グレインフリーは犬に必要?選ぶべき犬の特徴と注意点

グレインフリーは本当に良い?メリット・デメリットと選び方のポイント

💡 この記事の結論

グレインフリーフードについて、知っておくべき5つのポイント

  • 穀物アレルギーは少数派 - 犬の食物アレルギーの主因は牛肉・乳製品・鶏肉。穀物は1%未満〜13%程度
  • DCMとの因果関係は未確認 - FDAは4年の調査で因果関係を確認できず、調査終了
  • 問題はマメ科原料の可能性 - 穀物の有無より、エンドウ豆・レンズ豆の高比率が調査対象
  • 穀物にも栄養価がある - 食物繊維、ビタミンB群、ミネラルの供給源として有用
  • 必要な犬には有効 - 穀物アレルギーが確認された犬には明確なメリットあり

📌 詳細とおすすめフードは下記をご覧ください

「うちの子にグレインフリーって必要なのだろうか?」「穀物入りのフードは体に悪いの?」

ペットショップで「グレインフリー」の文字を見かけるたびに、こんな疑問を抱える飼い主さんも多いのではないでしょうか。愛犬のために良いものを選びたい気持ち、よくわかります。

でも、ご安心ください。グレインフリーが必要な子と、そうでない子がいることがわかっています。大切なのは、愛犬にとって本当に必要かどうかを見極めることです。

この記事では、グレインフリーのメリット・デメリットを科学的な根拠とともにわかりやすくお伝えします。「グレインフリーが向いている犬の特徴」や「選ぶときの注意点」まで詳しく解説しているので、最後まで読んでいただければ、愛犬に合ったフード選びができるようになります。

グレインフリー(穀物不使用)とは

グレインフリーの定義

グレインフリー(Grain-Free)とは、穀物を含まないフードのことです。除外される穀物には以下のようなものがあります。

💡 グレインフリーで除外される穀物

  • 小麦
  • トウモロコシ(コーン)
  • 大麦
  • オーツ麦(オートミール)
  • ライ麦

穀物の代わりに、エンドウ豆、レンズ豆、ヒヨコ豆などのマメ科原料(パルス)や、サツマイモ、ジャガイモなどの炭水化物源が使われることが一般的です。

グレインフリー vs グルテンフリー

「グルテンフリー」は小麦、大麦、ライ麦などグルテンを含む穀物のみを除外したもので、米やオーツ麦は含まれることがあります。一方、「グレインフリー」はすべての穀物を除外します。グルテンに反応する犬はグルテンフリーで十分ですが、他の穀物にも反応する場合はグレインフリーが必要です。

なぜ人気になったのか

グレインフリーフードが人気になった背景には、いくつかの要因があります。

ひとつは、人間のグルテンフリーブームの影響です。セリアック病やグルテン過敏症が注目されるなか、「愛犬にも穀物は良くないのでは?」と考える飼い主さんが増えました。

もうひとつは、「犬は肉食動物」というイメージです。オオカミを祖先とする犬に穀物は不要という考え方が広まりました。しかし実際には、犬は人間との共生の歴史の中で穀物を消化する能力を獲得しており、完全な肉食動物ではありません。

グレインフリーにはどんなメリットがあるの?

穀物アレルギーの犬には有効

グレインフリーの最大のメリットは、穀物アレルギーを持つ犬の症状に変化が期待できることです。穀物アレルギーの症状には以下のようなものがあります。

  • 皮膚のかゆみ、赤み
  • 慢性的な耳の炎症
  • 下痢、嘔吐などの消化器症状
  • 被毛の状態悪化

これらの症状があり、除去食試験で穀物が原因と特定された場合、グレインフリーフードへの切り替えは明確なメリットがあります。詳しくは「小型犬のアレルギー対応ガイド」もご覧ください。

消化器の負担が軽い場合がある

一部の犬では、穀物を減らすことで消化器への負担が軽減される場合があります。ただし、これはアレルギーではなく「不耐性」と呼ばれる状態で、免疫反応を伴わない消化の問題です。

