柴犬・ラブラドールが並び、時計の絵で1日の散歩の合計時間(30分まで・1時間まで・1時間まで・2時間以上)を示した図
成犬の1日の散歩の合計は、体格と犬種の活発さで変わります。

成犬(1〜7歳ごろ)の1日の目安

体格が小さい犬ほど、短い時間で満足しやすい傾向があります。愛犬に近い行を見て、1 日の合計を決めましょう。

体格・犬種の傾向犬種の例1日の合計回数
超小型犬チワワ・ポメラニアン30 分まで朝夕 2 回
小型〜中型犬トイプードル・ミニチュアダックスフンド・キャバリア・柴犬・ジャックラッセルテリア1 時間まで朝夕 2 回
鼻の短い犬種パグ・フレンチブルドッグ1 時間まで涼しい時間に短く 2〜3 回
運動量の多い中型〜大型犬ラブラドール・ボーダーコリー2 時間以上2〜3 回

帰った後に落ち着いて眠れていれば、その長さで足りていると考えてよいでしょう。

家の中でいたずらが増えるときは、においを嗅ぐ時間を増やしてみましょう。

散歩で使うカロリーと、体重を落としたいときの考え方は、散歩の消費カロリーの記事で確かめられます。

子犬の散歩はいつから?

地面を歩く散歩は、子犬のワクチンが終わってから始めましょう。

子犬のワクチンは 2〜4 週ごとに何回か打ち、最後の 1 回は 16 週齢(生後 4 か月)以降に打つことが勧められています[3]。

いつから歩かせてよいかは、最後のワクチンを打つときに動物病院で確かめましょう。ワクチンの日程はワクチンのスケジュールの計算で出せます。

ワクチンが終わるまで、家に閉じこもる必要はありません。生後 3 か月までは、人や物、音に慣れやすい大事な時期です[4]。

抱っこやキャリーで外に出て、車の音や人の声に少しずつ慣らしてあげましょう。病気がうつるおそれは、ワクチンと日ごろの世話で小さくできると考えられています[4]。

歩き始めの子犬は、疲れるとすぐ座り込みます。座り込んだり、においを嗅がなくなったりしたら、その日はおしまいにしましょう。

長く 1 回より、短く何回かに分けるほうが子犬の体に合っています。

拾い食いは子犬の時期から始まりやすいので、拾い食いを防ぐ手順も見ておくと安心です。

シニア犬は短く回数を分けて

シニア犬は、1 回の散歩を短くして、回数を増やしましょう。 たとえば 30 分を 1 回歩いていた子なら、15 分ずつ 2 回に分けます。

途中で休める日陰やベンチのある道だと安心です。

年をとると、寝起きに立ち上がるのが遅くなったり、階段をいやがったりすることがあります[5]。寝起きや階段での変化は、関節が痛むサインのこともあります[5]。

歩くのを嫌がる日が増えたら、坂や階段の少ない平らな道を選びましょう。短くても、外に出る時間を続けます。

散歩を減らしたほうがいいサインは?

散歩の途中や帰った後のいつもと違う様子は、体の不調を知らせていることがあります。 次のサインが出たら、その日の散歩は切り上げましょう。

散歩中の犬の4つの様子(急に歩かない・足を引きずる・咳が出る・息が荒い)を描いたチェックリストの絵
このサインが出た日は、散歩を切り上げましょう。
  • 急に歩きたがらない・座り込む
    暑さで疲れているほか、足や腰の痛みのこともあります[5]。
  • 足を引きずる・片足を浮かせる
    足の裏のけがのほか、関節の痛みのこともあります[5]。小型犬は膝のお皿がずれる病気(パテラ)にもなりやすく、パテラ・関節の食事の記事で見分け方を確かめられます。
  • ガーガーと乾いた咳が出る
    小型犬では、空気の通り道(気管)がつぶれる気管虚脱のことがあります[6]。首に負担をかけにくい道具は、気管虚脱の犬向けのハーネスの比べ方で選べます。
  • ゆっくり歩いているのに息が荒い・すぐ休みたがる
    休んでも息が落ち着かないときは、すぐに受診が要る状態のこともあります[1]。

休んでも元に戻らないときや、同じサインが何日も続くときは、早めに動物病院へ相談しましょう。

相談するときは、いつ・どのくらい歩いたところで・どんな様子だったかを伝えると、獣医師が見当をつけやすくなります。

歩く様子や咳をスマートフォンの動画で撮っておくと役に立ちます。

夏・冬・雨の日の散歩はどうする?

