「短毛なのに、どうしてこんなに抜けるの?」——パグと暮らし始めた飼い主さんの多くが、まずこの抜け毛の量に驚きます。黒い服にも床にも、短い毛がびっしり。掃除しても追いつかず、ため息が出てしまいますよね。
パグの抜け毛は、その被毛の構造による自然なもの。短いぶん存在感は控えめでも、量そのものは決して少なくありません。この記事では、なぜこんなに抜けるのかから、短毛のパグに合ったブラッシングの道具、掃除の順番、そして短頭種ならではの暑さ対策とサマーカットの注意点まで、今日から試せる対策を整理しました。
パグの抜け毛はなぜ多い?換毛期はいつ?
パグの被毛は短くなめらかですが[1]、その下にやわらかな下毛をもつダブルコートで、ほかのダブルコート犬種と比べても抜け毛が多いとされます[2]。「短毛だから抜けない」という印象とは、むしろ逆なのです。
抜け毛が目立つ理由は、二層の被毛に加えて、毛が生え替わるサイクルが短めなこと。だから換毛期に限らず、一年を通じてコンスタントに抜け続けます。
抜け毛が一番多いのはいつ?
とくに増えるのは、下毛が入れ替わる春と秋の換毛期です。ただしパグの場合は「この時期だけ」とはっきり区切れるより、通年の抜け毛にピークが重なるイメージ。エアコンや暖房で一年中快適な室内では季節の区切りがさらに曖昧になり、「ずっと抜けている気がする」と感じることも珍しくありません。だからこそ、対策は換毛期だけでなく毎日の習慣にするのが現実的です。
フォーンと黒パグで抜け毛の量は違う?
毛色によって抜け毛の量が違う、ともいわれます。一般に、フォーン(淡色)のパグは下毛をもつダブルコートで抜け毛が多く、黒パグはシングルコートで比較的少ない、という傾向です。ただし黒パグでもダブルコートの子はいるため、あくまで目安として捉えてください。いずれにせよ「まったく抜けない」パグはいません。
⚠️ こんな抜け方は受診の目安
部分的に地肌が見えるほど抜ける/皮膚に赤み・かゆみ・ベタつき・においがある/毛づやが極端に落ちた——こうした様子は、換毛期の抜け毛とは別の皮膚トラブルのサインかもしれません[2]。また、パグは顔のシワの間が蒸れて皮膚炎(間擦疹)を起こしやすい犬種でもあります[4]。気になる症状が続くときは、自己判断せず動物病院に相談してください。
抜け毛対策①ブラッシングの頻度と道具
抜け毛対策の中心はブラッシングです。頻度は通常期で週2〜3回、換毛期は毎日が目安[2]。抜けかけた下毛を先に取り除いておくと、部屋に落ちる毛が減り、皮膚の蒸れの予防にもつながります。
道具の使い分け
短毛のパグには、長毛種で使うスリッカーは硬すぎて向きません。ラバーブラシで抜け毛を集め、獣毛ブラシで仕上げるのが基本の組み合わせです。
| 道具 | 役割 | 使いどき |
|---|---|---|
| ラバーブラシ | 抜け毛を吸着・マッサージ | 毎日の基本(短毛にやさしい) |
| 獣毛ブラシ | 皮脂を毛全体に行き渡らせ仕上げる | ブラッシングの最後に |
| 抜け毛取り(ファーミネーター等) | 下毛を集中的にかき出す | 換毛期のみ・週1回・数分以内に |
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いわゆる「ごっそり取れる」抜け毛取り(ファーミネーター等)は便利ですが、使いすぎると皮膚を傷めたり地肌が透けたりすることがあります。使うのは換毛期だけ、週1回・数分以内にとどめましょう。ブラシ選びの詳しい比較は「被毛タイプ別のブラシの選び方」も参考になります。
ブラッシングのやり方
- 毛の流れに沿って、ラバーブラシで全身をやさしくなでる
- 背中・お尻・首まわりなど、抜け毛の多い所を重点的に
- 顔のシワは指で軽く伸ばしながら、まわりの毛をなでる
- 最後に獣毛ブラシで整えれば完了
体を触られるのが苦手な子には、おやつと組み合わせて短い時間から慣らしましょう。力加減や慣らし方の詳しい手順は「痛くないブラッシングのコツ」も参考になります。
抜け毛対策②シャンプーと掃除のコツ
シャンプーは月1〜2回を目安に、掃除は「順番」を変えるだけで、抜け毛の片づけがぐっと楽になります。
シャンプーとドライ
洗いすぎは皮膚に必要な皮脂まで落としてしまうため、月1〜2回程度が目安です[2]。皮脂が多く、シワの間が蒸れやすいパグは、洗ったあとにシワの間の水気までしっかり拭き取り、乾かしきることが大切です。ドライヤーは温風の当てすぎに注意を。短頭種のパグは体温がこもりやすく、温風で熱中症のリスクが高まるため、低温・短時間で仕上げましょう[4]。