穀物不耐性がある犬では、グレインフリーフードに変えることで便の状態が改善したり、ガスが減ったりすることがあります。

グレインフリーのデメリット・注意点

穀物アレルギーは実は少ない

グレインフリーを検討する前に知っておくべき重要な事実があります。犬の穀物アレルギーは比較的まれです。

📚 研究結果について

2016年のBMC Veterinary Researchに掲載された系統的レビューによると、犬の食物アレルギーの主な原因は以下の順番です。

  1. 牛肉
  2. 乳製品
  3. 鶏肉
  4. 小麦(13%程度)
  5. ラム

穀物アレルギーは食物アレルギー全体の約1%未満〜13%程度と報告されており[2]動物性タンパク質のアレルギーの方がはるかに多いのです。

つまり、皮膚トラブルや消化器症状があっても、原因が穀物である可能性は低いということです。グレインフリーに切り替える前に、獣医師に相談して原因を特定することをおすすめします。

DCM(拡張型心筋症)との関連は?

2018年、米国食品医薬品局(FDA)が「グレインフリーフードとDCM(拡張型心筋症)の関連を調査する」と発表し、大きな話題になりました[1]。この問題について、現在わかっていることを整理します。

⚠️ FDAの調査結果(2018-2022年)

  • 2018年7月〜2022年11月に1,382件のDCM報告を受理
  • 報告の90%以上がグレインフリーフードを食べていた
  • 報告の93%がエンドウ豆やレンズ豆を含むフードを食べていた
  • しかし、因果関係は確認されなかった
  • 2022年12月、FDAは定期的な報告を終了

FDAは4年以上の調査を経て、「グレインフリー=DCMの原因」という単純な結論には至らなかったことを明らかにしています[4]。150以上の研究論文が発表されましたが、確定的な因果関係は証明されていません[5]

マメ科原料(パルス)に注意

FDAの調査で注目されているのは、穀物の有無よりもマメ科原料(パルス)の高比率です。

パルス(Pulse)とは

パルスは乾燥したマメ科植物の種子の総称で、以下のようなものが含まれます。

  • エンドウ豆(ピー、グリーンピース)
  • レンズ豆(レンティル)
  • ヒヨコ豆(チックピー)
  • 各種豆類

※大豆はマメ科ですが、パルスとは別に扱われ、DCMとの関連は報告されていません。

グレインフリーフードでは、穀物の代わりにこれらのパルスが主要な炭水化物源として使われることが多く、原材料の上位(最初の10成分以内)に複数のパルスが含まれるフードがDCM報告と関連している傾向がありました。

タフツ大学の研究者は、「穀物の有無より、フードの原材料構成全体を見ることが重要」と指摘しています[3]

【データで見る】アレルギーが気になる飼い主さんの傾向

当サイトの診断ツールで収集したデータから、アレルギーが気になる飼い主さんの傾向を分析しました。

📊 診断データの概要

2025年9月〜2026年1月のデータ(n=1,608)

  • 「アレルギー」を悩みとして選択した割合:33.1%(532件)
  • 「消化器」を選択した割合:22.6%(363件)

アレルギー選択者の犬種傾向

📊 アレルギー選択者の犬種分布

アレルギー選択者(n=532)

柴犬(12.8%)がトップで、アトピー性皮膚炎が多い犬種として知られる傾向と一致しています。

柴犬(12.8%)がトップになっているのは注目に値します。柴犬はアトピー性皮膚炎が多い犬種として知られており、このデータもそれを反映しています。ただし、柴犬の皮膚トラブルの多くは環境アレルゲン(ハウスダスト、花粉など)が原因であり、穀物アレルギーとは限りません。

ライフステージ別の傾向

📊 ライフステージ別分布

アレルギー選択者(n=532)

成犬(2〜6歳)が約半数を占めています。長期間同じ食材を食べ続けることで発症するケースが多いためと考えられます。

成犬(2〜6歳)が約半数を占めています。食物アレルギーは長期間同じ食材を食べ続けることで発症することがあるため、成犬になってから症状が出るケースが多いと考えられます。

