ドッグフードの原材料表示|正しい見方と3つの誤解

ドッグフードの原材料表示|正しい見方と3つの誤解

💡 この記事のポイント

原材料リストを見るときに知っておきたい5つのこと

  • 原材料は品質のヒント - ただし、それだけで優劣は決められない
  • 「1番目が肉」の落とし穴 - 水分量や分割記載で見た目と実態が異なることも
  • 副産物・ミール=悪ではない - 栄養価が高く有益な場合もある
  • ラベルには書かれないこと - 品質管理、加工方法、ロット差は分からない
  • 保証成分値も合わせて見る - タンパク質、脂質、カロリーなど数値で比較

「このフード、原材料を見ると良さそう」「原材料の1番目が肉だから安心」

ドッグフードを選ぶとき、原材料リストをチェックする飼い主さんは多いですよね。愛犬の健康を思う気持ち、とても素敵です。

でも、原材料リストには見た目では分からない落とし穴があることをご存知でしょうか?この記事では、ドッグフードの原材料表示にまつわるよくある誤解を解説します。

原材料リストは「ヒント」であって「答え」ではない

最初にお伝えしたい大切なことがあります。

原材料リストの役割

原材料リストは、そのフードに何が入っているかを知るためのものです。しかし、以下のことは分かりません。

  • 原材料の品質(同じ「鶏肉」でも品質は様々)
  • 加工方法や製造プロセス
  • 配合バランスの適切さ
  • 製造ロットごとのばらつき
  • 原材料の産地や鮮度

つまり、原材料リストは品質を判断するための「ヒント」にはなりますが、それだけで優劣を決めることはできないのです。

誤解1:「肉が1番目なら高品質」

なぜこの誤解が広まったのか

原材料は重量順に記載されるルールがあります。そのため、「1番目が肉=肉がたっぷり=高品質」というイメージが広まりました。

確かに、肉が主原料であることは一つの良い指標です。しかし、いくつかの落とし穴があります。

落とし穴1:水分量のトリック

生の鶏肉は約70%が水分です。一方、チキンミール(乾燥鶏肉)は水分が10%程度。

原材料は加工前の重量順で記載されるため、水分を含む生肉は重くなります。乾燥後の実際の含有量は、見た目ほど多くないことがあるのです。

例:同じ100gの場合

  • 生鶏肉100g → 乾燥後は約30g(水分70%を除く)
  • チキンミール100g → そのまま約90g(水分10%程度)

つまり、「生鶏肉」が1番目でも、乾燥後の実際のタンパク質量では「チキンミール」の方が多い場合があります。

落とし穴2:分割記載

同じ原材料でも、形態を変えて別々に記載されることがあります。

例えば、「小麦粉、小麦グルテン、小麦ふすま」と分けて記載すると、それぞれは少量に見えます。しかし、合計すると肉より多い場合も。

本当に見るべきポイント

原材料の順番だけでなく、保証成分値のタンパク質含有量を確認しましょう。タンパク質25%以上(ドライフードの場合)が一つの目安です。

誤解2:「副産物・ミール=悪い原材料」

副産物のイメージと実態

「副産物」「ミール」という言葉に、あまり良くないイメージを持っている方も多いかもしれません。

しかし、副産物やミールが必ずしも悪いわけではありません

副産物・ミールとは

  • 副産物:肉以外の部位(内臓、軟骨など)。レバーや心臓は栄養価が高い
  • ミール:乾燥して粉末にした原材料。水分が少なく、濃縮されたタンパク質源

野生の犬やオオカミは、獲物の内臓を好んで食べます。内臓には筋肉だけでは得られないビタミンやミネラルが豊富に含まれているからです。

問題は「品質」であって「種類」ではない

副産物やミールの問題は、その品質がラベルからは分からないことです。

高品質なチキンミールは優れたタンパク質源になりますし、低品質な「新鮮な鶏肉」もあり得ます。重要なのは原材料の種類ではなく、メーカーの品質管理です。

誤解3:「原材料が少ないほど良い」

シンプル=良いとは限らない

「原材料が少ない方がシンプルで安心」という考え方もありますが、一概には言えません。

総合栄養食として必要な栄養素をバランスよく含むためには、ある程度の原材料が必要です。原材料が極端に少ないフードは、特定の栄養素が不足している可能性もあります。

限定原材料フードの適切な使い方

原材料を絞った「限定原材料(リミテッドイングリディエント)」フードは、食物アレルギーの特定や管理のために設計されています。

アレルギーの心配がない犬に、無理にシンプルなフードを選ぶ必要はありません。

原材料リストの限界と、本当に見るべきポイント

原材料リストでは分からないこと

ラベルに書かれないこと

  • 原材料の品質グレード
  • 製造工程での加熱温度や時間
  • 工場の衛生管理レベル
  • 製造ロットごとのばらつき
  • 原材料の鮮度や保管状態

本当に見るべき5つのポイント

原材料リストだけでなく、以下のポイントも合わせて確認しましょう。

  1. 保証成分値:タンパク質、脂質、繊維、灰分、水分、カロリーを確認
  2. AAFCO基準:「総合栄養食」の表示があるか
  3. ライフステージ:愛犬の年齢に合っているか
  4. メーカーの信頼性:品質管理への取り組み、リコール歴など
  5. 愛犬の反応:食いつき、便の状態、毛艶など実際の様子

まとめ:バランスの取れた情報収集を

原材料リストは、フード選びの参考になる情報の一つです。しかし、それだけで品質のすべてが分かるわけではありません。

  • 原材料リストは「ヒント」 - それだけで優劣は決められない
  • 「肉が1番目」の落とし穴 - 水分量や分割記載で実態は異なることがある
  • 副産物・ミールは必ずしも悪くない - 問題は品質管理
  • 複数の情報を見る - 保証成分値、AAFCO基準、メーカーの信頼性も重要
  • 愛犬の反応で判断 - 食いつき、便、毛艶など実際の様子を観察

愛犬に合ったフードを見つけるには、原材料だけでなく様々な情報を総合的に判断することが大切です。迷ったときは、獣医師に相談するのも良いでしょう。

よくある質問

Q1. 原材料の1番目が肉なら高品質ですか?

必ずしもそうとは限りません。原材料は重量順に記載されますが、生肉は水分を多く含むため重くなります。

乾燥後の実際の含有量は見た目ほど多くないことがあります。また、穀物が「小麦粉、小麦グルテン」のように分割記載されると、合計では肉より多い場合もあります。

Q2. 副産物(ミール)は悪い原材料ですか?

いいえ、副産物やミールが悪いとは限りません。「チキンミール」などの動物性ミールは、水分を除いた濃縮タンパク質源です。

内臓などの副産物も、栄養価が高く犬にとって有益な場合があります。重要なのは、原材料の品質管理と製造プロセスであり、これらはラベルからは分かりません。

Q3. 原材料リストだけでフードの品質は判断できますか?

原材料リストだけでは完全な判断はできません。原材料の品質、加工方法、配合バランス、製造工程の管理、ロット差などはラベルには記載されません。

保証成分値(タンパク質、脂質など)と合わせて総合的に判断することが大切です。

参考文献を表示(全3件)
  1. Tufts University - Cummings Veterinary Medical Center. "Questions You Should Be Asking About Your Pet's Food"
  2. AAFCO (Association of American Feed Control Officials). "Pet Food Labels - General"
  3. Freeman LM, et al. "Current knowledge about the risks and benefits of raw meat-based diets for dogs and cats." JAVMA. 2013.

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