国産vs海外ドッグフード|安全基準の5つの違いと選び方

「国産だから安心」——そう思ってドッグフードを選んでいませんか?

実は、日本のペットフードは法律上「食品」ではなく「雑貨」扱い。一方、ドイツでは人間と同じ品質基準が法律で義務化されています。この記事を読めば、パッケージの「国産」表示に惑わされない、本当に安全なフードの見極め方がわかるようになります。

国産ドッグフードは本当に安全?日本vs海外の安全基準5つの決定的な違い

📚 この記事でわかること

  • 「国産」表示の本当の意味(原材料は海外産かも?)
  • 日本と海外の安全基準の決定的な5つの違い(法的位置づけ・規制法/栄養基準/原材料の品質基準・表示/基準の更新頻度/オーガニック認証)
  • ヒューマングレード表示の落とし穴
  • 信頼できるフードを見分ける具体的チェックリスト

⚡ この記事のポイント

  • 日本ではペットフードは「食品」ではなく「雑貨」扱い
  • EUでは動物性原料は「人間の消費に適した品質」のものに限定
  • 「国産」は最終加工地が基準で、原材料の産地ではない
  • 国産・海外産それぞれにメリット・デメリットがある
  • 重要なのは産地よりも「信頼できるメーカーか」「愛犬に合うか」

「国産だから安心」は危険な思い込み?

日本では「国産」という言葉に安心感を覚える方が多いのではないでしょうか。食品の場合、国産は品質管理が行き届いているイメージがありますよね。

しかし、ドッグフードに関しては「国産=安心」とは言い切れないのが現状です。

その理由は、日本と海外ではペットフードに対する法規制や安全基準に大きな違いがあるからです。この記事では、国産と海外産ドッグフードの違いを客観的に解説し、愛犬に合ったフード選びができるようサポートします。

💡 結論を先にお伝えすると...

「国産か海外産か」よりも大切なのは、「信頼できるメーカーか」「愛犬に合った成分か」という2点です。ただし、その判断をするためには、まず日本と海外の規制の違いを知っておく必要があります。

要注意!「国産」の本当の意味|原材料は海外産かも

まず知っておきたいのは、「国産」の定義です。

ℹ️ 「国産」の定義

ペットフード安全法における「原産国」とは、「最終的にどこで加工されたか」が基準となります。つまり、海外産の原材料を使っていても、日本国内で最終加工されていれば「国産」と表示されます。

例えば、以下のようなケースはすべて「国産」として表示されます。

  • 日本産の原材料を使い、日本で製造したフード
  • 海外産の原材料を輸入し、日本で加工・製造したフード
  • 海外で一次加工し、日本で最終加工したフード

⚠️ ここに注意

「国産」という表示だけでは、原材料がどこ産なのかはわかりません。原材料の産地が気になる場合は、メーカーの公式サイトや問い合わせで確認しましょう。

日本の安全基準は甘い?ペットフード安全法の3つの盲点

2007年、米国でメラミン混入ペットフードによる大規模な健康被害が発生し、犬猫あわせて4,000頭以上が死亡したとされています。この事件をきっかけに、日本でも2009年に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(通称:ペットフード安全法)が施行されました。

ペットフード安全法の主な内容

  • ✅ 製造業者・輸入業者の届出義務
  • ✅ 製品名・原材料・賞味期限・事業者情報・原産国の表示義務
  • ✅ 有害物質の成分規格(上限値の設定)
  • ✅ 帳簿の備え付け義務
  • ✅ 違反時の罰則(個人は100万円以下、法人は1億円以下の罰金)

主な成分規格(上限値)

項目 成分 上限値
添加物 エトキシキン・BHA・BHT 合計150μg/g(犬用エトキシキンは75以下)
添加物 亜硝酸ナトリウム 100μg/g
農薬 グリホサート 15μg/g
汚染物質 アフラトキシンB1 0.02μg/g
重金属 3μg/g
その他 メラミン 2.5μg/g

出典:環境省 ペットフード安全法基準規格等

日本の規制の特徴と課題

⚠️ 知っておきたいポイント

  • 日本ではペットフードは食品衛生法の対象外(法的には「食品」ではなく「雑貨」扱い)
  • 「ヒューマングレード」などの表示に法的な規制がない
  • 原材料表示は義務だが、産地の表示義務はない

ここが違う!海外のペットフード規制

海外、特にペット先進国と呼ばれる国々では、日本とは異なるアプローチでペットフードの安全性を確保しています。

アメリカの規制(AAFCO)

🇺🇸 アメリカの特徴

  • 連邦食品・医薬品・化粧品法のもとで規制
  • AAFCO(米国飼料検査官協会)が栄養基準を設定
  • ペットフードは食品や家畜飼料と同等の基準で管理
  • 「Complete and Balanced(総合栄養食)」の表示にはAAFCO基準への適合が必要