季節によって、散歩の時間帯と長さを変えましょう。 暑さや雨で散歩を短くした日は、家の中でおやつを探す遊びや引っ張りっこで体を動かしましょう。

においを使って物を探す遊びを続けた犬は、物事を前向きにとらえるようになったという研究があります[7]。

夏は早朝か夜に、路面を確かめてから

夏の日中の散歩は、熱中症と肉球のやけどにつながるおそれがあります[8]。 散歩は早朝か、日が沈んで路面が冷めた夜にしましょう[8]。

犬は人より体の位置が低く、地面からの熱を受けやすいためです[8]。

夏の日中のアスファルトで、飼い主より地面に近い小型犬に路面の熱が立ちのぼる様子を描いた図
犬は人より体の位置が低く、路面の熱を受けやすくなります。

出かける前に、手を路面に 10 秒当ててみましょう[9]。熱くて当て続けられないなら、その時間は歩かせないようにします[9]。

日陰や土・芝生の道を選び、飲み水を持っていきましょう。

熱中症は、閉め切った車の中より運動中に起きることのほうが多いと報告されています[10]。

イギリスの調べでは、犬の熱中症のうち約 4 分の 3 が運動をきっかけに起きていました[10]。

パグやフレンチブルドッグのような鼻の短い犬種、体重が重めの犬、2 歳を過ぎた犬は熱中症になりやすいと報告されています[11]。

その日の気温と湿度で危なさを確かめたいときは、熱中症リスクの判定ツールを使ってみましょう。

夜に歩くときは、車や自転車から見えるように夜の散歩の安全チェックリストで装備を確かめてください。

冬は日中の暖かい時間に

冬は、日の当たる暖かい時間に歩きましょう。 チワワのような毛の短い小型犬やシニア犬は、寒さで体が冷えやすくなります。

散歩の前に家の中で少し体を動かし、服を着せてから出かけると、寒さで縮こまらずに歩けます。小型犬の冬の過ごし方は、小型犬の冬対策の記事にまとめています。

雨の日は短く

雨の日は、トイレを済ませる程度の短い散歩で十分です。

帰ったら、足の指の間まで乾かします。拭き方と乾かし方は、散歩から帰った後の足のケアにまとめています。

散歩とごはん、どちらが先?

散歩とごはんは、どちらが先でもかまいません。ただし、食べてすぐに激しく動かすのは避けましょう。

食後は少し休ませてから歩くか、散歩から帰って落ち着いてからごはんにします。

胸の深い大型犬は、胃がふくらんでねじれる病気(胃拡張・胃捻転)になりやすい犬種です[2]。命にかかわる病気で、すぐに手術が要ることもあります[2]。

予防として、ごはんを 1 回にまとめず何回かに分けること、食事の前後に激しい運動をさせないことが勧められています[2]。

ジャーマン・シェパードやグレート・デーンのような大型犬と暮らしている方は、とくに気をつけましょう[2]。

小型犬でも、ボール遊びや走り回る遊びは、食後すぐを避けると安心です。

散歩の前におなかがすきすぎている子は、帰ってからのごはんを楽しみにさせると、歩くのにも張り合いが出ます。

においを嗅ぐ時間は必要?

