ブラッシング嫌いの小型犬が変わる!痛くない力加減と毛質別ブラシの選び方

小型犬のブラッシング方法とブラシの選び方

この記事の結論

ブラッシングを嫌がる原因の多くは「痛い」から。正しいブラシの選び方と力加減を知れば、犬も飼い主もストレスなくブラッシングできます。

  • 嫌がる原因は「痛み」 - ブラシの種類が毛質に合っていない、力が強すぎる、毛玉を無理に引っ張っているなどが主な原因です
  • 毛質でブラシを選ぶ - シングルコート(トイプードル等)にはスリッカー+コーム、ダブルコート(チワワ等)にはスリッカー+ピンブラシが基本
  • 力加減は「ブラシの重さだけ」 - 自分の手の甲で試して痛くない力加減が適正。皮膚にピンが当たらないよう注意
  • 毛先から少しずつ - 根元から一気にとかそうとすると毛を引っ張って痛みの原因に。毛先→中間→根元の順で

詳しくは本文で解説します

ブラッシングを嫌がる本当の理由は「痛い」から

「うちの子はブラッシングが嫌いな性格だから仕方ない」と思っていませんか? 実は、ブラッシングを嫌がる犬のほとんどは「性格」ではなく「痛みの経験」が原因です。

犬がブラッシングを嫌がる主な理由は以下の3つです。

  • ブラシが毛質に合っていない - シングルコートの犬にアンダーコート用のブラシを使ったり、柔らかい毛質の犬に硬いブラシを使うと、必要以上に毛を引っ張ったり皮膚を刺激したりして痛みの原因になります
  • 力が強すぎる - 「しっかり毛をとかさなきゃ」と力を入れすぎると、ブラシのピンが皮膚に食い込んで痛みを感じます。特に小型犬は皮膚が薄いため、大型犬と同じ力加減では強すぎます
  • 毛玉を無理に引っ張っている - 毛玉やもつれに気づかずブラシを通そうとすると、毛ごと皮膚を引っ張ってしまいます。毛玉は専用の方法で先にほぐしてからブラッシングする必要があります

一度でも「ブラッシング=痛い」という経験をすると、犬はブラシを見ただけで逃げるようになります。まずは「痛くないブラッシング」を実現することが、ブラッシング嫌い克服の第一歩です。

毛質別・最適なブラシの選び方

犬のブラシは種類が多く、どれを選べばいいか迷う方も多いはずです。基本は「愛犬の毛質に合ったブラシを選ぶ」こと[1]。毛質に合わないブラシを使うことが、痛みやブラッシング嫌いの最大の原因です。

主なブラシの種類と特徴

ブラシの種類 特徴 適した毛質
スリッカーブラシ 細いピンが密に並ぶ。もつれ解消と抜け毛除去に 長毛・巻き毛(トイプードル、マルチーズ等)
ピンブラシ 先端が丸いピンで皮膚に優しい。日常ブラッシング向き ダブルコート長毛(ポメラニアン、パピヨン等)
コーム(くし) 仕上げや毛玉チェックに使用。目の粗い面と細かい面がある 全犬種の仕上げ・チェック用
ラバーブラシ ゴム製で皮膚をマッサージしながら抜け毛を集める 短毛・スムースコート(スムースチワワ等)
アンダーコートブラシ アンダーコートの抜け毛を効率的に除去する専用ブラシ ダブルコートの換毛期(チワワ、柴犬等)

犬種別のおすすめブラシの組み合わせ

毛質別ブラシガイド

  • トイプードル・ビションフリーゼ(巻き毛・シングルコート):スリッカーブラシ(ソフト)+両目コーム。毎日〜2日に1回。スリッカーでもつれを解いてからコームで整える
  • マルチーズ・ヨークシャーテリア(絹状長毛・シングルコート):ピンブラシ+両目コーム。毎日〜2日に1回。ピンブラシで優しくとかしてからコームで仕上げ
  • チワワ(ロングコート)・ポメラニアン(ダブルコート):スリッカーブラシ+ピンブラシ。週2〜3回。換毛期はアンダーコートブラシも併用
  • チワワ(スムース)・ミニチュアピンシャー(短毛):ラバーブラシまたは獣毛ブラシ。週1〜2回。マッサージ効果もあり嫌がりにくい

注意:シングルコートの犬種(トイプードル、マルチーズなど)にアンダーコート除去ブラシ(ファーミネーター等)を使うと、オーバーコートを傷つけてしまうことがあります。アンダーコートブラシはダブルコートの犬種専用です。

痛みを与えない正しいブラッシングの角度と力加減

正しいブラシを選んでも、使い方が間違っていれば犬は痛がります。以下のポイントを意識しましょう。

力加減のチェック方法

ブラッシングを始める前に、必ず自分の手の甲でブラシを当ててみてください。スリッカーブラシの場合、手の甲を軽くなでて痛くない力加減が犬にも適正な強さです。「ブラシの自重だけで毛の上を滑らせる」イメージが基本です。

正しいブラッシングの手順

  • 毛先から始める - 根元から一気にとかそうとすると、もつれを引っ張って痛みの原因に。毛先の数センチをまず解いて、徐々に根元に向かって範囲を広げます
  • 片手で毛の根元を押さえる - もう片方の手で毛の根元(皮膚の近く)を軽く押さえてからブラシを通すと、引っ張られる力が皮膚に伝わりにくくなります
  • 毛の流れに沿って動かす - 毛並みに逆らってブラシを動かすと、毛が絡まったり引っかかったりしやすくなります。毛の生えている方向に沿ってブラシを動かしましょう
  • ブラシの角度は皮膚と平行に - ブラシを立てすぎるとピンが皮膚に刺さります。皮膚に対して平行に近い角度で、毛をすくい上げるように動かします

