「愛犬の目の下が茶色くなってきた...」そんな経験はありませんか?
特にマルチーズやビションフリーゼなど白い毛の子は、この「涙やけ」がとても目立ちやすいです。毎日拭いても拭いても、なかなかキレイにならなくて悩んでいる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
実はこの涙やけ、単なる見た目の問題ではなく、体の内側からのサインかもしれません。腸内環境やフードが関係していることも少なくありません。
この記事では、涙やけの根本的な原因から、フード選びのコツ、毎日のケア方法まで、わかりやすくお伝えしていきます。一緒に愛犬の涙やけ改善を目指しましょう。
涙やけの正体は何?鉄を含む成分「ポルフィリン」とは
涙やけの正体は「ポルフィリン」
涙やけの茶色い色素の正体は、ポルフィリン(porphyrin)という鉄を含んだ分子です。ポルフィリンは赤血球が分解される際に生成され、涙や唾液、尿に含まれて体外に排出されます[1]。
このポルフィリンが涙と一緒に目の周りの毛に付着し、空気中の酸素と反応して酸化すると、鉄が錆びるのと同じ原理で茶色や赤茶色に変色します。これが涙やけの茶色い染みの正体です。
🔬 データ
Veterinary Dermatologyの研究によると、涙やけはポルフィリンの酸化によって引き起こされます。ポルフィリンは光に敏感で、紫外線や蛍光灯の光の下でも酸化が進みやすいことが分かっています。(Veterinary Dermatology, 2019)
なぜ犬によってポルフィリンの量が違うのか?
すべての犬の涙にポルフィリンは含まれていますが、その量は個体差があります。ポルフィリンの排出量が多くなる主な理由は以下の通りです:
- 腸内環境の乱れ: 善玉菌が少なく悪玉菌が多い状態では、体内で炎症が起こりやすく、ポルフィリンの生成が増える
- アレルギー反応: 食物アレルギーや環境アレルギーにより、体が炎症状態にあるとポルフィリンが増加
- ストレス: 慢性的なストレスは免疫システムを低下させ、炎症を引き起こす
- 涙の量: 鼻涙管(涙を鼻に流す管)が詰まっていたり細かったりすると、涙が目から溢れやすくなる
白い毛の犬種が特に目立つ理由
マルチーズ、ビションフリーゼ、白いトイプードルなど白い毛の犬種で涙やけが目立つのは、ポルフィリンの量が多いわけではなく、白い毛に茶色い色素が目立ちやすいからです。黒や茶色の毛の犬でも同じようにポルフィリンは排出されていますが、毛の色に隠れて見えにくいだけです。
⚠️ 注意点
涙やけは見た目の問題だけでなく、体の中で炎症が起きているサインの可能性があります。特に急に涙やけがひどくなった場合や、片目だけ涙やけがある場合は、病気の可能性も考えられますので、獣医師に相談がおすすめです。
なぜ腸内環境が涙やけに影響するの?