ヨーロッパの規制(EU・FEDIAF)

🇪🇺 ヨーロッパの特徴

  • 一般食品法規制(規則178/2002/EC)のもとで規制
  • FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)が栄養ガイドラインを策定
  • EU加盟国で統一された規制が適用
  • 栄養基準は最新の科学的知見に基づき定期的に改訂(2025年版が最新)
  • 製造衛生・環境サステナビリティにも配慮

ドイツの規制(ペット先進国の代表例)

🛡️ ドイツの特徴

  • EU規制により、ペットフードの動物性原料は「Category 3」(人間の消費に適した動物由来原料)のみ使用可能
  • 合成添加物・遺伝子組み換え食材の使用制限
  • Bio(オーガニック)認証は世界で最も厳しい審査基準のひとつ
  • ペットフードも一般食品法規制(Regulation 178/2002/EC)の対象として厳格に管理

出典:FEDIAF - Legislation

【一目でわかる】日本と海外の規制比較表

項目 日本 アメリカ EU(ドイツ等)
法的位置づけ・規制法 雑貨(食品ではない)/ペットフード安全法 食品・飼料と同等/連邦食品・医薬品・化粧品法 食品・飼料と同等/一般食品法規制
栄養基準 なし(業界自主基準) AAFCO基準 FEDIAF基準
原材料の品質基準・表示 品質の法的規制なし/全成分表示(産地は任意) FDA規制あり/全成分表示 Category 3原料のみ/全成分表示
基準の更新頻度 不定期 数年ごと 定期的に改訂
オーガニック認証 対象外 USDA認証あり Bio認証(厳格)

📋 ここまでのまとめ

日本のペットフード安全法には一定の規制がありますが、「食品」ではなく「雑貨」扱いという点で、海外のペット先進国とは大きな差があります。EUでは一般食品法規制の対象としてペットフードも厳格に管理され、動物性原料は人間の消費に適した品質のものに限定されています。

では、実際にフードを選ぶ際、国産と海外産のどちらを選ぶべきでしょうか?次のセクションで、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

国産フードを選ぶべき人・選んではいけない人

👍 メリット

  • 鮮度が保たれやすい:製造から店頭に届くまでの時間が短く、輸送距離も短いため新鮮な状態で届きやすい
    → 「開封したときの香りが違う」「食いつきが良い」という声も
  • 保存料・酸化防止剤が少ない傾向:長期輸送を前提としないため、添加物を抑えた製品が作りやすい
    → 添加物が気になる飼い主さんも安心して与えられる
  • 小型犬向け製品が充実:日本は小型犬の飼育が多いため、小型犬に合わせた粒サイズや栄養バランスの製品が豊富
    → チワワやトイプードルなど、小さな口でも食べやすい
  • 問い合わせしやすい:国内メーカーなら日本語でのサポートが受けやすく、疑問点を確認しやすい
    → 「うちの子に合うか」相談できる安心感がある

👎 デメリット

  • 法的な品質基準が緩い:ペットフード安全法はあるものの、食品と比較すると規制が限定的
  • 「ヒューマングレード」表示の信頼性:法的な定義がないため、メーカーの自主基準に依存
  • 原材料の産地が不明確な場合も:「国産」でも原材料は海外産の可能性がある

✅ 国産フードが向いている人

  • 小型犬を飼っている方
  • 鮮度を重視したい方
  • 日本語でサポートを受けたい方
  • メーカーに直接問い合わせたい方

海外産フードを選ぶべき人・選んではいけない人

👍 メリット

  • 厳格な品質基準:EUでは動物性原料が「人間の消費に適した品質」に限定され、一般食品法規制の対象として管理
    → 原材料の品質基準を重視する方に最適
  • AAFCO・FEDIAF基準への適合:第三者機関による栄養基準のチェックがある
    → 栄養バランスが科学的に裏付けられている
  • オーガニック認証の信頼性:Bio認証など、厳格な基準をクリアした製品が多い
    → 農薬や化学肥料が気になる方も安心
  • 天然素材へのこだわり:人工添加物や保存料を控えた製品が多い傾向
    → ナチュラル志向の飼い主さんにぴったり

👎 デメリット

  • 輸送による品質リスク:正規輸入品であれば管理されているが、並行輸入品は注意が必要
  • 価格が高い傾向:輸送コストや関税の影響で、国産より割高になりやすい
  • 賞味期限に注意:製造から時間が経過している場合があるため確認が必要
  • 大型犬向け製品が多い:粒サイズが大きめの製品が多く、小型犬には合わない場合も