うちの子にグレインフリーは必要?向いている犬・向いていない犬

ここまでの情報をもとに、グレインフリーが向いている子とそうでない子を整理してみましょう。

グレインフリーが向いている犬

✅ グレインフリーを検討すべきケース

  • 獣医師の診断で穀物アレルギーが確認された
  • 除去食試験で穀物への反応が確認された
  • 穀物を含むフードで消化器症状(下痢、嘔吐など)が続く
  • 皮膚症状があり、動物性タンパク質のアレルギーが除外された

グレインフリーが必要ない犬

⚠️ グレインフリーが不要なケース

  • 穀物を含むフードで問題なく過ごしている
  • アレルギーの診断を受けていない
  • 「なんとなく良さそう」という理由で検討している
  • 皮膚症状の原因が特定されていない

穀物アレルギーが確認されていない子にグレインフリーフードを与えても、健康上のメリットは証明されていません。むしろ、穀物に含まれる食物繊維やビタミンB群などの栄養素を他の食材から補う必要が出てきます。愛犬の状態をよく観察して、本当に必要かどうか見極めてあげてください。

グレインフリーフードの選び方4つのポイント

グレインフリーフードを選ぶときは、以下の4つのポイントをチェックしてみてください。

1. マメ科原料の比率をチェック

原材料表示を確認し、上位10成分以内にマメ科原料(エンドウ豆、レンズ豆など)が複数含まれていないかをチェックしましょう。複数のパルスが上位に並んでいるフードは、DCMとの関連が調査されている製品の特徴と一致します。

2. AAFCO基準を満たしているか

「総合栄養食」と表示されているフードを選びましょう。AAFCO基準を満たすフードは、穀物を使わなくても必要な栄養素がバランスよく含まれています。

3. 信頼できるメーカーか

原材料の品質管理や栄養設計に実績のあるメーカーを選びましょう。以下のような点を確認できると安心です。

  • 自社工場での製造
  • 獣医師や栄養士による処方設計
  • 給餌試験(Feeding Trial)の実施

4. 主タンパク源を確認

アレルギーが気になる場合は、単一タンパク源(シングルプロテイン)のフードがおすすめです。タンパク源を絞ることで、アレルギーの原因特定がしやすくなります。

ここでは、マメ科原料の使用状況と品質を考慮して、安心しておすすめできるグレインフリーフードを3つご紹介します。

GO! LID サーモン グレインフリー

GO! LID サーモン グレインフリー

💡 こんな子におすすめ

  • 穀物アレルギーがあり、単一タンパク源のフードを探している子
  • 皮膚や被毛のコンディションを整えたい子
  • 鶏肉アレルギーがあり、魚ベースのフードを試したい子

GO! LIDシリーズは、原材料を厳選した「リミテッドイングリーディエントダイエット」のグレインフリーフードです。サーモンを単一タンパク源として使用し、アレルギーが気になる犬に適しています。粒が大きめ(13-15mm)なので、小型犬には砕いて与えるか、他のサイズをお探しください。

主原料 サーモン(単一タンパク源)
成分 タンパク質24%、脂肪12%
タイプ・対象 ドライ / 全年齢対応
グレインフリー特徴 LID(原材料限定)でアレルゲン対策、オメガ3脂肪酸豊富
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POCHI ザ・ドッグフード ベーシック 3種のポルトリー

POCHI ザ・ドッグフード ベーシック 3種のポルトリー

💡 こんな子におすすめ

  • DCMリスクが気になり、マメ科原料を控えたい子
  • 体重管理が必要で、低脂肪フードを探している子
  • 小型犬で、食べやすい小粒タイプを好む子

POCHIは、チキン・ターキー・ダックの3種のポルトリーをバランスよく配合したグレインフリーフードです。サツマイモを炭水化物源として使用し、マメ科原料が原材料の上位に並ばない設計が特徴。低脂肪(10%)で体重管理にも配慮されています。小型犬に適した粒サイズです。

主原料 鶏肉・ターキー・ダック
成分 タンパク質30%、脂肪10%
タイプ・対象 ドライ / 成犬用
グレインフリー特徴 マメ科原料が上位にない設計、サツマイモを炭水化物源に使用
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メディコートアドバンス グレインフリー チキン