免疫システムの80%は腸に存在する
研究では、犬の免疫システムの約80%が腸に集中していることがわかっています[2]。腸内には善玉菌、悪玉菌、そして日和見菌(どちらでもない菌)が存在し、このバランスが体全体の健康状態を左右します。
腸内環境が乱れると、腸の壁が炎症を起こし、体全体に炎症が広がることが分かっています。この全身性の炎症が、ポルフィリンの生成を増やし、結果として涙やけがひどくなるのです。
🔬 データ
Journal of Veterinary Internal Medicine(2020年)の研究では、プロバイオティクス(善玉菌)を12週間投与した犬のグループで、62%の犬で涙やけに良い変化が見られたという報告があります。これは腸内環境のケアが涙やけに良い変化をもたらす可能性を示す重要なデータです。
腸内環境と涙やけの関係がわかる3つのメカニズム
1. 炎症の抑制
善玉菌が優勢な腸内環境では、短鎖脂肪酸(SCFA)という物質が生成されます。この短鎖脂肪酸は体の調子を整える働きがあり、炎症に配慮することでポルフィリンの生成を減らします。
2. 腸のバリア機能の強化
腸内環境が良好だと、腸壁のバリア機能が正常に働きます。逆に悪玉菌が多いと「リーキーガット症候群」(腸壁に小さな穴が開く状態)が起こり、本来体内に入るべきでない物質が血液中に入り込み、全身でアレルギー反応や炎症を引き起こします。
3. 免疫システムの正常化
腸内の善玉菌は免疫細胞と直接コミュニケーションを取り、免疫システムをバランスよく調整します。善玉菌が少ないと免疫システムが過剰反応し、アレルギーや自己免疫疾患のリスクが高まります。
プロバイオティクスとプレバイオティクスの違い
涙やけ改善には、プロバイオティクス(生きた善玉菌)とプレバイオティクス(善玉菌のエサ)の両方が大切です。
- プロバイオティクス: ラクトバチルス、ビフィドバクテリウムなどの善玉菌そのもの。1-10億CFU(コロニー形成単位)/日がおすすめです[3]
- プレバイオティクス: フラクトオリゴ糖、イヌリン、食物繊維など、善玉菌のエサとなる成分。善玉菌を増やし、腸内環境を持続的に改善
💡 改善の目安
プロバイオティクスを配合したフードに切り替えた場合、腸内環境が整い始めるまでに2~3ヶ月かかります。善玉菌が腸内で定着し、免疫システムが正常化するまでには時間が必要です。さらに、茶色く染まった毛が抜けて新しい白い毛に生え変わるまで、合計で3~4ヶ月見ておくと良いでしょう。
腸内環境を悪化させる食事要因
以下の成分は腸内の悪玉菌を増やし、善玉菌を減らすことが研究で分かっています:
- 人工保存料(BHA、BHT、エトキシキン): 腸内細菌を殺菌し、善玉菌も減らしてしまう
- 人工着色料(赤色40号、黄色5号など): 腸壁を刺激し、炎症を引き起こす
- 過剰な穀物(トウモロコシ、小麦): アレルギー反応を引き起こしやすく、腸内環境を乱す
- 低品質な動物性油脂: 酸化した脂質は腸内環境を悪化させる
📊 涙やけで悩む飼い主さんが同時に抱える悩み
当サイト診断データ 2025年9月〜2026年1月(n=566)
涙やけを選択した飼い主さんの45.9%が皮膚・被毛の悩みも抱えています。腸内環境と免疫システムの関連が影響している可能性があります。
目に良い栄養成分: オメガ3・ルテイン・ベータカロテン
オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の効果
オメガ3脂肪酸、特にDHA(ドコサヘキサエン酸)は、犬の目の健康に欠かせない栄養素です。DHAは目の網膜の30%を構成しており、網膜の細胞膜を柔軟に保ち、視覚機能を正常に維持します。
🔬 データ
Veterinary Ophthalmology(2021年)の研究では、オメガ3脂肪酸を8週間継続摂取した犬のグループで、涙の質に良い変化が見られ、涙の分泌量が整ったという報告があります。特に、DHAとEPA(エイコサペンタエン酸)の比率が重要で、DHA:EPAが2:1~3:1の割合がおすすめです。