部位別のコツ:お腹や内股、耳の後ろなど皮膚が薄い部分は特に優しく。脇の下はもつれやすい部位ですが、犬が嫌がりやすいポイントでもあるため、最初のうちは無理に触らず、慣れてきてから少しずつ範囲を広げましょう。

嫌がる子を慣れさせる5ステップ

すでにブラッシングが嫌いになってしまった犬でも、段階的な練習で再び受け入れてもらうことは可能です。焦らず、犬のペースに合わせて進めましょう。

ステップ1:ブラシを見せるだけ

ブラシを出して犬が落ち着いていたらおやつを与えます。ブラシ=良いこと、という印象をつけます。嫌がって逃げる場合は、ブラシを少し離れた場所に置くところから始めます。

ステップ2:ブラシで体を軽く触れる

ブラシの背面(ピンのない側)で体を軽く触れてみます。犬が嫌がらなければおやつを与えます。嫌がったらすぐにやめて、ステップ1に戻ります。

ステップ3:背中を数回なでる

犬が最も嫌がりにくい背中からスタート。ブラシで2〜3回だけ軽くなでて、すぐにおやつと褒め言葉で終了します。1日2〜3回のセッションを数日間繰り返します。

ステップ4:範囲と時間を少しずつ広げる

背中に慣れたら、横腹→胸→首回りと範囲を広げます。1回のセッションも少しずつ長くしますが、犬が嫌がるサインを見せたらその手前でやめます。

ステップ5:全身ブラッシングを目指す

最終的に足先、耳の後ろ、お腹周りまで全身をブラッシングできることを目指します。苦手な部位は最後に回し、得意な部位から始めて「良い気分」でスタートすることが大切です。

ポイント:ブラッシング中にブラッシングスプレー(グルーミングスプレー)を使うと、毛の滑りが良くなりブラシの引っかかりが減ります。静電気の防止にもなるため、特に冬場や乾燥する季節は活用しましょう。

ブラッシングが被毛と皮膚の健康に与える効果

ブラッシングは見た目を整えるだけでなく、犬の健康にとっても重要なケアです[2]

  • 血行促進 - ブラシが皮膚に適度な刺激を与えることで血行が良くなり、被毛の成長に必要な栄養が行き渡りやすくなります
  • 皮膚トラブルの早期発見 - ブラッシングしながら皮膚の状態を観察することで、ノミ・ダニの付着、赤み、湿疹、しこりなどの異変を早期に発見できます
  • 皮脂の分散 - 皮膚から分泌される天然の皮脂がブラッシングによって被毛全体に行き渡り、毛に自然なツヤを与えます
  • 毛玉・もつれ防止 - 定期的なブラッシングで毛が絡まる前に解いておくことで、毛玉が大きくなって皮膚を圧迫するトラブルを予防できます

また、正しいブラッシングはスキンシップの時間でもあります。犬との信頼関係を深めるコミュニケーションとしても、日常的なブラッシングの習慣は大切です。被毛と皮膚の健康が気になる場合は、皮膚・被毛の悩みに対応したフード診断も参考にしてみてください。

よくある質問

Q. 小型犬のブラッシングはどのくらいの頻度ですればいいですか?

毛質によって異なります。シングルコートの長毛種(トイプードル、マルチーズなど)は毎日〜2日に1回、ダブルコートの犬種(チワワ、ポメラニアンなど)は週2〜3回が目安です。換毛期(春と秋)はダブルコートの犬種は毎日のブラッシングが望ましいです。短毛種(スムースチワワなど)は週1〜2回で十分です。

Q. ブラッシングで毛が大量に抜けますが大丈夫ですか?

ダブルコートの犬種は換毛期にアンダーコートが大量に抜けるため、ブラッシングで毛がたくさん取れるのは正常です。ただし、一箇所だけ毛が抜けて地肌が見える、皮膚が赤くなっている、フケが多いなどの場合は皮膚トラブルの可能性があるため、動物病院に相談してください。

Q. スリッカーブラシで犬が痛がります。使い方が間違っていますか?

スリッカーブラシは力の入れすぎが最も多い失敗です。ブラシの重さだけで撫でるような力加減が基本です。自分の手の甲で試して、痛くない力加減を確認してから愛犬に使いましょう。また、皮膚に直接ピンが当たると痛いため、毛先から少しずつとかし、根元に向かって進めていくことが大切です。

Q. トイプードルにファーミネーターを使ってもいいですか?

トイプードルはシングルコートのため、ファーミネーターのようなアンダーコート除去に特化したブラシは適していません。トイプードルの巻き毛にはスリッカーブラシ(ソフトタイプ)とコームの組み合わせが最適です。ファーミネーターはチワワやポメラニアンなどダブルコートの犬種に使うブラシです。

まとめ

ブラッシングを嫌がる小型犬の多くは、「痛い経験」がブラッシング嫌いの原因になっています。まずは愛犬の毛質に合ったブラシを選ぶこと(シングルコートにはスリッカー+コーム、ダブルコートにはスリッカー+ピンブラシ)、そしてブラシの自重だけで滑らせる力加減で毛先から順にとかすことが大切です。すでに嫌いになってしまった子でも、「ブラシを見せるだけ→背中を数回なでる→範囲を広げる」と段階的に慣らすことで、ブラッシングを受け入れてくれるようになります。定期的なブラッシングは被毛のケアだけでなく、皮膚トラブルの早期発見や血行促進にもつながる大切な健康習慣です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、獣医師の診断や治療に代わるものではありません。愛犬の健康について気になることがあれば、必ず動物病院にご相談ください。

参考文献を表示(全2件)
  1. American Kennel Club - How to Brush Your Dog's Coat
  2. RSPCA - Dog Grooming Guide

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