掃除は「拭いてから吸う」が楽
パグの短い抜け毛は繊維に刺さりやすく、掃除機の排気で舞い上がることもあります。先にフローリングワイパーやウェットシートで拭き集めてから掃除機をかける順番にすると、二度手間がなくなります。カーペットやソファはコロコロや、少し湿らせたゴム手袋でなでると効率的。空気を舞う毛には空気清浄機も助けになります。抜け毛が多い時期は薄手の服を着せると、床に落ちる毛をある程度減らせます(化繊は静電気で毛を寄せやすいので、コットン混の通気性の良いものを選び、蒸れに注意してください)。
パグの暑さ対策とサマーカットの注意点
「短く刈れば涼しくて、抜け毛も減るのでは」と考えたくなりますが、パグのサマーカット(丸刈り)はおすすめできません。そして、パグの暑さ対策で本当に大切なのは、毛を刈ることではなく室温の管理です。
まず、犬は主に呼吸(パンティング)で体温を下げるため、毛を刈っても涼しくはなりません。むしろ被毛がなくなると、直射日光や外気から皮膚を守る働きが失われ、日焼けや暑さのダメージを受けやすくなります[3]。刈ったあとに毛質が変わって生えそろわないこともあり、肝心の抜ける量も減りません。
とくにパグは鼻の短い短頭種で、体温調節が苦手なため暑さに弱い犬種です[4]。だからこそ、丸刈りではなく暑さそのものへの対策が欠かせません。夏はエアコンで室温を25℃前後(高くても28℃まで)に保ち、日中の暑い時間の散歩は避けて朝晩に。首を冷やすクールグッズを使うのも手です。適切な室温やエアコン設定は「犬の適温・室温ガイド」にまとめています。
抜け毛・毛並みを支える食事
抜け毛そのものはゼロにできませんが、毎日の食事は健康な被毛の土台になります。皮脂の多いパグは、皮膚のコンディションが毛のツヤや抜け方にも表れやすいタイプです。
被毛の大部分はタンパク質でできています。良質な動物性タンパク質が足りていることは、健康な毛が育つ土台になります。皮膚のうるおいに関わるオメガ3脂肪酸や、亜鉛・ビオチンなども、被毛のコンディションを支える栄養として知られています。
ただし、食事で換毛期の抜け毛がなくなるわけではありません。あくまで「健康な被毛を育てる土台」と捉えるのが現実的です。換毛期の栄養は「換毛期の栄養と食事」、パグに合うフード選びは「パグのフード選び」もあわせてご覧ください。愛犬の体質や悩みに合うフードは、無料のフード診断でも絞り込めます。
よくある質問
黒パグは抜け毛が少ないって本当ですか?
フォーン(淡色)のパグは下毛をもつダブルコートで抜け毛が多く、黒パグはシングルコートで比較的少ないといわれることが多いです。ただし黒パグでもダブルコートの子はいるため、あくまで傾向として捉えてください。
パグの抜け毛が一番多い時期はいつですか?
パグは一年を通してよく抜けますが、下毛が入れ替わる春と秋の換毛期にとくに増えます。室内飼いでは季節の区切りが曖昧になり、通年で抜け続けることもあります。
サマーカット(丸刈り)にすれば涼しくなって抜け毛も楽になりますか?
涼しくはなりません。犬は主に呼吸(パンティング)で体温を下げるため、毛を刈っても涼しくならず、むしろ日焼けや暑さのダメージを受けやすくなります。とくに短頭種のパグは暑さに弱いので、暑さ対策はエアコンなど室温の管理で行いましょう。抜ける量そのものも刈っても減りません。
パグにファーミネーターなどの抜け毛取りは使っていいですか?
使うなら換毛期だけ、週1回・数分以内にとどめてください。使いすぎると皮膚を傷めたり地肌が透けたりすることがあります。日々のケアはラバーブラシと獣毛ブラシが基本で、短毛のパグに硬いスリッカーは向きません。
どんな抜け方だと病院に行ったほうがいいですか?
部分的に地肌が見えるほど抜ける、皮膚に赤み・かゆみ・ベタつき・においがある、毛づやが極端に落ちた——こうした様子は、換毛期の抜け毛とは別の皮膚トラブルのサインかもしれません。自己判断せず動物病院に相談してください。
最後に:短毛でも「抜けて当たり前」を味方に
パグの抜け毛は、短毛でもダブルコートによる自然なもの。減らそうと気負うより、道具と掃除の段取りを整えて上手につき合うほうが、飼い主さんも愛犬も楽になります。
- 一年中抜ける・春と秋にピーク — 対策は換毛期だけでなく毎日の習慣に
- 道具はラバーブラシと獣毛ブラシ — 短毛に硬いスリッカーは使わない
- 丸刈りはしない・暑さは室温で — 短頭種のパグは暑さ対策こそ最優先
毎日のブラッシングの数分が、抜け毛の舞わない部屋と、健やかな皮膚を守ってくれます。まずは今日、ラバーブラシで背中をなでるところから始めてみてください。