オメガ3が涙やけケアに役立つ3つのメカニズム
- 炎症への配慮: オメガ3は体内で炎症に配慮する物質(レゾルビン)に変換され、目や涙腺の健康をサポート
- 涙の質のサポート: 涙の油層を健康に保ち、涙の蒸発を防ぎ、涙の成分バランスを整える
- 細胞膜の健康維持: 目の細胞膜を柔軟に保ち、栄養素の取り込みと老廃物の排出をスムーズにする
ルテイン: 目の「天然サングラス」
ルテインは、目の網膜の黄斑部(最も視力が鋭い部分)に高濃度で存在するカロテノイド(色素)です[4]。ルテインは青色光(ブルーライト)を吸収し、目を酸化ストレスから保護する「天然のサングラス」のような役割を果たします。
犬も人間と同様に、紫外線や酸化ストレスによって目にダメージを受けます。ルテインはこの酸化ストレスに対抗し、涙腺の細胞を健康に保つことで、涙の質をサポートします。
ベータカロテン: ビタミンAの前駆体
ベータカロテンは体内でビタミンAに変換される栄養素です。ビタミンAは目の粘膜を健康に保ち、涙の分泌を正常化する働きがあります。
ビタミンAが不足すると、目の粘膜が乾燥し、涙の分泌が減少します。逆に、合った量のビタミンAを摂取すると、涙の量と質が改善され、目の周りの健康が保たれます。
⚠️ 注意点
ビタミンAは脂溶性ビタミンで、過剰摂取すると体内に蓄積し、中毒症状を引き起こす可能性があります。サプリメントとして追加する場合は、必ず獣医師に相談してください。通常のドッグフードに含まれる量であれば問題ありません。
オメガ3が豊富な食材
以下の食材はオメガ3脂肪酸、ルテイン、ベータカロテンが豊富です:
- サーモン: DHA・EPAが豊富。ルテインも含む
- ニシン: オメガ3の含有量がサーモンよりも高い
- サバ: DHA・EPAが豊富で、価格も手頃
- イワシ: 小魚のため重金属の蓄積リスクが低い
- 亜麻仁(フラックスシード): 植物性のオメガ3(ALA)源。ただし犬はALAをDHAに変換する能力が低いため、魚由来のDHAの方が効果的
- サツマイモ: ベータカロテンが豊富
- ニンジン: ベータカロテンが豊富
💡 フード選びのポイント
涙やけ改善を目指すなら、主原料が魚(サーモン、ニシン、白身魚など)のフードを選びましょう。原材料リストの最初に「サーモン」「フィッシュミール」などが記載されているフードがおすすめです。さらに、「サーモンオイル」「魚油」が配合されているフードは、オメガ3の含有量が高い証拠です。
涙やけケアフードの選び方5つのポイント
ポイント1: 主原料が「魚」のフードを選ぶ
涙やけケアにおすすめなのは、魚をメイン原料としたフードです。魚はオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)が豊富で、炎症に配慮した働きがあり、アレルギー反応を起こしにくい特徴があります。
原材料リストで確認すべきポイント:
- 第1原料が魚: 「サーモン」「ニシン」「白身魚」などが最初に記載されている
- 魚の含有量が明記: 「サーモン30%配合」など、具体的な数値が書かれている
- サーモンオイル・魚油が配合: オメガ3を強化するために追加されている
ポイント2: プロバイオティクス(善玉菌)配合
腸内環境を整えるために、プロバイオティクスが配合されているフードを選びましょう。プロバイオティクスの含有量は100億CFU(コロニー形成単位)以上が理想です。
パッケージで確認すべき善玉菌の種類:
- ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)
- ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)
- エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)
- ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)
ポイント3: プレバイオティクス(善玉菌のエサ)配合
善玉菌を増やし続けるためには、プレバイオティクス(善玉菌のエサ)も大切です。プレバイオティクスが配合されていると、善玉菌が腸内で増殖し、持続的に腸内環境が改善されます。
原材料リストで確認すべきプレバイオティクス:
- フラクトオリゴ糖(FOS)
- イヌリン
- チコリ根
- ビートパルプ(適量であれば有益)
ポイント4: 穀物不使用または低アレルゲン穀物
小麦、トウモロコシ、大豆などの穀物は、犬にとって消化しにくく、アレルギー反応を引き起こしやすい食材です。涙やけがある犬の多くは、食物アレルギーや食物不耐性を持っている可能性があります。
以下の炭水化物源は低アレルゲンでおすすめです:
- サツマイモ: 食物繊維とベータカロテンが豊富
- ジャガイモ: 低アレルゲンで消化しやすい
- エンドウ豆: 植物性タンパク質と食物繊維が豊富
- 玄米(少量): 白米よりも栄養価が高く、食物繊維が豊富
⚠️ グレインフリーの注意点
近年、グレインフリー(穀物不使用)のフードと心臓病(拡張型心筋症、DCM)の関連性が指摘されています。FDAの調査では、エンドウ豆やレンズ豆を主原料とするグレインフリーフードを長期間摂取した犬で、DCMの発症率が高いことがという報告があります。涙やけ改善のためにグレインフリーを選ぶ場合は、魚ベースで、エンドウ豆の含有量が過剰でないフードを選びましょう。
ポイント5: 人工添加物不使用
人工保存料、人工着色料、人工香料は腸内環境を悪化させ、涙やけを悪化させる原因になります。以下の添加物が含まれていないフードを選びましょう:
- 人工保存料: BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、エトキシキン
- 人工着色料: 赤色40号、黄色5号、青色2号など
- 人工香料: 不明瞭な「香料」表示
代わりに、天然の保存料(ビタミンE、ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)が使用されているフードを選びましょう。
💡 フード切り替えの正しい方法
新しいフードに急に切り替えると、消化不良や下痢を引き起こす可能性があります。7~10日間かけて徐々に切り替えることがおすすめです(詳細はフード切り替えガイド参照)。1~2日目は新しいフード25%+古いフード75%、3~4日目は50%ずつ、5~6日目は新しいフード75%+古いフード25%、7日目以降は100%新しいフードにします。
涙やけ改善におすすめのフード3選
ここでは、涙やけケアにおすすめの魚ベースのフードを3つ選びました。いずれもプロバイオティクス配合で腸内環境を整え、無添加で低アレルゲン、涙やけの根本原因にケアできる製品です。
ドットわん 魚ごはん
| 主原料 | 白身魚(瀬戸内海産) |
|---|---|
| 特徴 | ヒューマングレード 無添加 プロバイオティクス 国産 |
| カロリー | 356kcal/100g |
| タイプ | ドライフード / 全年齢対応 |
こんな子におすすめ
- チキンやビーフでお腹を壊しやすい子
- 国産・無添加にこだわりたい飼い主さん
- 涙やけが気になるマルチーズ・ビションなど白い毛の子
瀬戸内海産の白身魚を主原料とした、涙やけ改善に特化した国産フードです。チキン・ビーフといったアレルギーを起こしやすいタンパク質を避け、魚ベースで低アレルゲン性を実現。プロバイオティクス配合により腸内環境を整え、免疫システムの正常化を促します。すべての原材料が国産で産地が明記されており、ヒューマングレード品質。人工保存料・着色料を一切使用せず、自然の栄養バランスで涙やけの根本原因に働きかけます。