においを嗅ぐ時間は、散歩の大事な楽しみです。急がせずに待ってあげましょう。 犬はにおいで、だれが通ったか・何があったかを知ります。

毎回すべての電柱で止まると、なかなか前に進めませんよね。「ここは嗅いでいいよ」と場所を決めると、メリハリがつきます。

公園の草むらや道のはしでは、ゆっくり嗅がせてあげましょう。人通りの多い道では、少しリードを短く持って歩きます。

同じ時間でも、早足で歩くだけの散歩より、においを嗅ぐ時間が多い散歩のほうが満足して帰ってくる子もいます。

よくある質問

Q. 散歩は毎日同じ時間に行くべき?

同じ時間でなくてかまいません。その日の天気に合わせて、歩きやすい時間に出かけましょう。

Q. ドッグランで走った日は、散歩を休んでいい?

休んでも大丈夫です。たくさん走った翌日は、足をかばっていないか歩き方を見ておきましょう。

Q. 小型犬は家の中で走り回るから散歩はいらない?

家の中の運動だけでは、外のにおいや音にふれる時間がとれません。短くても外に出る時間をつくりましょう。

まとめ:体格で決めて、天気と様子で短くする

  • 成犬は、体格ごとの早見表で 1 日の合計を決め、朝夕 2 回に分けましょう。
  • 子犬は、最後のワクチンの後に動物病院で確かめてから、短い散歩を始めましょう。
  • 夏は早朝か夜に、手を路面に当てて熱さを確かめてから出かけましょう。
  • 座り込む・足を引きずる・咳が出る日は切り上げて、サインの一覧で確かめましょう。
  • 帰ったら、帰宅後の足のケアの手順で足を拭いて乾かしましょう。
参考文献を表示(全11件)
  1. Merck Veterinary Manual. What to Do in a Dog or Cat Emergency.
  2. Winkler KP. Gastric Dilation and Volvulus in Small Animals. Merck Veterinary Manual. 2025.
  3. Squires RA, Crawford C, Marcondes M, Whitley N. 2024 guidelines for the vaccination of dogs and cats – compiled by the Vaccination Guidelines Group (VGG) of the World Small Animal Veterinary Association (WSAVA). J Small Anim Pract. 2024;65:277-316.
  4. American Veterinary Society of Animal Behavior. AVSAB Position Statement on Puppy Socialization. 2008.
  5. Merck Veterinary Manual. Osteoarthritis in Dogs and Cats. 2024 (last updated 2025).
  6. Merck Veterinary Manual (Dog Owners). Tracheal Collapse in Dogs. 2018 (last updated 2024).
  7. Duranton C, Horowitz A. Let me sniff! Nosework induces positive judgment bias in pet dogs. Appl Anim Behav Sci. 2019;211:61-66.
  8. 環境省. 「防ごう!ペットの熱中症」ペットの熱中症予防に関するポスターの作成について. 2025.
  9. American Kennel Club. How to Protect Dog Paws From Hot Pavement, Sidewalks.
  10. Hall EJ, Carter AJ, O'Neill DG. Dogs Don't Die Just in Hot Cars—Exertional Heat-Related Illness (Heatstroke) Is a Greater Threat to UK Dogs. Animals (Basel). 2020;10(8):1324.
  11. Hall EJ, Carter AJ, O'Neill DG. Incidence and risk factors for heat-related illness (heatstroke) in UK dogs under primary veterinary care in 2016. Sci Rep. 2020;10:9128.
WANPAKU編集部プロフィール

WANPAKU編集部

ミニチュアピンシャーと暮らす小型犬オーナー / 元ヘルスケアテック領域プロダクトマネージャー・マーケティング担当

愛犬ノア(ミニチュアピンシャー)と暮らす小型犬オーナーが運営しています。合うフードが見つからず20種類以上を試したフードジプシー経験から、WANPAKU を立ち上げました。ヘルスケアテック領域でプロダクトマネージャー・マーケティングを担当した経験を活かし、200種類以上をメーカー公式の栄養成分値(保証分析値)・価格などのデータで独自比較。ランキング順位ではなく、愛犬一頭一頭に合うフード選びを提案します。

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