✅ 海外産フードが向いている人

  • 品質基準の厳しさを重視したい方
  • オーガニック・ナチュラル志向の方
  • 価格より品質を優先したい方
  • 中型犬・大型犬を飼っている方

⚠️ 並行輸入品に注意

海外産ドッグフードを購入する際は、必ず「正規輸入品」かどうかを確認しましょう。並行輸入品は保管・輸送環境が不明確で、品質が劣化している可能性があります。正規代理店や公式販売店から購入することをおすすめします。

フードの品質劣化を防ぐ保存方法については、「ドッグフードの正しい保存方法ガイド」で詳しく解説しています。

【結論】フード選びで本当に大切な5つのポイント

ここまで国産と海外産の違いを解説してきましたが、最も重要なのは「産地」ではありません

⭐ フード選びで重視すべき5つのポイント

  1. 原材料の透明性:主原料が明確に記載されているか、産地情報が公開されているか
  2. メーカーの信頼性:製造基準や品質管理体制が公開されているか
  3. 愛犬に合った成分:年齢・体格・健康状態に合った栄養バランスか
  4. 第三者基準への適合:AAFCO、FEDIAF、ペットフード公正取引協議会などの基準を満たしているか
  5. 愛犬の食いつき・体調:実際に与えてみて、食べ具合や便の状態が良いか

チェックリスト:信頼できるドッグフードの見分け方

  • ✅ 主原料(肉・魚)が原材料表示の最初に記載されている
  • ✅ 原材料の産地や品質についての情報が公開されている
  • ✅ 製造工場の所在地や品質管理体制が明記されている
  • ✅ 「総合栄養食」の表示がある(主食として与える場合)
  • ✅ 問い合わせ先が明確で、質問に回答してもらえる
  • ✅ 不自然に安すぎない適正価格である

よくある質問

「国産」のドッグフードは原材料も国産なの?

いいえ、必ずしもそうではありません。ペットフード安全法では「最終的にどこで加工されたか」が原産国の基準となります。つまり、海外産の原材料を使っていても、日本国内で最終加工されていれば「国産」と表示されます。原材料の産地が気になる場合は、メーカーの公式サイトで確認することをおすすめします。

海外産ドッグフードは輸送中に品質が劣化しないの?

正規輸入品であれば、温度管理されたコンテナでの輸送や、適切な保管環境が確保されているため、品質劣化のリスクは低く抑えられています。ただし、並行輸入品は保管・輸送環境が不明確な場合があるため、購入時は必ず「正規輸入品」かどうかを確認しましょう。

ヒューマングレードとはどういう意味?

ヒューマングレードとは、人間が食べられる品質の原材料を使用しているという意味です。ただし、日本ではペットフードは食品衛生法の対象外のため、この表示に法的な規制はありません。EUでは動物性原料について「Category 3」(人間の消費に適した動物由来原料)のみ使用可能という規制がありますが、これは「ヒューマングレード」という表示義務とは異なります。日本製品でこの表示がある場合は、メーカーの情報を確認しましょう。

AAFCOとFEDIAFの違いは?

AAFCOはアメリカ、FEDIAFはヨーロッパにおけるペットフードの栄養基準を定める団体です。どちらも厳格な栄養基準を設けています。FEDIAFは最新の科学的知見に基づき定期的に基準を改訂しており(2025年版が最新)、EUの統一規制に基づいています。一方AAFCOはモデル規制を起草し、各州がそれを採用する形で運用されています。どちらの基準も信頼性は高いです。

結局、国産と海外産どちらを選べばいいの?

一概にどちらが良いとは言えません。重要なのは「国産か海外産か」ではなく、「信頼できるメーカーの製品か」「愛犬に合った成分・栄養バランスか」という点です。どちらを選ぶ場合も、原材料の透明性、製造基準、愛犬との相性を総合的に判断しましょう。

まとめ:愛犬に合ったフードを見極めよう

この記事のまとめ

  • 日本と海外では規制が大きく異なる:日本ではペットフードは「食品」ではなく「雑貨」扱い。海外のペット先進国では食品と同等の基準で規制されている
  • 「国産」の定義に注意:最終加工地が基準であり、原材料の産地ではない
  • 国産・海外産それぞれに長所・短所がある:国産は鮮度と小型犬向け製品が強み、海外産は品質基準と認証制度が強み
  • 産地より重要なのは「信頼性」と「愛犬との相性」:メーカーの情報公開姿勢、第三者基準への適合、実際に与えたときの愛犬の反応を重視しよう

愛犬の健康を守るためには、「国産だから安心」「海外産だから高品質」という先入観を持たず、客観的な情報をもとに判断することが大切です。この記事が、あなたと愛犬に合ったドッグフード選びの参考になれば幸いです。

➡️ 次にやるべきこと

今日学んだことを活かして、愛犬のフードのパッケージをチェックしてみましょう。

参考文献・出典

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