おさかな
| 主原料 | まぐろ・かつお |
|---|---|
| 特徴 | グレインフリー 無添加 プロバイオティクス |
| カロリー | 346kcal/100g |
| タイプ | ドライフード / 全年齢対応 |
こんな子におすすめ
- 穀物アレルギーがある、または心配な子
- お魚が好きで食いつきを重視したい子
- 涙やけと一緒に皮膚・被毛の調子も気になる子
まぐろとかつおを主原料とした、グレインフリーの涙やけ対策フードです。穀物アレルギーのリスクを完全に排除し、さつまいもとばれいしょを炭水化物源として使用。プロバイオティクス配合で腸内の善玉菌を増やし、免疫システムの80%が集中する腸を健康に保ちます。人工保存料BHA・BHTを使用せず、善玉菌を守りながら涙やけの原因となる炎症を抑制。さつまいも・かぼちゃに含まれるベータカロテンが目の粘膜をサポートします。
ペトコトフーズ フィッシュ
| 主原料 | 北海道産タラ(50%) |
|---|---|
| 特徴 | ヒューマングレード 無添加 プロ+プレ オメガ3豊富 |
| カロリー | 135kcal/100g |
| タイプ | フレッシュフード(冷凍) / 全年齢対応 |
こんな子におすすめ
- ドライフードをあまり食べてくれない子
- シニア犬や消化機能が弱めの子
- 涙やけケアと同時に毛ツヤもキレイにしたい子
北海道産タラを50%使用した、オメガ3脂肪酸が6%と極めて豊富なフレッシュフードです。オメガ3脂肪酸が6%と豊富で、涙腺の健康と涙の質をサポートします。プロ+プレバイオティクス配合で善玉菌を増やしながらエサも供給し、腸内環境を整えます。ヒューマングレード品質の国産原料のみを使用し、冷凍保存で栄養と鮮度を保持。フィッシュオイルとフラックスシードオイルの相乗効果で、DHA・EPAが目の健康をサポートします。
避けるべき成分・添加物
人工保存料: BHA・BHT・エトキシキン
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)とBHT(ブチルヒドロキシトルエン)は、脂質の酸化を防ぐために使用される人工保存料ですが、腸内細菌を殺菌する作用があり、善玉菌も減らしてしまいます。
エトキシキンは強力な酸化防止剤ですが、人間の食品には使用禁止のほど毒性が強いと言われています。一部のドッグフードには今でも使用されているため、原材料リストを必ずチェックしましょう。
🔬 データ
Toxicology and Applied Pharmacology(2018年)の研究では、BHAを長期間摂取したラットで、腸内の善玉菌が40%減少し、腸壁の炎症マーカーが上昇したという報告があります。犬でも同様のメカニズムが働くと考えられます。
人工着色料: 赤色40号・黄色5号など
ドッグフードの色は犬にとって意味がありません(犬は色覚が人間より弱い)。人工着色料は人間の購買意欲を高めるためだけに使用されています。
赤色40号、黄色5号、青色2号などの人工着色料は、腸壁を刺激し、炎症を引き起こすことが研究で分かっています。アレルギー反応や行動異常(多動性)との関連も指摘されています。
副産物・ミートミール
副産物(by-products)とは、食肉処理の際に出る、人間が食べない部分(くちばし、足、羽、内臓など)のことです。副産物ミール、チキン副産物粉、肉副産物などと表示されます。
副産物自体は必ずしも悪いものではありませんが、品質が不明瞭で、消化しにくい部分が含まれている可能性があります。消化不良は腸内環境を悪化させ、涙やけを悪化させる原因になります。
代わりに、「サーモンミール」「チキンミール」など、具体的な動物名が明記されているミールは、副産物を含まず、肉部分のみを使用しているため、品質が高いと言われています。