メディコートアドバンス グレインフリー チキン

💡 こんな子におすすめ

  • グレインフリーを初めて試してみたい子
  • 長期的にグレインフリーを続けたい子(コスパ重視)
  • 国産メーカーのフードを好む飼い主さん

メディコートアドバンスは、国内メーカー・ペットラインのグレインフリーフードです。価格が手頃なため、グレインフリーを試してみたい方や長期的に続けたい方に適しています。ただし、鶏肉アレルギーがある場合は他の製品をお選びください。

主原料 肉類(チキンミール)
成分 タンパク質24%、脂肪15.5%
タイプ・対象 ドライ / 全年齢対応
グレインフリー特徴 国産メーカー、コスパ良好でグレインフリー入門に最適
商品の詳細を見る →

※製品の価格は変動する場合があります。最新の価格は各販売サイトでご確認ください。フードを変更する際は、7-10日かけて徐々に切り替えてください。

よくある質問

Q1. グレインフリーフードは心臓病(DCM)の原因になりますか?

FDAの調査(2018-2022年)では、グレインフリーとDCMの因果関係は確認されていません

ただし、エンドウ豆やレンズ豆などのマメ科原料が高比率で含まれるフードとの関連が調査されています。現時点では「グレインフリー=危険」とは言えませんが、マメ科原料が多いフードは注意が必要です。

Q2. 犬に穀物アレルギーはどのくらい多いですか?

犬の穀物アレルギーは比較的まれで、食物アレルギー全体の1%未満〜13%程度と報告されています。

犬の食物アレルギーで最も多いのは牛肉、乳製品、鶏肉などの動物性タンパク質です。穀物アレルギーが確認されていない犬には、グレインフリーの明確なメリットはありません。

Q3. グレインフリーとグルテンフリーは違いますか?

はい、違います。グルテンフリーは小麦、大麦、ライ麦などグルテンを含む穀物を除外したもので、米やオーツ麦は含まれることがあります。

グレインフリーはすべての穀物(米、オーツ麦、コーンなども含む)を除外したものです。

Q4. グレインフリーフードは消化に良いですか?

一概には言えません。穀物アレルギーや穀物への不耐性がある犬には消化器症状に変化が期待できます。

しかし、多くの犬は穀物を問題なく消化できます。また、穀物の代わりに使われるマメ科原料(エンドウ豆など)が消化器に合わない犬もいます。

Q5. グレインフリーフードを選ぶときの注意点は?

原材料の上位にマメ科原料(エンドウ豆、レンズ豆など)が複数ないかを確認しましょう。

また、AAFCO基準を満たす総合栄養食であること、信頼できるメーカーの製品であることも重要です。不安な場合は獣医師に相談してください。

まとめ

グレインフリーフードについて、科学的な根拠に基づいて解説しました。以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 穀物アレルギーは少数派 - 犬の食物アレルギーの1%未満〜13%程度
  • DCMとの因果関係は未確認 - FDAは4年の調査で因果関係を確認できず調査終了
  • 問題はマメ科原料の可能性 - 穀物の有無より、エンドウ豆・レンズ豆の高比率が調査対象
  • 穀物にも栄養価がある - 食物繊維、ビタミンB群、ミネラルの供給源として有用
  • 必要な犬には有効 - 穀物アレルギーが確認された犬には明確なメリットあり

グレインフリーは「良い・悪い」の二択ではなく、愛犬に必要かどうかで判断することが大切です。アレルギーが気になる場合は、まず獣医師に相談して原因を特定することをおすすめします。

参考文献を表示(全5件)
  1. U.S. Food and Drug Administration. "FDA Investigation into Potential Link between Certain Diets and Canine Dilated Cardiomyopathy."
  2. Mueller RS, Olivry T, Prélaud P. "Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (2): common food allergen sources in dogs and cats." BMC Vet Res. 2016;12:9.
  3. Tufts University Cummings Veterinary Medical Center. "Diet-associated dilated cardiomyopathy: The cause is not yet known but it hasn't gone away."
  4. American Veterinary Medical Association. "Until more science is available, FDA will end public updates on potential link between certain diets and canine dilated cardiomyopathy."
  5. U.S. Food and Drug Administration. "Questions & Answers: FDA's Work on Potential Causes of Non-Hereditary DCM in Dogs."

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