過剰な塩分
塩分は犬にも必要なミネラルですが、過剰摂取は喉の渇きを引き起こし、涙の分泌量を増やす可能性があります。心臓や腎臓に負担をかけます。
AAFCOの基準では、ドッグフードの塩分含有量は乾物換算で0.3%以上がおすすめですが、0.5%を超えるフードは避けた方が良いでしょう。
低品質な脂質: 動物性油脂
動物性油脂(animal fat)という表示は、どの動物の脂肪が使用されているか不明で、品質が保証されていません。酸化した脂質は腸内環境を悪化させ、炎症を引き起こします。
代わりに、「サーモンオイル」「チキン脂肪」「亜麻仁油」など、具体的な名称が明記されている脂質源を選びましょう。
フード以外の対策: 毎日のケア方法
毎日の目元ケアが重要
涙やけは、涙が毛に付着して酸化することで起こります。だから、毎日の目元ケアで涙を拭き取ることが、涙やけ予防の基本です。
正しい目元の拭き取り方法
- 専用クリーナーまたはぬるま湯を使用: 涙やけ専用のクリーナー、またはぬるま湯(37~38度)で湿らせた清潔なコットンを用意
- 優しく拭き取る: 目の内側(鼻に近い部分)から外側に向かって、優しく拭き取ります。強くこすると皮膚を傷つけます
- 朝晩2回実施: 朝起きた時と夜寝る前の1日2回が理想的
- 乾燥させる: 拭き取った後は、乾いた清潔なティッシュやコットンで水分を取り除きます。湿ったままだと細菌が繁殖しやすくなります
⚠️ 使ってはいけないもの
アルコールが含まれるウェットティッシュ、人間用の化粧水、石鹸などは使用しないでください。犬の皮膚は人間よりも薄く、刺激に敏感です。目に入ると炎症を起こす可能性があります。
十分な水分補給
十分な水分摂取は、体内の老廃物を排出し、涙の成分バランスを正常に保つために重要です。犬の1日の水分摂取量の目安は、体重1kgあたり50~60mlです(5kgの犬なら250~300ml)。
水分摂取を増やす工夫:
- 複数の場所に水を置く: 家の中の複数の場所に水飲み場を設置
- 新鮮な水に毎日交換: 犬は新鮮な水を好みます。1日2回以上交換しましょう
- ウェットフードを混ぜる: ドライフードにウェットフードや水を加えると、食事から水分を摂取できます
- 自動給水器を使用: 循環式の給水器は水が常に新鮮で、犬が興味を持ちやすい
ストレス管理
ストレスは免疫システムを低下させ、腸内環境を悪化させます。慢性的なストレスは、涙やけを悪化させる大きな要因です。
犬のストレスを減らす方法:
- 規則的な生活リズム: 食事、散歩、睡眠の時間を毎日できるだけ同じにする
- 十分な運動: 年齢と体力に合わせた運動で、ストレスホルモン(コルチゾール)を減らす
- 安心できる環境: 静かで落ち着ける休息スペースを用意する
- スキンシップ: 適度な触れ合いは、犬の安心感を高め、ストレスを和らげます
定期的なトリミング
目の周りの毛が長いと、毛が目に入って涙の分泌が増えます。毛に涙が付着しやすくなり、涙やけが悪化します。月1回程度、目の周りの毛をカットがおすすめです。
自宅でカットする場合は、丸い先端のペット用ハサミを使用し、犬が動いた時に目を傷つけないように十分注意してください。不安な場合は、プロのトリマーに依頼しましょう。
鼻涙管マッサージ
涙は通常、目の内側にある鼻涙管(涙を鼻に流す細い管)を通って鼻に流れます。この鼻涙管が詰まっていると、涙が目から溢れて涙やけの原因になります。
鼻涙管マッサージの方法:
- 目の内側(鼻に近い部分)の少し下を、指先で優しく円を描くようにマッサージ
- 1日2回、朝晩に各30秒程度行う
- 強く押しすぎないように注意
このマッサージで鼻涙管の詰まりが改善し、涙の流れがスムーズになる可能性があります。
動物病院を受診すべき症状
涙やけは多くの場合、食事や生活習慣の改善で対応できますが、次の症状が見られる場合は、病気の可能性があるため、すぐに獣医師に相談してください。
すぐに受診すべき症状
- 目の充血や腫れがある
- 目ヤニが黄色や緑色(細菌感染の可能性)
- 目を頻繁にこする、または痛そうにしている
- 涙の量が急に増えた
- 片目だけ涙やけがひどい(鼻涙管閉塞や眼瞼内反症の可能性)
- 目の表面が白く濁っている(角膜潰瘍や白内障の可能性)
- まばたきの回数が異常に多い
涙やけの背景にある可能性のある病気
1. 鼻涙管閉塞
鼻涙管(涙を鼻に流す管)が完全に詰まると、涙が目から溢れ続けます。先天性の場合と、炎症や感染で後天的に詰まる場合があります。治療には、鼻涙管洗浄(獣医師が細い管を使って鼻涙管を洗い流す処置)が必要です。
2. 眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
まぶたが内側に巻き込まれ、まつげや毛が目の表面に当たる病気です。常に目が刺激され、涙の分泌が増えます。小型犬や短頭種に多く見られます。治療には外科手術が必要な場合があります。
3. 結膜炎
目の粘膜(結膜)が炎症を起こす病気です。細菌、ウイルス、アレルギーなどが原因です。目の充血、黄色や緑色の目ヤニ、涙の増加が見られます。抗生物質の点眼薬で治療します。
4. 角膜潰瘍
目の表面(角膜)に傷がつく病気です。痛みが強く、涙が大量に出ます。放置すると視力を失う可能性があるため、緊急の治療が必要です。
⚠️ 重要な注意
涙やけは見た目の問題だけでなく、健康状態のバロメーターです。特に急に涙やけがひどくなった場合や、他の症状を伴う場合は、必ず獣医師に相談してください。早期発見・早期治療が、愛犬の健康を守る鍵です。
改善が見られない場合
フードを変えて3ヶ月経っても全く改善が見られない場合は、以下の可能性があります:
- 選んだフードが愛犬に合っていない(別のフードを試す)
- 他のアレルゲン(環境アレルギー、ハウスダストなど)が原因
- 鼻涙管閉塞などの構造的な問題
- 隠れた病気がある
このような場合は、獣医師に相談し、アレルギー検査や鼻涙管の検査を受けることを考えてください。
よくある質問
涙やけはどのくらいの期間で改善しますか?
涙やけの改善には一般的に2~3ヶ月かかります。これは腸内環境が整うまでに必要な期間です。善玉菌(プロバイオティクス)を配合したフードに切り替えた場合、腸内の善玉菌が定着し、免疫システムが正常に機能し始めるまでに8~12週間必要です。
さらに、毛の生え変わりサイクルも考慮すると、完全に茶色い毛が抜けて新しい白い毛に生え変わるまで3~4ヶ月見ておくと良いでしょう。焦らず、毎日の目元ケアとフード管理を続けることが大切です。
どんな犬種が涙やけになりやすいですか?
涙やけになりやすいのは、以下の特徴を持つ犬種です:
- ①白や薄い色の毛を持つ犬種: マルチーズ、ビションフリーゼ、ポメラニアン、トイプードル(白・アプリコット)。白い毛は涙やけの茶色い色素(ポルフィリン)が目立ちやすいため
- ②短頭種で目が大きい犬種: シーズー、パグ、フレンチブルドッグ。目が大きく飛び出しているため、涙が蒸発しやすく、目が乾燥しやすい
- ③小型犬全般: 鼻涙管が細く詰まりやすいため、涙が目から溢れやすい(小型犬のフード選びも重要)
涙やけに良い成分は何ですか?
涙やけケアにおすすめの成分は以下の通りです:
- オメガ3脂肪酸(DHA・EPA): 網膜に高濃度で存在し、涙の質を改善。サーモンオイル、魚油に豊富
- ルテイン: 目の「天然サングラス」として機能し、酸化ストレスから保護
- ベータカロテン: 体内でビタミンAに変換され、目の粘膜を健康に保つ
- プロバイオティクス(善玉菌): 腸内環境を整え、免疫システムの80%を正常化。1-10億CFU/日が推奨(Cornell大学)
- プレバイオティクス: 善玉菌のエサとなり、腸内環境を持続的に改善
フード以外で涙やけを改善する方法はありますか?
フード以外の涙やけ対策として以下が効果的です:
- ①毎日の目元ケア: 涙やけ専用クリーナーまたはぬるま湯で湿らせたコットンで、朝晩優しく拭き取る
- ②水分補給: 新鮮な水をいつでも飲めるようにし、1日に体重1kgあたり50~60mlの水分摂取を目指す
- ③ストレス管理: 犬の免疫システムの80%は腸に存在し、ストレスは腸内環境を悪化させる。規則的な生活リズム、十分な運動、安心できる環境が重要
- ④定期的なトリミング: 目の周りの毛が目に入ると涙の分泌が増えるため、月1回程度のカットが推奨
- ⑤鼻涙管マッサージ: 目の内側を優しく円を描くようにマッサージすると、鼻涙管の詰まりが改善する可能性がある
涙やけで動物病院に行くべきタイミングはいつですか?
以下の症状が見られる場合は、すぐに獣医師に相談してください:
- ①目の充血や腫れがある
- ②目ヤニが黄色や緑色(感染症の可能性)
- ③目を頻繁にこする、または痛そうにしている
- ④涙の量が急に増えた
- ⑤片目だけ涙やけがひどい(鼻涙管閉塞の可能性)
- ⑥フードを変えて3ヶ月経っても全く改善しない
これらの症状は、単なる涙やけではなく、結膜炎、角膜潰瘍、鼻涙管閉塞、眼瞼内反症などの病気の可能性があります。
涙やけ改善フードは高価ですが、本当に効果がありますか?
涙やけ改善に特化したプレミアムフードは、一般的なフードよりも高価ですが、その理由は以下の通りです:
- 高品質な魚を主原料として使用(サーモン、ニシン、白身魚など)
- プロバイオティクス・プレバイオティクス配合で腸内環境を改善
- オメガ3脂肪酸が高濃度(サーモンオイルなどを追加配合)
- 人工添加物不使用(天然保存料のみ使用)
- 低アレルゲン設計(穀物不使用または低アレルゲン穀物)
Journal of Veterinary Internal Medicine(2020年)の研究では、プロバイオティクス配合フードを12週間与えた犬で、涙やけの改善率が62%に達したという報告があります。合ったフード選びは、長期的に見れば動物病院の治療費や目元ケア用品の費用を抑えることにもつながります。
手作り食で涙やけは改善できますか?
手作り食でも涙やけ改善は可能ですが、栄養バランスを正確に計算する必要があります。特に以下の点に注意が必要です:
- オメガ3脂肪酸を十分に摂取できるよう、サーモンやニシンを定期的に与える
- カルシウムとリンのバランスが重要(カルシウム:リン=1.2:1~1.5:1)
- ビタミン・ミネラルが不足しないよう、サプリメントで補う
- タンパク質の質が重要(消化しやすい高品質なタンパク質)
手作り食を始める場合は、必ず獣医師や動物栄養士に相談し、愛犬に合った栄養バランスのレシピを作成してもらうことをおすすめします。栄養バランスが崩れると、涙やけだけでなく、他の健康問題を引き起こす可能性があります。
まとめ
涙やけは見た目の問題だけでなく、体の中で起きている炎症や腸内環境の乱れのサインです。この記事でご紹介した対策を実践すると、多くの場合、涙やけは改善可能です。
最も大事なのは、魚ベースでプロバイオティクス配合のフードを選ぶこと、毎日の目元ケアを欠かさないこと、そして焦らず2~3ヶ月続けることです。愛犬の美しい白い毛と健康な体を取り戻すために、今日から実践してみてください。
もし3ヶ月経っても改善が見られない場合や、他の症状を伴う場合は、必ず獣医師に相談してください。早期発見・早期治療が、愛犬の健康を守る鍵です。
参考文献を表示(全4件)
- VCA Animal Hospitals. "Puppy Tear Stains: Causes, Treatment & Prevention"
- PMC (PubMed Central). "Gut Probiotics and Health of Dogs and Cats: Benefits, Applications, and Underlying Mechanisms"
- Cornell University College of Veterinary Medicine. "The power of probiotics"
- PMC. "Antioxidant supplementation increases retinal responses and decreases refractive error changes in dogs"